カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

シマウマの模様は何故?

2018-01-03 | Science & nature

 シマウマの縞模様の謎問題というのがある。あくまで人間の考えであるとは思うものの、サバンナなどの草原において、シマウマの縞模様は大変に目立つように思われる。ライオンなどから捕食される立場にあるはずのシマウマが、どうしてそのような目立つ文様を持ちながら進化の途上で生きながらえてきたのだろうか。
 ところが多くの場合この説明の答えとしては、シマウマは集団行動をとるので、逆にこの縞模様の重なり具合において、捕食者の目をごまかすのではないかと考えられてきた。確かに縞模様がいくつも重なりあうと、個体数や遠近感などが鈍る場合がある。何か目標を定めて狩りをする場合に、途中で惑わされることが起こっているのではないかと予想されていたわけだ(ライオンの心情を人間が慮ってだけれど)。
 しかしながら近年になって、この縞模様のおかげで虫から避けられているのではないか、と言われるようになった。特にサバンナにいるツェツェバエなどの吸血昆虫からは、縞模様の所為で刺されることは減っているというデータがあるらしい。少なくともツェツェバエは、単一の毛並みよりも縞模様を嫌うのだそうだ。
 ある意味で大発見であるから皆喜んでいるが、やはり縞模様というのは人間の側の謎めいた想像をかき立てるためではないかという気もする。例えばパンダがなんであんな可愛いコントラストになったのか、人間なら不思議に思う人が多いだろう。何とか理由を知りたいと思う人が多いのではないか。
 別段僕は理由を知っている訳では無いが、人間の合理的な考えと相容れない現実がある、という事が一番なのではあるまいか。実は人間の子供は、自然界の謎について、勝手に合理化した嘘をつきやすい。山本有三の小説では、星が落ちないのは仲良く手をつないでいるからと書いた。そういう比喩は貧乏人であっても人との協力が大切であると説いたものかもしれないが、それが嘘であっても子供は納得する場合がある。いや、子供でなくとも、そのような大人だっている気もする。要するに説明的に合理性が感じられることで、人間は安心したいだけなのかもしれない。
 かえって夢を壊すようなことかもしれないけれど、シマウマ本人だって理由を知らない可能性が高い。しかしシマウマは、ある意味で繁栄し生き延びた。それが事実だろう。さらにシマウマに言わせたら、なぜ人間は変な格好で変な色をしているのだろうと思うかもしれない。合理的にシマウマに説明できる人が、本当に人間にいるのだろうか。
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