みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

歌謡曲

2014-04-29 19:28:20 | 健康・病気

新緑が素晴らしい季節だというのに、朝から頭痛。片頭痛のような深刻な症状ではないが、気分が朦朧として、時に吐き気を生じる。

野良仕事もさっぱり捗らない。夏野菜=茄子・胡瓜・南瓜・ピーマン・シシトウ等の苗の定植を、昨日の内にやっておいて良かった。

気力・体力が出ないときは休むに限る。ボンヤリした気分でラジオを聴く。「昭和の日」だからか、昭和の歌謡曲特集のような番組をやっていた。

私は音楽が苦手。歌声らしい声を出せない喉だし、音楽を聴く環境にも恵まれない成長期を過した。それでも今、美空みばり・三橋美智也・島倉千代子・吉永小百合・・を聞くと、心の共鳴を覚える。

小林旭や石原裕次郎に至っては、当時は不良青年?のように思って敬遠していたのに、今日は、何て素敵なんだろう、と感動して、頭痛を暫し忘れられる。

私はやっぱり昭和の、それも戦後のそれの、時代の子なのだ。戦後レジームが、それなりに良く機能していた時代の子なのだ。


公園と幼な子

2014-04-27 16:26:42 | 俳句

Dscn0533俳句の会の吟行で、市内の工場団地の一角にある柏原池公園へ行きました。あでやかな牡丹桜が風に揺れていました。

欅の新緑も芽柳も美しく、広い池や芝生広場があり、遠霞の向こうには筑波嶺が見えて、良く考えられた設計の下に整備された公園と言えるでしょう。

Dscn0532ところが、自然ゆたかな八郷に住んでいると、こんな「整備」された空間には違和感が強いのです。人工的で、落ち着かないのです。

そんな中、子供連れの幾組かの家族連れに出会いました。1~3歳ぐらいと思われる幼児の表情や所作には、理屈抜きに心を和ませずにはいられません。

    幼な子へ人の輪うごく春野かな


田水を張る頃

2014-04-25 11:40:38 | 八郷の自然と風景

Dscn0516 当庵から望む風景の色模様が日毎に移り変っていきます。

田んぼでは、代掻きに備えて田水を張る季節です。水が張られると、カルガモやコサギなどが待ちかねていたかのようにやってきて、採餌したり、畔で休んだりしています。

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昨夕、田んぼ用水ポンプ機場へ行ったとき、傍らの田んぼの人が曰く、「イヤー 参ったよ。水が貯まらないんで変だと思ったら、大きな穴が開いていたんだ。」と。

時々出没するアライグマが、畔を荒らしたのかも知れません。

畔の修復を了えた逞しい体格のその人は、私が都会から移住したことを指して、「こんなド田舎に、何を好きこのんで来るのか、分かんねえなぁ 」とおっしゃいます。「ここは最高ですよ。私は八郷に一目ぼれして来ました。」と言った私に、首を傾げながら苦笑されて。

分かんねえなぁ・・とおっしゃるけれど、本当は分かっていらっしゃるのだと思います。

 


水番スタート

2014-04-21 15:46:56 | 八郷の自然と風景

朝4時過ぎ起床。昨宵は8時過ぎに就寝し、すぐ寝入って、未明にトイレへ起きたけれど、寝床に戻ってまたすぐ浅いながらも眠れたためか、すっきりした寝覚めです。

Dscn0511 JA直売の食パン(美味!)で軽~い「早朝」食してから、ユキの散歩を30分ほど。霧雨が降ったり止んだりです。雑木林のコナラたちは、地味だけれど花盛りです。

ユキと鶏たちへの給餌や庵周りの草取りを少し。6時頃、愛車を駆って田んぼ用水ポンプ機場へ。今季の水番スタートです。

途中の田んぼで、村一番の働き者の老農が、鍬を振っていました。冬の間眠っていた田んぼを起す田返しは、かっては牛馬で、今は乗用の耕耘機に依りますが、不整形の田隅などを鍬で補うのは、篤農の証しでしょう。雨を吸った田土は重たいから、重労働だと思いますが、七十路後半の筈のその人は、矍鑠たるものです。

田んぼ用水ポンプは無事に始動して、ホッ!

帰庵してから本来の?朝食。御近所から昨日頂戴した堀り立て筍の風味を有難く賞味しました。

雨が小止みの間に、夏野菜栽培用支柱にするための篠竹を刈るため、裏山へ入りました。ヤマツツジの蕾が、ふっくらと膨らんで私を迎えてくれました。

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人の心を傷つける話

2014-04-18 19:55:10 | 健康・病気

人は悪意なく人の心を傷つけてしまうこともある、ということを思い返しています。

春雨ならぬ冷たい雨模様の今日、所用で某宅へ。そこで会った御子息は、小柄な中学生ぐらいに見えたので、そのつもりで御一家と話し始めてまもなく、実際は既に成人であることを知りました。成長ホルモン分泌不全性低身長症だったのです。

私の言葉は、彼の心を深く傷つけたに違いありません。彼は憂愁の宿る眼差を遠くに向けるのみでしたが。

お母様が率直に話してくれました。未熟児で生まれ、病気の連続だったこと。成長ホルモンの注射をずっと打ってきたこと。補助金は年齢制限で打ち切り。実費では月40万円ぐらい掛かるので止めたとのこと。

御子息のこれまでの人生が苦悩に満ちていただろうことが、容易に想像されました。そしてこれからの人生も・・

40年ほど前、私の小さな娘を見た人が「可愛いわねぇ 生後三か月ぐらい?」と声を掛けられました。私は微笑で頷きました。本当のことを話すとややこしくなるから。

そのとき娘は1歳に近かったのですが、先天性の消化器系難病のために栄養摂取が困難で、成長することが出来なかったのです。娘が痛苦の人生を閉じたのは、その数ケ月後のことでした。

今日会った御子息が、事情を知らぬ人に対しては明るい顔で率直に「私は低身長症なんですよ。」と告げることが出来る、そんな時がやってくることを期待したいのだけれど・・


風の糸桜

2014-04-15 19:24:40 | 俳句

俳句の会で常陸風土記の丘へ行きました。お目当てのシダレザクラは、4/10に満開との情報だったので、かなり散ってしまっているかも、と不安でしたが・・

Dscn0495見事でした! 優しい風には、はらはらと散り、強めの風には花吹雪が少々。皆うっとり眺めていました。

    濃く淡く染め合ひ風の糸桜

Dscn0497 御無沙汰していた老俳友と3年ぶりに再会、その矍鑠ぶりにあらためて感服したり、嬉しい一日でした。


嘘のような、ホントのような、骨の話

2014-04-14 19:38:55 | 健康・病気

ほぼ毎週通っている整復院で、「自分の耳の形が左右で異なっていることに、この齢になってようやく気付きました。」と言いましたら、柔道整復師の先生が応えるには、「○○さんの耳は、形だけでなく付いている位置も左右で違う」「○○さんは1歳半ぐらいの(頭蓋骨が柔らかい)ときに、たぶん転倒するかして、頭を強打したのではないか。それで頭蓋骨が歪んだのだと思う。」 ・・ふうむ・・考えたこともなかったことだけれど、そうかも? 自分史に加えるべき事件?

今日の施術が終わりに近付いた時、次の順番で施術を受ける御婦人が入室された。「草取りをしたら、また痛くなって。」等と、私と同じようなことをおっしゃっている。お顔は見えなかったけれど、おそらく年齢も同じぐらいのよう。また、私と同様に花粉症でもあるらしく、そんなことが先生との話題になっているのを、私は聞くともなしに聞いていた。その御婦人に親近感を抱きながら。

「頭蓋骨、特に蝶形骨が歪んでいると、神経が不調になって花粉症になる人が多いんですよ。」という先生の話に耳をそばだてました。実は、私の花粉症、今季は例年に比してずいぶん症状が軽いのです。マスクの着用に努めているためかしら・・と思っていたのですが、頭蓋骨等の矯正施術をやってもらうようになったためでもあるのかしら? 思わず先生に問い掛けたら、「それはオマケの効果ですよ。施術で花粉症が治る、なんて言ったら、(施術ではない)医療ということになってしまうから(言えない)。」とのこと。

頭蓋骨の歪と花粉症が関係しているなんて、ホントのような、嘘のような、ホントのような・・

先生曰く、骨の歪は、緯度が高い地域の人ほど多いのだそうです。地磁気と関係があるんですか?と問うたら、地球の自転の影響だろう、と。これもまたホントのような、嘘のような、ホントのような。 いずれにしても面白い話題ではあり、楽しい気分になれたのは事実です。


泥だらけの男たち

2014-04-13 20:13:01 | 田んぼ

朝8時前に田んぼ用水ポンプ機場へ。村の男性陣が10人ほど集まりました。4/21からの用水ポンプ本格運転に備えて、取水口付近の堰に溜まった泥を浚う日なのです。

用水ポンプの取水箇所は一段と深くなっているので、いつもなら泥水排出専用の強力な水中ポンプを設置して作業するのですが、この水中ポンプが今日はトラブルに次ぐトラブルで、懸命の対応が1時間余り続きました。

結局、水中ポンプの使用は諦めることになりました。そして気を取り直した皆さんの、バケツを使っての泥上げ作業が始まりました。

深い堰の底で泥をバケツに入れる人、バケツに縄を掛けて引き上げる人、泥が入った重たいバケツを水路の先へ運んで泥を棄てる人・・声を掛けあいながら、作業はどんどん捗っていきます。

泥浚いは無事終了しました。「電動は便利だけれど、非常時はやっぱり原始的なやり方が一番だねぇ」と衆議一致。泥だらけの男性陣が、とても頼もしく恰好良く見えました。


梟の声

2014-04-10 18:11:59 | 八郷の自然と風景

Dscn0485裏山に入って空を仰いだら、芽吹きと山桜の組み合わせ模様でした。

近くの畑地には、今日も雄雉が登場しました。フロントガラス越しの撮影です。車外に出ると雉を驚かせてしまうので。

Dscn0482 夜明け前の夢うつつの床で昨日も今日も梟の声を聞きました。遠い父祖から呼掛けられているような声です。森の一番深いところで鳴いているような感じがします。

前住所地で参加していた自然観察会の指導者を思い出します。草も木も虫も鳥も獣も大好きで、自然への愛情の深さと熱さが素晴らしい方でした。なかでも梟への愛情は別格で、そのスケッチ画は、羽の一つ一つに至るまで丁寧に描き込まれていました。御自身のお顔も、何だか梟に似ていらっしゃったような気がします。10年ほど前だったでしょうか、この方の訃報を聞いたときは本当に残念でなりませんでした。

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欺瞞の時代

2014-04-06 17:59:38 | 社会

Dscn0479 東京新聞が昨日掲載した池内了(1944~宇宙物理学)の一文には、穏やかなバランス感覚が感じらました。

1月末、割烹着姿のリケジョがSTAP細胞の作製に成功したとして大フィーバーになったとき、池内了は、直ちには信じられなかったが、共同研究者や理研への信頼感から、徐々にSTAP細胞論文を信用するようになっていた旨、述べています。権威主義に陥っていたのかも知れないという反省の辞も添えて。

私も同様に受け止めていました。

やがて仰天の事実が明らかになりました。小保方春子が若山照彦に渡したマウスの細胞はすり替えられていたのです。そしてSTAP細胞からマウスの細胞が作製されたという証拠の筈の画像は切り貼りされていました。

核心部分が捏造されていたのです。科学への冒涜であり、社会への欺瞞です。犯罪的と言ってもよいと思います。小保方春子は罰せられて当然でしょう。

トカゲが尻尾を切ったからといって、実行犯の尻尾が免責される道理はありません。

理研の丹羽仁史が「STAP細胞が出来たという根幹は揺るがない」と発言したことを知って、「福島原発は完全にコントロールされている」と言ったアベを想起しました。どちらも鉄面皮な欺瞞です。単純ミスなどと強弁する小保方春子も厚顔無恥な欺瞞者。

食品偽装も、オレオレ詐欺も、ベートーベンに譬えられた聾者も、原子力発電は安価という説も、消費税は社会保障に当てるという約束も、どれもこれも欺瞞。欺瞞だらけの時代です。

池内了は、科学の倫理の教育が欠けていることを実感した、というけれど、もっと根が深い問題ではないかと私は思います。

万能細胞は、新薬開発や再生医療への活用が期待されています。再生医療はアベノミクス成長戦略の目玉の一つ。実際の活用はされていなくても、「期待」があれば投資の対象になります。虎視眈々と金融投機市場で蠢いている輩は、新たな利権の争奪に躍起となっていることでしょう。

STAP細胞の存在そのものを否定せず、今後数か月を掛けて作成を再現出来るか否か検証するという理研。錚々たる弁護士4名を揃えた小保方春子。どちらの側にも利権の構造が透けて見える気がします。

万能細胞の研究は、高度医療への活用を期待する積極面が大きく取り上げられていますが、一方では、生命倫理の根幹に触れる問題を孕んでいます。また、取扱いに細心の注意が払われなければ、生態系を損なう危険もあるでしょう。こうした問題への真摯な対処が置き去りにされたまま、利権の構造に組み込まれている危惧を覚えます。