特に温泉好きでは無い。知り合いには、温泉という響きだけで興奮するような人々もいるようだが、あれは何だろうと冷めている。行けば温まっていいのだろうが、精神は冷えている。
好きではないと言いながら、嫌いでもない。確かに温泉は気持ちいいし、だいたい温泉に行くようなシチュエーション事態に、楽しいものが満載である場合が多い。研修会場が温泉宿だったら、これはもう遊びに行くようなものだ。別に温泉会場でなくても楽しい場合があるのに、温泉会場なら最初から人々はくだけた気分になっているような気がしないでは無い。
でもまあ、この温泉だけを切り取った楽しみと言えば、懇親会(夜の食事)前の時間に入る風呂であるだけのことである。大きな浴槽や露天風呂も萌えるが、何しろ僕は目が悪いので、だいたいの配置をいちいち確認し、ざぶんとやれば環境が違っても湯の中であるという状況に極端な違いは無いような気もする。まあ、ゆっくりしているが、いつまでも入っていられない。
時間に余裕があれば、サウナに入る事もある。これもあれば入るという関係で、好きだが絶対必要な関係では無い。心臓がドキドキして、生きてて良かったな、と思う。いつかはこれで、死ぬかもしれないが。
若い頃は温泉が好きだったのである。それはなんとなく色気の期待のようなものがあったせいかもしれないと思う。もちろん男だけで風呂には入るが、まあなんというかその先もあるようなというか。
つれあいは温泉が苦手のようだ。付き合いで行かないではないが、湯船につかると具合が悪くなる場合があるという。時には苦役のような付添の場合もあるようだし。
そういう事なので家族で温泉の選択はあまりない。無ければ無いで何か不便ということは無くて、温泉娯楽の真髄は分からないままかもしれないな、と思う。ただし大きなお風呂というのは気分がいいのは確かで、温泉だろうと銭湯だろうと、やっぱり広いのはいいなあと思って機会があったら楽しんではおりますが。