みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

雨が沁みる

2009-09-30 17:43:16 | 

Dscn0928 昨日から久しぶりの雨が降ったり止んだり。しとしとと沁みるようなお湿りだ。

Dscn0929 当庭の秋明菊の花は瑞々しくなり、小紫式部(コムラサキシキブ)の実は艶やかな紫色に染まってきた。

Dscn0931 菜園の食用菊の蕾は、少し膨らんできたようだ。

こんな日は種蒔きに最適。ほうれん草とターサイの種を蒔いた。冬期の貴重な青菜になる筈。

Dscn0932 暑さが去って、犬のジュンはパワー全開。番犬の役目を精力的に果たしてくれる。

夕方の散歩と摂餌を済ませると、ジュンは急に私に擦り寄って甘える。日暮れが近付くと、生きものは心淋しくなるのだろうか? この時間(と言っても数分程度だが)だけは私もジュンを思いっ切り可愛がることにしている。


脱穀

2009-09-27 18:30:04 | 八郷の自然と風景

Dscn0916_2 T田では、昨日・今日と脱穀作業だった。稲架掛けから1週間後だから、天日干し期間としては短いが、皆の都合で決まった日程だ。でも好天が続いたので、良く乾燥していた。

昨日は首都圏などから10余名が来た。T田は2箇所に分かれている。まず「鯉田」(鯉を放って除草対策を試みたことがある田)から脱穀。

私は、脱穀後の藁を田に撒く作業に参加した。作業分担は各人の個性に応じて、以心伝心的に自然に決まっていく雰囲気が快い。

コシヒカリと餅米の脱穀が終わって休憩。mnOさんが振舞ってくれたアイスクリームに舌鼓を打った。

皆で「川田」(傍らを清流が流れている田)へ移り、コシヒカリを脱穀。日はいつしか筑波連山へ傾いていた。

Dscn0922 今日は10時前から4人で作業開始。1列の稲架に残るコシヒカリを1束ずつ真っ赤なハーベスター(脱穀機)に通すと、脱けた籾が袋に一杯溜まっていく。

Dscn0924_2 落穂拾いで出来た稲束も最後に脱穀して、昼過ぎに終了。籾がぎっしり詰まった袋が、裸になった稲架(はざ)の足元に並んだ。

田面のあちこちに「コナギ」が美しい濃紫の花を咲かせ、畦際に見つけた「イボクサ」は、小さく可愛いピンク色がかった花だった。どちらも稲の大敵とされる強草らしいが、T田の稲の勢いが良かったので、大繁殖は出来なかったのだろう。

藁も田の全面に撒き終わった。後日mOさんが鋤き込んで土に還す。こうすれば別に肥料は撒布しなくても、稲は勢いよく育つのだ。


月が出ていた・・

2009-09-25 20:48:35 | 田んぼ

Dscn0909_sh02_2 首都圏からeTさんが来庵してくれた。沢山のお喋りをしてから、当菜園産の野菜などで不器用な私が用意した昼食を摂ってから、近くの「こんこんギャラリー」(八郷の芸術家有志が共同運営する小さな展示館)へ行った。

「月下窯(げっかよう)」(米出康人&岡のともこ)の陶芸作品などが展示されていた。御夫婦のお二人が八郷に定住した日、美しい月が出ていたので・・と、岡のともこさんが窯の命名の由来を話された。

小さなギャラリーの中の小さな喫茶コーナーで、200円のお菓子付きお茶(eTさんはコーヒー、私は抹茶)を戴いた。

Dscn0910_3 相客の男性は、筑波山の植生調査をしているという。4千本余のブナが対象だそうだ。DNAが大台ケ原(吉野熊野国立公園内)と筑波山のブナだけが同じで、白神などの他地のブナとは違うそうだ。

Dscn0908 eTさんは米出康人さん作の織部緑の花入れ、私は岡のともこさん作の小皿を購入した。お二人の作品は、芸術的でありながら実用性にも富んでいて、値段も手頃なのが有難い。

Dscn0912 こんこんギャラリーを後にして、T田を見に行った。黒紫香米(古代米の一種)が豊かに実っていた。コシヒカリは既に刈られて稲架掛け済みだ。

私はこのT田で、eTさんは丹沢の棚田で、初めての米作りを体験中。「米」の有難さ、米作りの難しさと楽しさ等々、話は尽きなかった。

見上げると、まだ明るい青空に淡い乳色の三日月が出ていた。


仏教と非戦

2009-09-23 19:44:26 | 仏教

Dscn0904 矢切の渡しにほど近い中原寺(ちゅうげんじ)から、今月も「宿縁」が届いた。記事を読んで、1911年の大逆事件に連座した高木顕明(けんみょう)という仏教者がいたことを知った。1914年に獄中死している。

顕明の著書に曰く、「南無阿弥陀仏に仇敵を降伏するという意義の発見せらるるであろうか」「極楽世界には他方の国土を侵害したということも聞かねば、義のために大戦争を起こしたということも一切聞かれた事はない。よって余は非開戦論者である。」と。続けて「諸君よ、願わくは我等と共にこの南無阿弥陀仏を唱えたまえ。今しばらく戦勝をもてあそび万歳を叫ぶことを止めよ」と。

顕明が逮捕されると、教団(浄土真宗大谷派)は彼を弁護するどころか、僧籍を剥奪し家族を寺から追い出した、という。

Dscn0906お寺に全く縁が無かった私だが、10余年前に教団(浄土真宗本願寺派)直属の通信教育を3年間受けた。しかし講師の方々に質問しても、常套文句しか返ってこない。

そんな折、中原寺の門前に親鸞聖人の大著「教行信証(顕浄土真実教行証文類の略称)」を読む会の表示を見て、意を決し門を潜った。

住職は、どんな愚問にも誠意を尽くして答えてくれた。八郷移住の際にお願いした「宿縁」の送付を、律儀に続けて下さっている。


コツ

2009-09-21 20:18:28 | 八郷の自然と風景

Dscn0896_2 T田では昨日に続いての稲刈り。集合時間より早めに着いたら、既にm0さんがバインダー(手押し型の稲刈機)で、残っていた稲を見る見る刈り進めていた。若くして有機無農薬農業の道を選んだ彼は、責任感も強い。

稲束を稲架(はざ)へ掛けるコツを、Uさんが教えてくれた。その通りにやると、背が高くない私でも格段に架け易くなった。

刈った跡に落穂が沢山・・ 落穂拾いは大事な作業だが、大変手間が掛かる。仲間がコツを教えてくれた。落穂の穂を探すのではなく、茎の元の方を見て拾うのだ、と。確かに元の方がしっかりしていて拾い易い。集めた落穂の元を揃えて縛るときも作業し易くなる。

共同作業には心のふれ合いがある。大空の下で、まだお名前を存じ上げない方とも親しく言葉を交わせる。


稲刈り

2009-09-20 19:50:36 | 八郷の自然と風景

有機無農薬栽培のT田は黄金色に熟れて、稲刈りの日を迎えた。畦のあちこちには彼岸花が咲いている。

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Dscn0890 手押し型の稲刈機(バインダー)2台が勢いよく進んではUターンを繰り返す。私は畦際の稲株を鎌で手刈りする作業に参加した。大きい株は摑むのに苦労する。刈った稲を藁で束ねるのだが、強く縛ろうとすると藁が切れたりして、四苦八苦。稲束を稲架(はざ)に掛けるのも、結構難しい。

地元責任者のmnOさんと首都圏から来た10人ほどの皆さんは、作業上手だ。私も、明日は今日より少しはマシに作業できるかしら・・ たとえ下手でも、生れて初めて!の稲刈り体験が出来るのは嬉しい。


大地の恵み

2009-09-19 19:26:58 | 気功

Dscn0875 当菜園の苦瓜の株を片付けたら、葉の後ろから大きな実がゴロゴロ20個ぐらい出てきた。とても食べ切れない。御近所は野菜作りの名人ばかりだから、お裾分けには不適当だし。

今日は公民館で「気功」の日。ここへ苦瓜を持っていった。同好会の仲間たちが喜んで貰ってくれたので、ホッとした。

mM師の指導で「気を練る」所作をした。下丹田(お臍の下)の前で両手を近づけたり離したりする。手指がビリビリして、周辺の空気が張り詰めたような感じがしてくる。今日は特に強く感じた。「気」って、本当に不思議! 一連の気功をやると、実に気持が良くなる。

Dscn0881 帰庵して庭の柿の木を見上げたら、枝先の実が完熟している。捥いで、トロリとした果肉をスプーンで掬って賞味。頬が緩み、心もトロリ。

Dscn0882 マイクロミニトマトは、今日もたくさん採れた。これも食べ切れないから、トマトピューレにして瓶詰め保存する。

Dscn0880 近所のsOさんが、採れたての栗を袋いっぱい持ってきて下さった。有難く戴いて、大鍋で茹でた。

この茹栗も食べ切れないから、果肉を取り出して冷凍保存の予定。大地の恵みに感謝!


菊芋の花が咲くころ

2009-09-16 19:31:51 | 俳句

Dscn0862_2  愛車で片道30分、茶道の稽古に行った。往復の車窓に、菊芋の花があちこちで風に揺れていた。

当庵近くの菊芋は人の背丈ほどだったが、倒伏。でも這い上がって咲いている。

この芋は美味とは言い難い。戦前は統制作物だったそうだ。寒い荒地でも育つので、食糧不足を補おうとしたのか。あちこちの花はその名残りだろう。

Dscn0874 デンプンは少なく、天然のインスリンと云われるイヌリンを含むため、飽食の時代の健康食品として、少し見直されているようだ。

当庭の柿の実が色付いてきている。夕方、野良仕事に精を出していると、いつのまにか手元が薄暗くなってしまう。秋の夕日は本当に釣瓶落としのよう・・ 

平井さち子先生(「萬緑」同人)が、愛夫を亡くされた後の句を思い出す。

       死へ赴(つ)くも新しきこと秋夕焼     さち子


銀座の空

2009-09-14 20:35:59 | 家族

Dscn0853 九州の福岡に住む兄が東京に来ている機会に、横浜の姉と3人、銀座で待ち合わせた。

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三越のライオン像は、なかなか深い表情をして行き交う人々を見やっている。ロンドンのトラファルガー広場の獅子像を模したものだそうだ。

3人で裏通りを歩いて、小さなビルの4階の小さなレストラン「ゆず坊」に入った。さりげなく洒落た雰囲気だ。千円のランチを注文した。

Dscn0854 Dscn0855 Dscn0856 姉は海鮮丼、兄は掻揚げ付き蕎麦、私は肉豆腐。向う付けの牛蒡の和え物なども結構な味だ。

Dscn0858 3人それぞれの近況、子供たちのこと、世相のこと、次から次に話題が湧いてくる。

デザートを追加注文した。抹茶入り牛皮包み餡と生クリームケーキで450円。

険悪な仲だった実父母を反面教師として仲良く暮そう、という兄の言葉に頷き合った。店を出て見上げたら、ビルの隙間に秋の空が覗いていた。八郷の空に比べると可哀想なぐらい小さな空だ。それでも青く澄んでいた。


秋刀魚大好き!

2009-09-12 20:54:23 | 八郷の自然と風景

Dscn0850 久しぶりのお湿りで、近所のtSさんの広~い畑の大根たちが嬉しそうに葉を伸ばしている。秋の雨はしみじみと心に沁みるようだ。

公民館での気功を終えて帰庵したら、クール便で秋刀魚が届いた。mNさんが毎年送って下さるのだ。彼女は要職にあって多忙だが、私が「秋刀魚大好き人間」であることを知ってのお心遣いだ。

早速、塩焼きにして夕食のおかずに。付け合せは当菜園の採れ立て茄子の即席漬け。もう最高の御馳走! どんなにお金を出しても、こんなに美味しいものはないだろう、と思ってしまう