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営業の電話があっていろいろ説明を聞く。どうも以前からウチの事業所に関係がありそうなことをいうので、ついうっかり聞いてしまったという感じだ。そういう意味ではいわゆる上手い口車の人である。午後にちょうど用があって近所まで行く予定があるので、ご都合がよろしければ会いたいのだそうだ。ご都合は別に悪くなかったのだけれど、やはり会わないと断った。すると「何故か」と攻勢に出てきた。オタクに有利な話を持ってくるのに、おかしいではないかという論旨である。
僕はこういう営業で説明を聞く時間をコストだと思っている。いろいろ話を聞いたので、既にかなりのコストをかけてしまったのである。せっかく安くなる話であったが、その分は既に消費してしまったようなものだ。その上また会うとなるとコストとして損なのである。今使っているものが高くても、その分のコストがかかっていないのだから節約できているのである。
よせばいいのにそういう説明をしてしまった。しかしそれでは営業を生業にしている人が納得するはずはなかった。そういう考え方は困ったもので、「経営方針としては根本的に間違っている」とたしなめられる始末である。まあ、そうなのかもしれない。
ならば、今のお付き合いが深いので、新規とは契約できないということではどうか、と提案した。相手はしばし黙って、「そういうことなら仕方がありません」と言った。が、その後、お付き合いはお付き合いとして、今の料金と同額にまで落として、両方を使用できるプランも提案可能だと言ってきた。なるほど、呆れるが流石である。しかし同じものは二つもいらない。スペースも重要なコストのうちである(なら、もっと片付けろよ)。
僕は欲しいものは求めて買うものだと思っている。別に欲しくないものを勧められて買いたくなると言うのは根本的にムダなのである。これはコストを超えた基本ルールなのだ。
「今ルールを決める決心がつきました。営業で聞いた話のものは一切買わないことにしました。あなたのお陰です」と礼を言った。
そういう訳で、安くてすばらしい商品を買い損ねてしまった。