また今さら企画。
年末に観た映画に印象に残るものが多かった。
特に素晴らしいと思ったのがこれ。
黄金のアデーレ・名画の返還/サイモン・カーティス監督
実話をもとにした映画は怪しいものが多いが、こういうものなら満点だろう。単純な反戦モノに終わらない、実に現代的な物語になっている。今の世の中でなければなしえなかった奇跡があるという感じである。演技も素晴らしいのではないか。大人が鑑賞するなら、このような映画にすべきである。
この作品もお勧め。
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男/ジェイ・ローチ監督
アメリカ社会は多くの過ちを犯してきたが、それにも屈せずに這い上がってくる人々もいる。いや、多くの人はいやおうなく潰されてしまったが、不屈の精神の人がいるという事か。まったく凄いことである。
今気づいたが実話ものが三つつづいた。やはり事実は小説より奇なりなのか。
ショコラ 君がいて、僕がいる/ロシェディ・ゼム監督
フランスでも黒人は苦しんだ。そうしてもがいて生きた人がいる。ちょっとイラつく感じもあるが、時代の中で正直に生きるとこういうことにもなるのかもしれない。お孫さんたちはどうしておられるのだろうか?
これは普通の年だと第一位だったかもしれない。さすが西川監督という感じ。
永い言い訳/西川美和監督
ただし、観てスカッとする類の映画では無い。そういう意味では危険な話なのだ。しかし、良い映画は観られるべきなのだ。
これはちょっと強烈という気もするが、気分が悪くなっても観るべきかもしれない。
灼熱の魂/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
こういうアイディアを考えついても気分が悪くなったりしないのだろうか。恨みの連鎖というのは、簡単に無くなるものでは無いことがよく分かるのではないだろうか。
政治家がカッコよすぎるけれど、面白いものは仕方ない。
シン・ゴジラ/庵野秀明・樋口真嗣監督
コジラってこういう話にも出来るんだな、という事で、素直に感心してしまった。
普通はおバカ映画だけど、いいんではなかろうか。
ヒロイン失格/英勉監督
娯楽としての映画に徹していて、楽しかったのです。
これはコメディと思って観ていて、大変に感心させられた。
殿、利息でござる!/中村義洋監督
非常にいい話である。子供は観るべきではないだろうか。また行政や政治家も観るべきではないだろうか。
こういうコメディもありなんだな。
あやしい彼女/水田伸生監督
若返るっていうのも、こういう話なら悪くない。面白いです。
これはなかなかいい映画ではないか。
ヒメアノ~ル/吉田恵輔監督
グロテスクだけど、いじめ問題を真正面に考えているような気もする。ちょっと行き過ぎていて恐ろしい。
これは僕にとってはホラー映画に近い。
さざなみ/アンドリュー・ヘイ監督
どんどんすれ違う人間の感情に、年をとっても惑わされる危険があると知った。恐ろしい。
ホラー色はあるがいい映画だ。黒澤(清)作品は、たまにこういうことが起こる。
岸辺の旅/黒沢清監督
海外でも盛り上がったらしいが、日本人にもわかる話である。変ではあるけれど。
この映画は迫力勝ちである。あちらの人の演技は、ほんとに上手いな。
レヴェナント/アレハントロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督
ディカプリオってやっぱり上手い俳優さんだよ。ちょっと寒そうだけど。
コメディですよね。でも実話らしい。スゴイ。
偉大なるマルグリット/グザヴィエ・ジャノリ監督
こんな人がいるのは迷惑だが、面白いからいいのである。
正直言ってもう見たくないが、それは拷問が多すぎるから。
沈黙―サイレンスー/マーティン・スコセッシ監督
しかしだからといって悪い映画では無い。やはり落とせない作品として。
昔の映画だけど、改めて見て感心したいくつか。
この映画は何故か見落としていた。素直に面白く、話がどんどんでかくなって行ってどうなるんだ? って感じで最後まで行けます。
目撃/クイント・イーストウッド監督
これは素直に傑作。
ゼイラム/雨宮慶太監督
しかし、オタク的な感心と思われてはいけない。人間は努力で道を切り開けるという事が教訓的に分かる。お金だけがすべてじゃない(製作費として)。
ほのぼのとしたラブコメ。昔のアメリカ人は純情である。そして女は奔放で悪い(それが魅力的なんだが)。
男性の好きなスポーツ/ハワード・ホークス監督
前にも観たことがあるが、大人になってみると、また一段と味のある映画。いや、こんなに面白い映画だったんだな、と非常に感心しました。
ペーパームーン/ピーター・ボグダノヴィッチ監督
できれば見なくてもいい酷い出来栄えの映画も紹介。
マッド・マックス~怒りのデス・ロード~/ジョージ・ミラー監督
だけどこれはこれで楽しいとは思う。馬鹿でいいならこれもありだ。人間成長がすべてではない。馬鹿でも生きられる社会がいいのだろう。
これは酷いので見なくてもいいだろう。よくもまあこんなひどいの作れたものだ。でもたぶん真剣にやってたんだろうな。信じられない感性です。
アフター・アース/M・ナイト・シャマラン監督
これも酷過ぎ。時間をつぶして自己嫌悪に陥るに違いない悪魔的酷さ。
ギャラクシー街道/三谷幸喜監督
さて、最後には捨てるには惜しい。作品をいくつか。
いしゃ先生/永江二朗監督
これはいい話じゃないですか。平山あやって人はおバカな人だと思ってたが、大変に失礼しました。とても知性的なんで良かったです。
ブリッジ・オブ・スパイ/スティーブン・スピルバーグ監督
淡々と理屈を貫く姿勢が描かれている。冷戦っていうのはアメリカにもずいぶん問題あったんだな。一応終わって本当に良かった。
リップヴァンウィンクルの花嫁/岩井俊二監督
なんだろうこれは。っていう不思議さもあるが、岩井ワールドなんだから仕方ない。世間がものすごく狭い。
海よりもまだ深く/是枝裕和監督
なんだろうこれは。っていう不思議さもあるが、是枝ワールドなんだから…。ひとの心理は深いですな。
ハドソン川の奇跡/クイント・イーストウッド監督
これだけ知られた事件が映画として再現されて、なお面白いんだから凄いことである。終わった後もいろいろあったんだな。
という事で、今年も面白い映画にあたるといいですね。