みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

今季最終日

2012-08-31 20:19:06 | 田んぼ

Dscn2606今日は、用水ポンプ運転の今季最終日です。どの田んぼももう、黄金色に近づいてきました。収穫前の暫くの間は、田を乾かす必要があります。田んぼがぬかるんでいると、収穫用の重機が動けなくなってしまうから、もう水は要らないのですね。

今朝は常のようにポンプ稼働の操作、夕方はポンプを止めてから、配管のバルブを凍結防止のため緩めました。それから用水路Dscn2610_2
のゲートを上げて全開にしてから、電気の制御盤のブレーカーをOFFにしました。

Dscn2612戸締りをして機場を離れるとき、田んぼの向こうの森の上に、真ん丸いお月様が出ていました。出たばかりの月って、中天の神々しい月とは異なり、何だか親しみを感じますね。


総選挙の結果の悪夢

2012-08-27 14:28:45 | 社会

Dscn2583橋下徹が率いる「維新の会」が、衆議院の議員定数を半減する、と言いだしました。衆議院選挙の公約にするそうです。

私たち国民の意志を託すべき議員の数を減らせば、それだけ私たちの声が政治に反映されにくくなってしまうのに・・ ひどい話です。国民の声など構わずに、強権をふりかざす橋下徹の姿を想うと、空恐ろしくなります。

更に空恐ろしいのは、この「議員半減」に賛同する人々が多そうだ、ということです。最近の議員たちのテイタラクに愛想をつかしているからかも知れませんが、だからといって、「半減」しては、本末転倒ではないでしょうか。

この国の代議制政治がおかしくなった元凶は、小選挙区制です。小選挙区制の導入によって、国民の多様な意志が国会に反映されなくなり、国会での議論が不活発化し、官僚たちと財界と、そしてアメリカの意向にベッタリの政治になってしまったのです。

マスコミの誘導によって、国民の憤りの矛先が歪められています。官僚たちと財界とアメリカに向けられるべき矛先が、議員の数に向けられています。

「近いうち」に行われるという衆議院解散にまつわる報道が多くなりました。しかし、解散・総選挙の結果を考えると、地底に引き込まれるような暗い気持ちに襲われます。

今の勢いが続くならば、橋下徹の「維新の会」が圧勝し、安倍晋三が仲立ちして自民党と連携し、民主、公明もぶらさがり、与党が全議席の9割以上を占めて、遠慮会釈ない強権政治が始まる予感がします。

橋下徹のハシズムによって、言論の自由は制限され、平和憲法は改悪されて、尖閣を皮切りに対中戦争が勃発しかねないでしょう。これが単なる悪夢であることを願うばかりです。


産声!

2012-08-26 20:56:07 | 

鶏たちが抱卵を始めてから、今日は21日目。順調ならば孵化予定日です。孵化は何故か、いつも朝のうちですから、夜明けとともに私はソワソワ。でも何Dscn2549_2度鶏舎を覗いても、一向にその気配がありません。半ば諦めて庵内に戻り台所仕事を始めていたら、突然 ピイーヨ、ピイーヨ と大きな産声 勝手口を飛び出て鶏舎へ駆け寄りました。可愛いヒヨコが生まれていました

Dscn2558鶏たちが巣箱を出て摂餌している隙にヒヨコを撮っていたら、ヒヨコが危険に曝されていると感じたらしい雌鶏たちが慌てて巣箱に戻ってきました。真っ先に戻ったのは矮鶏のウララです。ウララは雄の烏骨鶏のキンタロウとは恋愛が成立していないので、ヒヨコの母には成り得ないのですが、母性が豊かな性格のようです。

Dscn2563烏骨鶏のヒロは美人?(鶏)ですが、抱卵期間中でも頻繁に巣を離れるし、育雛にも関心が薄いようです。

Dscn2567地味な容姿のギンが、おそらく今回のヒヨコの実母だと思います。母鶏としてやるべきことはキチンとやる、というタイプです。

Dscn2573_2抱卵中も孵化後も、ギンとウララが一緒になって母親役を務めてDscn2550
います。時々ヒロが加わって、小さな巣箱の中で三つ巴になります。雌鶏たちに守られて、ヒヨコが無事に育ちますように!

父親の烏骨鶏のキンタロウは、ソワソワ、グルグル 鶏舎内を歩きまわり、飛び回りしています。あんまり動きまわるので、カメラで捉えることが出来ませんでした


行ける幸せ

2012-08-23 21:32:14 | 着物

自分の腕の長さが左右で違うことには、成人後まもなく気が付いたけれど、体全体の左右がひどく歪つで、特に腰部が大きくゆがんでいるのを知ったのは、着物を着るようになった6年前のころです。

あるとき突然、茶道を学びたくなり、お茶をやるなら着物は必須と言われて、キモノのキも知らず腰紐1本も持たない私が、着物と格闘することになりました。見るも無残なほど不恰好な着方しか出来なかったのは当然ですが、帯のゆがみがどうにも直らないのは、体の形の方に根本的な問題があることを知ったのです。

自分の体の外形的な問題に気付くのに、人生60年を要したのだ・・と呆然たる思いでした。見れば分かる筈の外形でさえこうなのですから、ましてや「自己を知る」なんて、私には到底及ぶことの出来ない境地なのだ、と。

着物を着るときは、ゆがんだ腰のあたりにタオルを何枚も当てて、体型補正をしなければなりません。着物は思っていたよりもずっと、冬は暖かく、夏は涼しいのですが、私の場合はタオル補正のため、どうしても暑苦しくなります。

今日は茶道の稽古日。でもあまりにも蒸し暑いので、タオル補正して着物を着るのが億劫で躊躇しましたが、稽古に行こうと思えば行ける幸せを顧みて、やはり行くことにしました。

Dscn2536歪つな体に不器用に着た着物姿を、姿見で斜めに撮ったので、益々歪つに写っています 着物も帯も、近所の方から譲っていただいた夏ものです。有難いことです。

Dscn2538愛車で30分、先生宅の露地に入り、蹲の水を使うと、もう茶道の世界です。

お茶室の床の間の掛軸は、沢庵和尚(1573~1646)の自画賛の墨跡でした。37歳で大徳寺の住持となったものの、わずか3日で寺を去ったほど名利を避けた沢庵ですが、後に3代将軍家光の顧問役となります。権力に取り込まれたのだ、という評価もあるそうです。真偽のほどは私なぞには分かりません。ただ、拝見した掛軸の画も書にも、衒いのない味わいを感じました。

大先生と弟子仲間二人とともに、伝統の世界の時間をゆっくり過ごすことが出来ました。最近の私は足腰が弱ってきていますし、あと何年続けられるか分かりませんが、だからこそ、出来る今を大事にしたいと思います。


暑かったけれど

2012-08-19 20:51:06 | 八郷の自然と風景

周りの森からは、ヒグラシやミンミンゼミに混じって、気の早いツクツクボウシの声が聞こえてくるようになりました。

Dscn2523菜園ではマイクロミニトマトが沢山の実を付けています。真っ赤に熟したのを採ったら、冷水で洗って直ぐに口に放り込むのが最高 冷蔵庫で冷やすと、味の肝心な部分が死んだような感じになります。でも沢山採れて食べ切れないので、余りは止むを得ず冷蔵や冷凍にしますが。

Dscn2524ブルーベリーも次々に熟れてきています。これも、採ったら直ぐに食べるのが最高 食べ切れない余りは、冷蔵またはジャムにします。ヨーグルトにブルーベリージャムは本当に相性がいいですよね!

Dscn2527裏庭では、ホトトギスの初花が咲きました。日向の花よりも半日影の花に心惹かれることが多いのは何故でしょう・・

村の田んぼも少しずつ熟れ色が進んできています。明日は、南隣の葡萄園の直売オープン、お得意様で賑わうことでしょう。

Dscn2529やはり暑かったけれどカラッとして、ほんの少ししのぎ易かった今日も暮れました。虫の声も独唱から合唱に


敗戦忌に聞く話&詩

2012-08-15 15:16:00 | 文化

今年もラジオで、「かわいそうな象」を朗読する秋山ちえ子さんの声を聞きました。95歳だそうですが、しっかりしたいいお声です。戦争下の悲しみを切々と伝える話です。でも・・・残酷な筈の動物虐殺の話が、あまりにも美しく仕上げられていることに微かな違和感を覚えました。

上野動物園に下された殺処分は、空襲下の猛獣が人間に危害を及ぼすことを避けるため、という名目でしたが、実際はむしろ、戦争に対する人心の高揚を目的としていたのではないか、との指摘(長谷川潮氏)もあります。

美空ひばりの「1本の鉛筆」(松山善三作詞・佐藤勝作曲)の歌もラジオから流れてきました。美しく、そして力強い歌です。

   1本の鉛筆があれば 私はあなたへの愛を書く 

   1本の鉛筆があれば 戦争はいやだと書く

硲杏子(はざまきょうこ 八郷在住の詩人)さん作の「詩神に」は、美しくも怖ろしい詩と言うべきでしょうか。

もしそのお方に出会うことがなかったら  わたくしの生涯は  ただの溝川にすぎなかったでしょう 

生きるために食べて排泄するくらしの穢れを  あつめて流れる暗渠  だったかもしれません  

意味もなく生まれて  意味もしらずに死んでゆく  ただの生き物  だったかもしれません 

あるとき不意に襲われた空虚の感覚  その底しれぬ穴のような不安に慄き  水がめをひっくり返してしまいました  いらい渇きは癒えません 

逃れるために詰め込んだ千の想い万の言葉  でもどれもこれも徒労でした  そのときふいに  風のようにおとずれたのが  あのお方でした 

姿は見えませんでしたが  とてもよい匂いがしました  やさしい声が聞こえるのに  何も見えません 

見えないものを  無心になって見ようとしていると  見えないものにこそ確かな世界があって  そのものによって  生かされているのだと知りました  魂のせかいは永遠で  滅びというものがありません 

欲望にみちた地球上の全て  見えているもののはかなさに胸が痛みます 

いつしかわたくしは恋をしていました  見えないそのお方に  どこまでもどこまでも付いて行こうと  そうして迷子になりました 

もう此処がどこかも分かりません  でもあの汚い溝川も暗渠も消えて  綺麗な川が流れています  いつしか対岸も見えない大きな川となって  わたくしの心の内側を流れています 

もうじき海にまじわるのでしょうか  かもめのような鳥の鳴き声がきこえます  それとも蒸気となって空へ昇るのでしょうか  ついに此処まで来てやっと気がつきました 

いまだに見えないあのお方こそが  巨大な空虚  そのものであったのだ と


翡翠の抱卵?

2012-08-13 14:00:06 | 八郷の自然と風景

用水路での翡翠(カワセミ)の目撃は、昨夕そして今朝と続きました。9日から数えて5日目です。飛び去る方角に目を凝らして、田んぼの向こうの一角の森へ飛び込むのを確認しました。やはり、小高い森の田んぼ側の崖のどこかに巣穴を作ったのでしょう。

用水路は、村から村へ長く流れていますが、翡翠が特にポンプ機場の取水口付近を選んで飛来してくる理由は、ゲートで堰き止めて取水に必要な水深を確保していることから、翡翠の餌となる魚や水生昆虫などが滞留しているためと思われます。

10日の用水路では雌雄のランデブー、11日以降は雄らしい1羽のみの飛来です。雌は巣穴で抱卵を始めているのかも知れません。翡翠の孵化までの抱卵期間は20日ぐらいだそうです。当鶏舎の烏骨鶏たちと同じですね。

推測が正しければ、翡翠の孵化の予定日は8月31日頃です。私が担当しているポンプ運転管理の最終日です。でも厳しい自然界、無事に孵化できるか、孵化しても無事に育つことが出来るかどうか・・・


翡翠の巣は何処?

2012-08-12 11:00:49 | 八郷の自然と風景

今朝も用水路で、翡翠(カワセミ)を目撃しました!

昨日は止水日。霞ヶ浦の水は送られてこないので、田んぼ用水ポンプの運転はお休みでした。ただ天候が不安定で激しい雷雨の恐れがあり、洪水予防のため用水路のゲートを全開にしていました。 

今日は午前5時頃、用水路内を点検して取水口付近に引っ掛かっているゴミを取り払ってから、ゲートを下ろす操作を始めました。そこへ鮮やかな色彩の翡翠がサッーと目の前を横切ってくれたのです。まるで私のためにファッションショーをしてくれたよう

一昨日は雌雄のランデブーを目撃しましたし、この近くに巣を作っているのかも知れません。でも用水路はコンクリート貼りだから、翡翠の嘴で巣穴を開けることは出来ません。田んぼの畔にでも作っているのかしら? でも畔はあまり高さがないので、大雨のとき水没の恐れがありますし、天敵たちも容易に近付くことが出来ます。

見回してみると、田んぼの向こうの一角に小高い森があります。田んぼ側は数メートルの崖です。崖と田んぼの間には車が通る舗道がありますから、蛇やイタチも近付きにくいでしょう。きっと、あの崖に巣穴を作ったに違いないと思いました。

野鳥の求愛・繁殖の時期は春が一般的ですが、夏にも2回目或いは3回目の繁殖を試みる場合があるようです。

高い崖の巣穴であっても、鷹の襲撃の恐れがあります。猛禽たちも生きるために必死です。用水路の魚たちにとっては、翡翠が天敵です。美しいけれど、厳しい自然界ですね。


飛ぶ宝石

2012-08-10 20:04:20 | 八郷の自然と風景

昨日に続き今日も、翡翠と出会いました 

田んぼ用水路を覗いたら、数メートル上流の水面上1mほどを飛んでいました。雌雄の2羽です。飛んでいるというよりも、弾んでいるような、舞っているような、如何にも楽しくはしゃいでいる様子でした。

翡翠は警戒心が強い鳥です。私に気付いて、普通だったら直ぐに飛び去る筈なのに、なんと、いったん私の方に飛んできて、それから田んぼの向こうに飛び去りました。上から見ると「く」の字形の飛行でした。警戒心よりも好奇心の方が勝っていたのかしら?

そして数分後、雄が戻ってきて、私の1mほど前の杭に止まってくれたのです!鋭い一声も発してくれました。数秒間でしたが、あの勇ましい表情を間近に観ることが出来ました。

「飛ぶ宝石」との出会いの瞬間は、他の全てのことを忘れます。その瞬間に2日間続けて恵まれるとは、なんという好運でしょう! 天の恵みですね。

 


初秋の風景

2012-08-09 20:27:32 | 八郷の自然と風景

Dscn2513用水ポンプの運転管理を担当している機場からは、田んぼの向こうに新しい家が3軒見えます。いずれも都会から移住された方々の家です。八郷の風土には都会人を惹きつけてやまないものがあり、また外来者を受け容れる度量のようなものも感じます。

夕方6時近く、ポンプ運転を止める前、用水路を覗いてゲートと取水口付近に異常が無いことを確認しようとしたら、パッと飛び上がったものが・・・ 翡翠(カワセミ)です! 「飛ぶ宝石」です! 田んぼの間を流れる幅2m弱ほどの、目立たない用水路ですが、毎年1~2回ほど翡翠との出会いがあります。鮮やかな翡翠(ヒスイ)色の背を光らせて、いつもはサッと飛び去ってゆくのですが、今日は私の周りをグルリと廻ってくれました。大サービスしてくれた翡翠(カワセミ)さん、有難う!

田んぼの上を飛び交う燕たちの動きが、ずいぶん忙しくなってきた感じがします。南の国への渡りに備えて、体力増強のための摂餌に必死なのでしょう。

Dscn2515当庵付近から筑波連山の南端方向を望む風景です。風にも雲の動きにも、微かに秋の気配が感じられるようになりました。