14日に、第165回芥川龍之介賞・直木三十五賞の受賞作品の発表がありました!
「芥川賞」は、
石沢麻依氏『貝に続く場所にて』(群像6月号)、李琴峰氏『彼岸花が咲く島』(文學界3月号)、
「直木賞」は、
佐藤究氏『テスカトリポカ』(KADOKAWA)、澤田瞳子氏『星落ちて、なお』(文藝春秋)、
それぞれ2作品が受賞したのは10年ぶり!それぞれの2作品ずつは突出していたのですね。
芥川賞受賞の石沢麻依さんは、宮城県生まれで、ドイツ在住のドイツの41歳大学院生。
今年『貝に続く場所にて』が文芸誌の新人文学賞を受賞してデビューし、
芥川賞は初めての候補で受賞されました!
受賞作は、ドイツの学術都市で暮らす主人公のもとに、
東日本大震災で行方不明になったはずの友人が突然現れることで展開する物語。
選考委員から個性的な文章が評価されたそうで、これから読むのが楽しみです。
李琴峰さんは、台湾出身で東京都在住の31歳。
15歳の時から日本語を学び、台湾の大学を卒業したのち来日して、平成29年に作家デビュー、
作家のほか、翻訳家や通訳者としても活動しながら、2回目の候補での受賞。
受賞作は、記憶をなくした少女が流れ着いた島では男女が違う言葉を学び、
その後、女語を習得した女性があらゆる儀式を執り行い、島を管理するといった物語。
ちょっとジブリ映画の『レッドタートル ある島の物語』を思い出しました。
冒頭画像が直木賞受賞作品(画像はAmazonより)、私は
候補作をほとんど読みました。
一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社刊)が話題になっていましたが受賞なりませんでした。
直木賞受賞の佐藤究さんは、福岡市出身の43歳。
ペンネーム佐藤憲胤で発表の『サージウスの死神』が平成16年文芸誌の新人文学賞優秀作で作家デビュー。
平成28年には『QJKJQ』が江戸川乱歩賞受賞、直木賞は今回初めての候補での受賞です。
受賞作の『テスカトリポカ』、これはアステカ神話に登場する神の一柱のこと。
現代の日本やメキシコ、インドネシアを舞台に、
麻薬の密売と臓器売買を行う人々を描いた長編小説で、私はつい最近まで読んでいました。
が、禍々しい残酷な描写に耐えられず、初めからの3分の1を読んだところでギブアップでした!
澤田瞳子さんは、京都市出身の43歳。
大学院で奈良時代の仏教の歴史を研究した後、平成22年に『狐鷹の天』でデビュー、
その後も、歴史・時代小説を多く発表し、直木賞は今回5回目の候補での受賞です。
受賞作の『星落ちて、なお』は、幕末から明治にかけて活躍した絵師 河鍋暁斎の娘で、
自身も絵の道に進む主人公「とよ(暁翠)」の目線で描かれた父と娘の物語です。
私は澤田さんのノミネート作は、本作を始めほとんど読んできましたが、
2回目にノミネートされた
『火定』(PHP研究所)が良かったと思います。
新聞で知ったのですが、埼玉県蕨市に河鍋暁斎記念美術館があり河鍋暁斎の子孫が管理されているそうです。
いつか行かなくては!
受賞された皆さま、おめでとうございます!
また新しい作家さんと巡り合えて、楽しみが増えました♪