カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

がんばれ回転寿司

2008-07-17 | 

 原油高ということで、いろいろと大変だという報道が連日続く。値上げ騒動に火をつけたいという欲求があるのだろうけれど、業界としても何とか踏みとどまっているところが多いようにも思う。大変に有り難いことだと思うが、どこかが倒産すると、またハイエナが群れるのだろうというところなのかもしれない。
 そういう中で堂々と値上げを狙って叩かれない業界がある。それが水産業界のようで、漁師が漁に出るだけで燃料代で赤字になるという。燃料代が今までの四倍というから、それはすごいと思うが、漁に出るだけで赤字だというのは本当だろうか。まあ、本当であるにせよ、一斉休漁して、確かに値段は上がりだしているようだ。ここ数年漁獲量はそう変わらないらしいのだが、水揚げ金額が減少していたのだという。もちろん輸入物におされて魚の値段は落ちていたわけだ。
 僕の印象として何が違うのかといえば、やはり回転寿司の隆盛は感じられる。普通に昼食で寿司を食うということが当たり前になった。以前ならとても考えられないことだった。また、以前なら地元の魚屋とスーパーの魚屋では圧倒的に魚屋の方が安かったものだが、だんだんスーパーのものも安くなっていった。スーパーはどこのものかをしっかり表示する(僕はそれを見るのが趣味のようなものだ)ので、いろんな国から魚が入っていることは知っていた。調理をすると原産国表示が消えるので、目に見えない輸入品に押されていることもあったのであろう。そして、それだけ一般の人も魚屋に足を運ばなくなったのではないか。
 そういうことで、原油高は他国の場合も同じようなものなので、おそらく影響は出てくる可能性はある。しかし国内が供給を人工的に抑えてあげているということであれば、ますます輸入物は国産に対して強くなる可能性もある。高い市場を狙って供給を行う方が利幅があるからだ。ただでさえ原油高で輸送にかかるコストが上がっているのだから地域性として遠い方が不利だと言えるが、日本の水産市場が高値だということになると、そういうコストの勘案をしても合わせられる外国産が増える可能性も高くなるはずである。国内の水産業界が価格の上昇を狙えば狙うほど、実は自分の首を絞める結果になりかねないとも思われる。値段が上がると消費者も買い控えが進むので、魚離れを呼び込むことにもつながりかねない。今から先を見通すことはできないにせよ、今回の行動は長い目で見ると結果的に国内の水産業界を衰退させることにつながりかねないのではないだろうか。

 さて、先日家族で久しぶりに外出した際何を食うかということになり、結果的に回転寿司の暖簾をくぐった。ウチはまだ子供がそんなに大きくない(体は大きくなったが)ので、普通の寿司屋より断然回転寿司が気楽でいい。まあよく考えてみると普通の寿司屋なんて家族で入ったことがないので比較にはなっていないが。しかしそれでも回転寿司の醍醐味はかえってトロなどを手に取りやすいところではないかと思ったりする。ひと皿四百いくらとか五百円でだいたい中トロや大トロが食える。明朗会計でありがたい上に、事実上目の前で握ってくれる場合が多いので新鮮な感じもする。食いながらトータルいくらという意識も皿の高さで確認できるので、腹の具合より先に抑止力も働くのでダイエット効果もありそうである。時価という恐ろしい値札もないし、その辺をウロウロしている店員のサービスも悪くないし、まあ大勢並んで食わされているという雰囲気に風情もないにしろ、客の満足度は高いのではないかと思う。僕のように味音痴の人間には、はっきり言ってその寿司のネタの違いなどほとんど分からない。高くてうまいというのはものすごく当たり前のことで感動が薄いが、安くてなかなか(積極的に旨いというと安っぽい自分に見えて言いにくいということはあるにせよ)というところが回転寿司の素晴らしいところだろう。
 そうやって楽しい寿司を食えるのも、魚が安くなったおかげであることは間違いがない。おそらく近年魚の消費量はそれなりに増えていたのではないだろうか。そういう流れに水がさされるものは予断を許さない状況になっているが、そういう店がまず見切りをつけるのは、国産市場である可能性の方が高いであろう。
 ところでウチの下の子が回転寿司で一番手に取るネタはなんだと思われますか。いや、これは正確にはネタとは言わないのかもしれないが、今回三皿連続で食べたのはメロンだった。彼に言わせると回転寿司のメロンはそうとう旨いらしい。なんとなく脱力してそれから我が家では何個もメロンを買ってしまって連日メロンづけ状態になってしまった。結果的にこのような過剰を生む作戦だったとしたら、彼は相当な策士ではないかと思うが、いや結局親というのは子供に甘いということなのであろう。
コメント
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