カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

漢字が思い出せない

2020-12-16 | ことば

 僕は自他ともに認めるメモ魔だろうと思う。鞄の中には常時複数のメモ帳が入っているし、手帳と文庫大のメモ帳には毎日のことが書いてあるし、胸ポケットには小さいメモ帳も常備している。そうしてその時々に読んでいる本にも書きこむし、会議の資料には落書きも含めてとにかく書き込むことが日常だ。手のひらやズボンの上にも書くし、封筒や付箋紙にも書き込んだりする。
 そういう日常であるけれど、しかし一番書くのは何と言ってもパソコンやスマホである。スマホはめんどくさいのでできるだけパソコンに打ち込むが、とにかくそうやって文字を打っていると、勝手に文字は漢字に変換される。だからだと思うが、たくさん書いているメモの文字で、正確な漢字が少なくなってしまうのである。要するに漢字を思い出すことができないのである。この間は「共生」という文字が思い出せなくて「協」、とか「強」とか、結局キョウとカタカナでメモしてあった。難しい文字だから思い出せないというより、ちょうど当てはまるはずのものが、どこかに引っかかって出てこない感覚なのである。だから間違っていることは知っているし、間違っているのだから結局カタカナになっているのだろう。
 それでも日本人は、ひらがなもあるしカタカナもあるし漢字も使っている。何かメモをしようと考えていると、それらを何とか形にして残すことができる。
 何を言っているか分からない人がいるかもしれないが、ある種の失語症のような人は、日本人より外国の人の方が比率が多いのだという話を聞いたことがあるからだ。事故などで脳に障害を負う人で、文字が書けなくなる現象がある。例えば欧米ならば、すっぽりとアルファベットが分からなくなる。だから文字が書けなくなるのだが、日本人にはこれが、漢字だけ書けなくなったり、ひらがなだけ書けなくなったり、つまりそういう脳の使い分けをしているらしいことが分かっている。文字を認識するのに余分に脳を使っているのかもしれないが、そのために様々な代用が利いて完全な失語を防いでいるのかもしれない。数字だって「一」「1」「いち」「イチ」も書くことができる。数式を書くのは厄介かもしれないが、つまりはそういうことである。
 ということは、僕の中の漢字だけを思い出す機能が、何らかの不全を起こしている可能性があるのだが、確かにもともと僕の脳には怪しいところがあるような感じもするので、それだけにとどまっていると考えることもできる。読み間違うと恥ずかしいので、声に出しては読まないようにしよう。
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