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映画 『夜明けの祈り』

2017-08-14 | 映画
先日都内へ行った際に、有楽町で映画『夜明けの祈り』を観ました。
アンヌ・フォンテーヌ監督によるフランス・ポーランド合作のこの映画、
今年のフランス映画祭2017で観客の投票によって選出される「エールフランス観客賞」に選ばれました。
また、第42回セザール賞でも4部門(作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞)にノミネートされました。
平日昼間でも、劇場は満席でした!

作品は、第二次世界大戦末期のポーランドが舞台の実話に基づいています。
(以下ネタバレありです)
舞台は1945年12月、ポーランドのカトリック系修道院、
赤十字の医療施設で働くフランス人医師・マチルドは、そのシスターたちに助けを求められます。
シスターたちのうち7名が、戦後に侵攻してきたソビエト兵たちの性暴力によって妊娠してしまい、
信仰と現実の狭間で苦しみ、心身ともに傷ついていたのです。
マチルドは医師としての使命感から幾多の困難に直面しながらも激務の合間に隠れて修道院に通います。

シスターたちは宗教上の理由から堕胎することなく、子どもを産んで育てていこうとし、
赤ちゃんには罪はないと考えその命を慈しむ姿は、外界からかけ離れた純真な存在と思えます。
映画の原題は「Les Innocents」(無垢な人々)となっていました。
ただ、修道院院長だけは修道院を守ろうとする立場から、悲しい行動をとってしまいます。
人間としての尊厳、人間の命、信仰への誇り、仕事上の立場、大切なものは何なのか考えさせられます。
ポーランド映画をいくつか見ましたが、生き方を考えさせられる良い映画が多かったです。

第二次世界大戦中、そして戦後、ソビエト軍の蛮行は周辺各国でありました。
私が読んだ本でも『また、桜の国で』のポーランドで、
『世界の果ての子どもたち』での中国で、日本軍のシベリア抑留や北方領土問題、等。
ドイツのホロコーストやアメリカの原爆投下、などの大惨事は広く知られていますが、
ソビエト軍は戦争が終わっても各国でその暴力をやめなかったことを、私はあまり知りませんでした。

今、『強制収容所のバイオリニスト』を読んでいます。
終戦記念日の明日、この本の記事を書こうと思っています。

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