カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

伝説の子役の晩年の姿    ジュディ 虹の彼方に

2020-12-23 | 映画

ジュディ 虹の彼方に/ルパート・グールド監督

 「オズの魔法使い」などで有名なジュディ・ガーランドの伝記映画。子供時代は主に回想で、今は中年で子供を連れながら、昔の名前で出ています的に有名さを利用して独自公演などして糊口をしのいでいた。しかしながら生活の荒れた様子があり、借金だらけで嘘ばかりの生活を送っているようだ。子役時代から仕事に追われ、忙しすぎて不眠症になっているようで、さらにもともと絶大な人気を誇った大スターであることで、妙なプライドが邪魔をしているのかもしれない。しかしとことん行き詰って、昔の夫に子供を預け(何度か結婚している様子)、心機一転ロンドンで再起をかけることにした。
 ジュディ役をレニー・ゼルウィガーが演じていて、アカデミーを筆頭に数多くの主演女優賞を受賞している。若い女性の共感に訴えるドジで現実的な女性を演じて人気だった女優さんだが、こんなに歌が上手かったのかと驚く演技をしている。ちょっと表現がおどろおどろしいところもあるが、ひょっとすると本物のジュディの物まねなのかもしれない。晩年の悲しげな、そうして病的なところも上手く演じていて、これなら受賞も納得のいくところだろう。
 ジュディは同性愛についても理解のある人だったといわれている(当時としては稀なことだった)。父親がホモセクシャルだったらしく、また自らも、いわゆるバイセクシャルであったという。劇中に同性愛カップルとの逸話があるが、なかなかにいい味の話ではないか。そういう意味でも象徴的な人で、悲劇的な晩年をおくったが、忘れがたい人物だったのであろう。
 最近の映画は、歌のショーの見せ方が素晴らしくなっていて、クライマックスの歌いっぷりは、さすがに映画ならではの迫力である。映画館で観るべき映画だったかもしれない。
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