カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

処方された薬を飲むべきでは…   ヴァイブレータ

2019-11-17 | 映画

ヴァイブレータ/廣木隆一監督

 原作の小説があるらしい。コンビニで買い物中に目についた男について行って、そのままその男の運転する長距離トラックに同乗して、情事を重ねた旅に出る物語。
 レイという女は、どうも精神を病んでいるようで、勝手に頭の中で声が聞こえている様子だ。何か食べても吐いてしまう。トラックの男はタカトシというようで、元ヤクザだったようだが、近年はトラックの運転手をしている。運転しながら一人語りをするが、段々とレイに惹かれていく様子だ。情事も重ねて、二人はお互いに何か頼りあっていくような仲になっていく。
 坦々とトラックで移動しながら情事をしているという映画なのだが、説明があるわけではないので、実際この病気のことなどがどうなのかはよく分からない。病気ですらないのかもしれない。言っていることも本当かどうか、よく分からない。そして謎の多いまま、何か自浄的になっていくような暗示がある。これが恋なのか愛なのかもよく分からない。恐らく寂しさが二人を惹きつけているのだが、これでいいのだろうか。
 いわゆる面白い類の映画ではないが、だからと言ってつまらない作品でもない。なんだかよく分からないながら、それなりに引き込まれるものがある。寺島しのぶの脱ぐ演技などで話題になったのだろうが、いわゆる情事のシーンがあるからいいというのでもない。そういう目的なら、他にもいろいろあるだろう。確かに体当たり演技という見方もできるけれど、難しいキャラクターながら共感を誘うことができたことに、演技の価値があるのだろうと思われる。苦しんでいるが、これが現代的な女性の解放のようなことになっているのかもしれない。まあ、僕の勘違いかもしれないけど。
 まあ、実際こういうことがあると、本当はめんどくさいかもしれない。現実にはあまりない話だからこそ、価値があるのであろう。
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