カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

台風と年寄り

2006-09-17 | 雑記
 台風である。よって外は風が強い。今回の台風は強力であるという噂である。
少し外に出てみると、あちこちでいろんな準備をしている。飛びやすいものを拾って回ったり、忙しい人は忙しそうである。家の周りの整理をするのはいいが、張り切っているのはお年寄りが多いような気がするのである。なかには二階の屋根の上でなにやら作業しているお年よりも見かけた。明日の敬老の日まで寿命がもたなかったらどうするのだろう。こういうときに張り切ってしまう心理はわからないではないけれど、むしろ普段から頑張ってほしいものである。いや、そういう人は頑張っても困るのかもしれない。
 そういえば敬老の日というのは、以前は「としよりの日」といっていたらしい、とテレビでやっていた。「昔は失礼だったんですね」と相方がコメントしていたが、僕にはこの感覚のほうがわからない。「としより」はちっとも失礼ではない。そういう語感になってしまった現代人が哀れである。シルバーだとか高齢者だとか、湾曲に言われて安心している人のほうがボケ症状なのではないか。
 さて、台風になると確かに年寄は張り切っているようにも見える。ご近所の落ち葉拾いにも、よいいっそう精を出している人もある。台風が去った後のほうがいいのではないだろうか。
 買い物に行くといつもよりお年寄りが多い気がする。買い物籠の中身も充実している。ある爺さんは両手にいっぱい「うまかっちゃん」を抱えていた。非常食は缶詰のほうがいいのではないか。しかし、あれは重たいのでインスタントラーメンにしたのであろうか。ま、家庭の事情にとやかく言っても仕方がない。
 僕は比較的に年配の方と話をする機会の多いほうだと思う。それは仕事の都合もあるのだろう。しかし、僕が若者の代表であるのは問題があるような気がしないではない。
 話をしていて確かに思うのは、お年よりは話の内容より、行動が非常識であるということだ。相対的に相手の顔色がわからない。ボケてしまったというより、多分、話をする絶対的な時間が少なくなってしまったせいではないかと疑っている。相手のことがわからなくなったので、行動が極端になる。自己本位になりがちである。
 朝のラジオ番組などのお便りを聴いていると、(リスナーは絶対的にお年寄りだと思われる)この国は善意に満ちていることがわかる。ときより日本の将来を憂うこともあるが、こういう善意の人が多数である国家が、今後不幸せになるとは到底考えづらい。年寄りの多い国は、良心的な国家になるのではないかとさえ思う。
 しかしながら、そう思うのは朝のうちだけである。今まで良心的だった人たちと実際に遭遇すると、少しばかり考えが変わってしまうからである。良心自体が消えてしまったわけではない。そういう人たちであるにもかかわらず、実際にお話を聞いてみると大変にわずらわしいのである。この機会になんとしてでもいろいろ話してしまいたい。欲望を抑えきれずに過剰になってしまう。
 世代間の断絶はもはや食い止めようはなさそうだ。間をつなぐ何か手立てはないか。断絶の原因である家族の崩壊は、天皇家がどうであろうと、どうにもなる問題ではない。他の方法を考えない限り、お年寄りはますます非常識に走っていくのだろう。お年寄りが増えること自体は、実は何も問題ではない。孤立していくことが問題なのである。それは子供であっても、大人であっても同じことだ。ただ、お年よりは孤立しやすい立場であるということなのである。今回の台風でも多くのお年寄りが犠牲になるのではないか。個人の力で解決できる問題ではない。そういう問題を考えるのが、たとえば公的な役割なのであろう。台風の犠牲者が増えて、それから考えているようでは遅い気がする。しかし、やはりどうにもならないのかもしれない。みんなどうしてこうも忙しくなってしまったのだ。

 確かに風はどんどん激しくなっている。家が揺れるのも体感できる。こういうことは初めてかもしれない。こうなってくるとあえて外に出て作業する人も出て来たりする。消防署も大変である。地元消防団員はあちこち巡回していることだろう。飲酒運転にやかましい時勢である。ますます大変そうでお気の毒だ。
 そういえば今日は朝から選挙カーの音があちこちでしていたのだが、さすがにすっかり聞こえなくなった。それどころではないだろうし、暴風で音もかき消されてしまうだろう。テレビも台風情報ばかりだろうし、騒音の中、読書の秋に突入するか。もちろん、前提として家が台風にもてばの話である。もう僕には台風は楽しめないようである。
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