カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

和からしだけで、日本化する

2023-11-22 | 

 マスタードと和からしは別物だが、原料となるのはどちらも「からし菜」の種である。アブラナ科のからし菜の種は、そのものはあまり辛くは無いが、つぶして水を加えると辛くなる性質がある。マスタードは主にからし菜の白い種を使うことが多く、酢や砂糖、ワインなどを混ぜて作る。比較的マイルドな辛みを出すことを目的としている。それと比較すると、和からしの方は、かなり辛さと独自の香を強く出すことを目的としているのかもしれない。
 そうではあるのだが、おでんなどの料理に使われる際に味が際立つのは、辛さだけでなく、うまみなのだそうだ。いっけん辛さを目的とされているようでいて実はそうではなく、食の相性でいうとうまみが目的になっているとされている。なんだかちょっと不思議ないいまわしに翻弄される思いだが、単純に油分を抜いて粉にしたものを水やお湯でといただけのものでありながら、やはりずいぶん日本的な味になる。あえて他の調味料と混ぜないで、辛みと香りを強くして料理と調和させることを考えているということのようだ。
 あまり試してみたことは無いのだが、だから生魚のようなものとも本来相性は良いらしく、カツオの刺身などにも和からしは用いられることがあるという。ワサビとは使い分けられているようにも思うのだが、地区によっては和からしを、もう少し大胆に使うところもあるのかもしれない。
 ところがこの原料となるからし菜の種を生産している農家は、日本ではほとんどいなくなってしまったという。つまり、原料のほとんどすべて、外国産なのだ(ほぼカナダ産)。粒が小さく機械での選別が難しく、したがって手作業が多く生産性が低いために、日本で作ることが困難なのだろう。そうなると国産だと、それなりの金額になるかもしれない。一般市場に出ることが困難になるということなのだろう。
 日本だとおでんには定番だし、ちょっとしたあえ物だとか、からし酢味噌でネギとか鯨の湯引きとかも食べる。皆僕の好物である。それとこれは中華なのだが、豚の角煮には和がらしが欠かせない気もする。
 それで思い出したが、中華なのに中国では確かに和からしは付けてなかった。中華の角煮はだから中華であって、日本の角煮は日本料理(卓袱など)ということなのだろうか。ちょっと分かんなくなってきたが、日本に来た中華には、日本人が和からしを用いたということなのかもしれない。シューマイなんかも向こうでは、からしはつけてなかった気がする。
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