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僕らが呼吸する上で必要な酸素は、植物の光合成により生み出されている。アマゾンの森林破壊などで多くの酸素が失われているという報道も聞くが、実は地球上の酸素の3分の2は海から生み出されている。光合成に必要な太陽の光が届くのは、海面から70~80mといわれているが、その距離の範囲にいる植物性のプランクトンや、浅瀬の海藻などの生き物から、大量に酸素が作られている。
近年問題視されているのは、いわゆる地球の温暖化によって、特に浅瀬に住む海藻の多くが死滅しているといわれる。比較的海水温の低いところを好む海藻が、いわゆる枯れてしまうということとともに、比較的温暖な水温を好むウニや海藻を食べる魚などの影響で、食べつくされるということもあるそうだ。いわゆる海焼けといわれる現象で、日本の海の藻場の3割の海藻は失われたとされる(6万5千ヘクタール)。
そのために海藻などを食べる魚やウニを駆除する動きがあるが、抜本的な解決には至っていない。そういう中にあって、ウニを効率的に捕って養殖する方法も注目されている。ウニを食べる天敵は少ないが(ラッコなどは限られた場所にしか生息していない)、ウニを好んで食べるのは、他でもなく人間である。
しかしながら、比較的南の海では、ウニの好む海藻がそもそも少ない。そこでウニを育てるために陸の草を与える実験が行われている。もともとウニは雑食性で、基本的には何でも食べてしまうらしい。そういう中で、キャベツやクローバーなどを与えて育てたウニが市場にも出回るようになっているという。それらを食べたウニの身は、いわゆる磯臭さが少なく甘みが強いのだという。特にクローバーなどはマメ科の植物で栄養のバランスも良く、年中取れて誰でも育てられコストも安いという利点だらけなのだ。
将来的に養殖のウニが安価になって安定的に市場に出るようになると、消費者にとっても漁業関係者にとっても福音となるかもしれない。