カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

逃げてもいいとは僕も思うけど「逃げ恥」を観る

2018-01-04 | 雑記

 「逃げ恥」を観た。DVDで6枚。テレビ放送は観てない。ネットで主題歌のダンスは観たことがあった。星野源の主演した映画も観たことがある。そしてなんといってもガッキーは素晴らしい。そのためだけの作品であっても価値は高い。
 基本的にラブコメで、原作もあるらしい。それは知らなかったが、好きでもないのに好きな仕事(家事)で収入を得るために偽装結婚をし、同棲生活を続けて恋に落ちるという極めて無謀な設定でもあるにもかかわらず、少なからぬリアリティはなんといっても星野源で、彼のオタクのような生真面目で性に疎い設定の男子でありながら、本当には気持ちが悪くない好青年であるというキャラクターは素晴らしいのではないか。こんなオタクなら恋愛としてはちょっとというのが普通である。そういう人にガッキーが恋に落ちてしまうのは、どうしたって無理がある。でも星野はたぶんものすごくモテる人であるのは間違いなくて、本当はそんなに気持ちが悪くないのも分かり切っていて、でもその生真面目で童貞そうな感じは、あり得るような気もするから凄いことである。
 そういう恋愛が基本にありながら、しかしこれは特に才能が無い女性が仕事を持ちながら自立するにはどうしたらいいのか、という問題提起も同時に行っている。家事労働の対価は、金額に換算すると低いものではないという計算はあるが、実際の家庭生活において賃金が発生することは無い。家庭の主婦の労働に、家族以外の他者が賃金を支払うことはありえない。事実上専業であるというのは、夫の労働の対価の中に含まれているという計算以外には、あり得ない問題である。実際に家計を妻が握っているというのは、そういう解釈ということも考えられる。
 しかしながら偽装結婚のままでいると、そういう問題を実験的には解決できるものの、夫婦としての家計のありようは、崩壊してしまう。雇用側が暮らしていくコストとして固定経費がいつまでも発生するだけのことで、特に生産性が増えているわけではない。従業員としての妻の収入は妻にとっては重要だが、偽装の消えた結婚になると、その固定経費の消える雇用主の夫にとっては、大きなメリットになると考えられる。実際にこの妻は他にも働き出すことになるので、その場合は二人にとっての生産性は上がる。ドラマでは夫の家事負担、つまり労働時間は増えているようだったが。
 まあ、基本的にはそういう内気な人たちがなかなか一緒になれず、さまざまにあたふたしてしまう訳だ。最終的には結ばれることになるが、そうでなければどうなるというのだ。
 漫画的なドラマなので野暮なのだが、当初の彼女の目的は達成されたのだろうか? 何かもやもやしたものに悩んだ日々は、偽装を解除できるまでに夫婦になって解消されたのだろうか。
 そういうところは実はよくは分からなかったのだが、キャリアウーマンとしてバリバリ働いて男に見向きもしなかった叔母が、ずいぶん年下のイケメンの男と結ばれることになった。これも実は夢のような願望のように想えるが、そういう夢の実現が、やはりドラマの核なのであろう。女性の仕合せというものが本当に多様なのかどうか。僕にはわからないままなのであった。
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