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運動会シーズンも終わったわけだが、毎年のことではあるが、この運動会の競技において批判的な記事というは増えているように感じる。みんな学校行事は嫌いなんだろうか。
そういうことなんだが、ある新聞を見ると、ムカデ競争において骨折した人の人数が全国の小中高でみると482人、という数字が躍っていた。ほー、そんなにたくさんの人が骨折してるのか、と素直に驚く。なるほどムカデ競争は大変に危険らしい。
で、分母の話である。文部科学省のホームページを見ると(何故か平成19年度現在だが)小学校数は22,693校。中学校は10,955校。高校は5,313校。合わせて38,961校ということになる。全部の学校でムカデ競争が行われているのかは不明だが、一応これを分母にすると、0.014%程度になる。100校に一人くらい骨折者が出るということだ。もちろん怪我人が出るのは好ましいことでは無いが、十分ありうる数字だろう。
しかしながら、運動会全体でみると、やはりそれなりの人数は怪我をすることだろう。いくら若いとはいえ、運動にはそれだけのリスクがあるという捉え方は出来る。運動会の競技については考える必要はあるだろうにせよ、怪我のリスクは含んだ上でのことであるのは当然である。
もっと危険といわれる組体操の問題なんかもあるが、危険だからやめるべきキャンペーンというのは、単なる遠回しの教育関係者への批判の色が見て取れるようにも感じられる。ガス抜きでやっている面もあるだろうけれど、過剰反応するのが行政である。最初から怠慢でやりたくなかった人たちへの追い風になるだけのような気もしないではない。頑張っている人たちに水を差す、もしくは冷たい社会というのが日本の世論の一面である。
少なくとも「482人も怪我人が」のムカデ競争批判には、批判のための情報操作と悪意があるというのが正常な読み方であろう。世の中というのは、このような方法で嘘をつく人がたくさんいる。本当に恐ろしいのは、骨折よりその悪意である。