フリージャズ、そしてノイズギター。

2024-02-19 21:22:38 | Weblog

今日の昼間、例によってトラックを運転しながらラジオを聴いていたら

ほぼ毎日やっている東京FMの坂本美雨の番組に山下洋輔がゲストで出て来た。

そこで、去年(だったと思う)にあった、早稲田大学の大隈講堂での

「村上春樹PRESENTS再乱入ライヴ」の話をしていた。

それは学生運動最盛期の1969年に早稲田大学の、

学生たちのバリケードの中で山下洋輔トリオが演奏した、過去の伝説のライヴを再現する、というか、

再び大隈講堂で山下洋輔トリオに演奏してもらう、という趣旨の物だった。

春樹さんはその当時、早稲田の学生だったのだがその当時のバリケードの中のライヴ、聞き逃したのだそうだ。

そのライヴでは、

学生運動で荒ぶる学生たちが暴れ出すのではないか?という予想は外れて、

みんな静かに音楽に聞き入っていたそうだ。

多分そのときのもの(1969年の物)であろう動画がYouTubeにあった。

山下洋輔トリオ「バリケードの中のジャズ」というタイトルの動画。

山下洋輔トリオの演奏は、いわゆる「フリージャズ」(の先駆)である。

もう何と言うか、秩序のない、無茶苦茶やってるだけのようにも見える。

しかし凄い。鬼気迫るものがあるし、何と言うか・・・・深みと知性と説得力がある。

素晴しい。

しかし、当時の運動家の学生ならこれを

「ブルジョアのご子息の高尚なお遊びだ」と、断罪することは簡単だったはず。

でも、そうはならなかったのは・・・この山下洋輔トリオの音楽が本物の輝きを放っていたからなのだろう。

僕は、この「バリケードの中の音楽」を含めていくつかの映像で

山下洋輔トリオの、物凄いフリージャズを聴いたのだがやっぱり全部素晴らしかった。

で、思ったのだが

ノイズ・バンドの先駆けにして最高峰である「非常階段」の、純粋ノイズ・パフォーマンスと、近い。

フリージャズと純粋ノイズはやっぱ、共通点が多い。

でも、決して「同じ」ではないのだ。

 

音楽家(ギタリスト)の大友良英さんが、以前、何かの動画で

ノイズギターの実践をやっていたのだが、

「はは、これだとフリージャズって言われちゃうんですよね」みたいなことを言った。

興味深い。

大友さんは実際、昔、フリージャズの高名なギタリストの弟子であった、という過去もある。

 

 

フリージャズとノイズの差異とは?

って考えだすと面白すぎて、夜眠れなくなる。

 

例えば、

かの不世出のフリージャズの天才サックス奏者、阿部薫にエレキギターを持たせたら、

彼はどんな音を出しただろうか?

 

僕は「ばるぼら」のギタリストだった時に、浅川マキの歌とバックの演奏(ジャズ期の)にインスパイアされて、

兎に角、頑張ってノイズギターを弾いていたつもりではあった・・・・から、

このことは冗談ごとでは済まないのだ。

僕だって、本気で、

それこそ「差し違える覚悟で」、不協和音を鳴らしていたのだ。

でもお客さんの一部から「滅茶苦茶やってるだけでしょ?」などという

心無い言葉もをかけられたこともある。

 

ただ無茶苦茶やってたわけではない。

全身全霊で無茶苦茶やってたのだ。

それで、そのことで実現出来た音楽的な到達点、というのも確実にあった。

僕は間違ってなかった、という自信がある。

 

あれがあったからこそ、

今の、そーゆーのとはかけ離れた・・・フォーキーなロック、みたいなのもあり得るのだ。 

ノイズも、自然に、そういう音楽に混ぜられる。

 

 

 そして「文学的」という要素は変わらない。

 

 

 

 

全然上手く言えなかったけど・・・・・・・・・

 

色んな物事を超えて、

我々(僕)は今、ここにいるのだ、という思いを

強くした。

 

 

 

 

坂本美雨と山下洋輔に感謝。

 

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