みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

雲照寺の蠟梅

2016-12-25 16:57:07 | 俳句
俳句の会で瓦谷の雲照寺を吟行しました。

              

山門にも本堂にも五色の幕が張られて、静謐な境内にも年越し間近な華やぎが感じられます。鰐口を鳴らしましたら、いつにも増して冴えわたるような音が響きました。

本堂の傍らの目立たない位置に蠟梅が五分咲きくらい。こんなに美しい盛りの蠟梅の花との出会いは初めて! その名のとおり蝋細工のような花の得も言われぬ香りに我を忘れそうでした。



境内の向こうに枯葉を纏った木は、たぶん柏。その木へ小鳥たちが次々にやってきて早口のお喋りを交わしています。シジュウカラとメジロのようでした。

          寒禽の声を集めし一樹かな

昼食は、いつもなら各自持参のお弁当なのですが、今日は、御主人を亡くされた某会員が「忌中払い」ということで、ご家族お手製の食事を御馳走してくださいました。混ぜご飯や根菜の煮物や白菜の漬物など、どれも心のこもった懐かしい味! 体調がパッとしない私も、美味しく戴きました。

干しイモ作り

2016-12-17 13:13:04 | 暮らし
干しイモ作りに初挑戦した。当菜園のサツマイモは毎年大豊作だけれど、長期間の貯蔵は難しい。厳寒に弱くて、古毛布などで厚くくるんでも年を越すことが出来ない。干しイモにして冷蔵すれば新春まで、冷凍すれば長期に貯蔵可能だ。体調不良ながら痛くて重い腰を上げて取り組んだ。

サツマイモは洗って丸のまま蒸かしてから、皮を剝き適当な厚さに切って数日間干す。冬晴の天気が続くスケジュールを選んで作業するのがコツ。

         

不器用な私の初挑戦にしては成功!? 品種はベニハルカ。いい色に仕上がりました。縁先の干し場ではハナアブが盗食中。花蜜の代わりとしても十分な甘さの証しですね。ホコリを払ってから、軽く焙ると最高の味です!

アカゲラの採餌

2016-12-13 22:37:33 | 野鳥
お世話になっている先輩御婦人の御主人が亡くなられて、告別式に参列した。昨今は喪主のお屋敷での葬儀というのは当地でも見当たらなくなり、今日の斎場もセレモニーホール。葬儀社員の皆様はいつも配慮を尽くしたお世話をしてくださっているし、導師の読経も丁寧なのだけれど、予定通りに進み過ぎるからなのか、消化不良のような感情が積もっていく。それでも、遺された先輩御婦人と式の前後に少しばかり御挨拶を交わすことが出来て、体調不良ながら行って良かったと思う。

帰庵し喪服から普段着に着替えて、ぼんやり縁先を眺めていたら、庭の合歓の木にアカゲラが来た。よく見かけるコゲラはスズメ大だけれど、アカゲラは二回りぐらい大きい。裏山に来ているのを時折見かけているが、当庭で見たのは初めて。枯枝を螺旋に上ったり下りたりしながら突っついている。時々 キョッ キョッ と発声。白黒の羽根模様に腰の真紅の紋が大きく鮮やかだ。

アカゲラは親が亡くなったとき、鮮やかな模様の服に着替えるのに手間取って葬式に遅れた。罰として餌を採るのに苦労して木の枝を突っつかなければならなくなった。スズメは普段着のまま葬式に駆け付けたので、ご褒美として田んぼの稲の実を採ることが出来るようになった・・とかいう御伽噺?を聞いたことがある。それはともかく、懸命に採餌する野鳥たちは生きることに迷いが無いように見える。迷ってばかりの人間って、生き物として不完全なのか・・






堀田善衛 著 「キューバ紀行」

2016-12-11 08:57:22 | 
ブログ「世に倦む日々」の、フィデル・カストロ(1926~2016.11.25)の死を悼む記事で知った本。岩波新書1966初版を県立図書館から公民館図書室へ取り寄せてもらって読んだ。著者の堀田善衛(1918~1998)は、私の父が晩年まで敬愛していた作家だけれど、その著書を私がまともに?読んだのは今回が始めてだ。



キューバについても無知に等しい私だが、なんと読みやすく興味深い本だったことか! 瑞々しい文体、瑞々しい革命の時代、そして瑞々しい指導者のフィデル・カストロ・・

堀田善衛はこんなことも書いている。 私は自国の文学に徹底して通じることが、外国を見るについて一番大切なことであると固く信じている と。 この著者の他の本も読みたくなりました。



冬日差の中で

2016-12-07 09:13:55 | 俳句
俳句の会で大増の正法寺へ行きました。お天気はいいのだけれど北西の風が強い! でも正法寺に着いたら、北西側に筑波~加波の連山が控えているので、さすがの強風も宥められたよう・・穏やかな日差の中で吟行を楽しむことが出来ました。



冬涸れの季節に入っていますが、境内周辺は山清水が湧き出て清冽な音を立てていました。

             冬の水ゆたかに迅し法の山

本堂の前の階段の両脇には表情ゆたかな羅漢像が18体。本堂の中には百観音像が在します。観音像は火災に遭ったことがあるそうで、煤けた色が痛ましくも有難く思われます。

       

          

あごひげが見事なヒゲの前住職をお見かけしたのは一度だけですが、その個性ゆたかなお人柄が忘れられません。

            傑僧は卵塔となり風冴ゆる


雨が上がって

2016-12-01 16:45:52 | 菜園
夜来の雨が昼過ぎに上がりました。葉陰の万両の実も濡れ色に。周りの樹々の落葉も進みました。猛犬だったユキも、少し寂しげな表情を見せているような?

     

当菜園では大根、人参、ネギ、ターサイ、ホーレンソウなどを収穫中。エンドウ豆が発芽し、小さな姿でこれからの厳寒期を乗り越えてくれる筈です。私もヨタヨタしながらも、何とか乗り越えたいと思います。