今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

第152回 芥川賞・直木賞決定!

2015-01-15 | 本の紹介
第152回芥川賞・直木賞の選考会が、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、
芥川賞に小野正嗣さんの『九年前の祈り』(群像9月号)、
直木賞に西加奈子さんの『サラバ!』(小学館)が決まりました!
(画像はYOMIURI ONLINEから)

芥川賞に輝いた小野さんは大分県生まれ、
東京大大学院を経て、仏パリ第8大学で文学の博士号を取得。現在は立教大文学部准教授。
2001年の『水に埋もれる墓』で朝日新人文学賞を受賞しデビュー、
2002年の『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞、
芥川賞は4回目の候補での受賞となりました。

受賞作は、過疎が進む大分の海辺の集落が舞台。
カナダ人の夫と別れ長男と実家に帰った30代の女性と、
町の女性たちとのカナダ旅行の思い出が幻想的に描かれています。

直木賞を受賞した西さんはイラン・テヘラン生まれ。
小学生の4年間をカイロで過ごした後26歳まで大阪で暮らし、
関西大学卒業後、雑誌ライターを経て2004年『あおい』でデビュー。
2006年『通天閣』で織田作之助賞、2012年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞を受賞、
直木賞は2度目の候補での受賞となりました。

受賞作は、自身の生い立ち(イラン生まれエジプト育ち)と似た幼少期を過ごした男性が、
姉の奇行と距離を置き、自意識と折り合いをつけながら成長していく姿をつづる長編小説です。

私は、ちょうど今日この『サラバ!』上巻を読み終えたところです。



上下巻の長編で、主人公の男性の成長記なので、読み始めるまでは億劫でしたが、
読み始めたら面白い!
特にカイロ日本人学校での生活の部分は、我が娘もブリュッセル日本人学校へ行っていたので興味深かったです。
西さんもきっと通っていたのでしょうね、「そうそう!そうなのよ!!」と、
大きくうなずきながら読み、早く下巻の続きを読みたいです。
以前にも西さんの作品『ふくわらい』『さくら』『きいろいゾウ』などいくつか読んでいますが、
普通の生活の中にある気持ちの揺れ動きが描き出され、無意識だったことにハッとさせられたりします。

両作品とも選考委員からの評価も高いので、これから読むのが楽しみです。
お二人ともに海外での生活経験があり、作品の中にも海外の場面が普通に出てくる、
そういう時代になったのですね。

<芥川賞 候補作品>

上田岳弘 『惑星』(新潮8月号)
小野正嗣 『九年前の祈り』(群像9月号)
小谷野敦 『ヌエのいた家』(文學界9月号)
高尾長良 『影媛(かげひめ) 』(新潮12月号)
高橋弘希 『指の骨』(新潮11月号)

<直木賞 候補作品>

青山文平 『鬼はもとより』(徳間書店)
大島真寿美 『あなたの本当の人生は』(文藝春秋)
木下昌輝 『宇喜多の捨て嫁』(文藝春秋)
西加奈子 『サラバ!』(小学館)
万城目学 『悟浄出立』(新潮社)

午後から、かなりの勢いで雪が降り、積もって来たので下校バスダイヤが早まりました。



今は雨になっているので明日は大丈夫でしょうが、どうしても昨年を思い出して慎重になります。
もちろん先月からスタッドレスタイヤを履いています!!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿