みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

緑の影で

2017-05-22 19:23:44 | 八郷の自然と風景
風景の至る所に緑が溢れ、ひしめき合い、風に揺れ、影を落とし合う季節だ。暑い日が続いているが、木陰は嘘のように涼しい。

小さな自家用菜園でも、やるべき野良仕事に限りはない。でも、衰えている体調に合わせて、小休憩を何度も入れながらのマイペースに努めている。庇影の外縁に身を横たえると、身も心も解き放たれていくように気持がよい。

外昼寝の私へ、ツバメ、ヒバリ、ホオジロ、シジュウカラ、キジ、ウグイス 等々、鳥たちが、歌を届けてくれる。春の囀りの季節に比べると、鳥たちの声は少し慎ましく聞こえる。特にホトトギスの声は、鋭いようでいて哀愁を帯びており、私の心は連れていかれてしまいそうになる。

     



緑の季節に咲く花は、旺盛な緑に遠慮するかのように、慎ましい姿のものが多いような気がする。緑陰の足元には、小さなユキノシタがひっそりと咲いている。ヤマボウシの花は、緑の葉の上に載るように咲くから、地上の人間には目立たない。エゴの花は、いつのまにか鈴なりに咲いているけれど、緑の繁みに隠れるように俯いているから、地面へ落下するようになってから初めて開花に気付くこともある。

夜になると、村の田んぼから蛙たちの鳴き声が沸き上がってくる。大勢の蛙たちの賑やかな大合唱なのだけれど、どこか切なく淋しくも聞こえる。


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