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レディプレイヤー1/スティーブン・スピルバーグ監督
バーチャルリアリティのゲームの世界で、その制作者が死んだ折、三つの鍵を見つけたものに自分の総資産と、このゲーム世界を譲り渡す、ということになった。激しい争奪戦になるわけだが、リアルとバーチャルの世界にわたって様々な思惑が行き交い、主人公の青年が恋愛を交えながら鍵を見つけ出す冒険物語。
まあ、ありきたりといえばそんな感じのストーリーに、ほとんどアニメ作品といっていいバーチャルリアリティ世界が売り物の映画なのだろうと思われる。監督がスピルバーグなので、お話の展開が確かに古臭い。いわゆる80年代的な映像が懐かしいとも言えて、そういうところもマニアックなつくりなのかもしれない。今の時代からすると幼い感じもするが、それが昔の感覚ということなんだろう。
目まぐるしくお話は展開する割に、なんとなく退屈してしまうのは、そのようなちょっとした古臭さにあると思う。僕らの青春時代というのは、そういうものなのだ。しかしながらもう僕は大人になってしまったので、退屈してしまうわけだ。なんというか、本当のリアルはそこにはなくて、建前の物言いばかりだからかもしれない。西洋人は素直じゃないなあ、と思うし、子供を馬鹿にしているんじゃないかと心配になったりする。やっぱり今はそういうところには厳しく映画を撮っている作品が数多くあるわけで、むつかしくなっているんじゃないかと思うわけだ。ところが案外この作品は評価されてヒットしたらしく、要するに現代のアメリカ人が、まだそういうところにいるということなのかもしれない。日本ではダメなんじゃないかな。
しかしながらこのようなゲーム世界を形作っている考え方は、すでに日本が何年も前にやっていただろうことにも思えるし、やはり共通要素はあるのかもしれない。仲間を大切にする考え方も共通のものだ。黒人やアジア人の使い方はアメリカ的だが、押しなべて世界は幼稚になっているという感じだ。まあ近代から見る未来というのは、人間性においては後退する世界なのかもしれないですけどね。