カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

すっぴんの価値/NANA

2006-09-21 | 映画
NANA/大谷健太郎監督0609
 実は宮崎あおいつながりで観たのである。結論から言うと、これもある意味でミスマッチなのではないか。もう少しバカな感じの方がよかったのだろうが、本当にバカになりきっていない感じなのだ。役を選ばずなんでもできるという器用さはあるんだけれど、やっぱりもう少ししっかり怒って周りが困惑するぐらいがちょうどいい。人を理解するより理解されるほうがいい。そういうけなげさを、僕は彼女に求めているのかもしれない。
 さて、お話のほうだが、僕にはよく分からなかった。少女漫画は子供のころからよく読んでいたが、この話はよくわからない。本当に原作通りなんだろうか。読まずに批判するのはフェアじゃないので控えるが、今ひとつカタルシスがなかった。まあ、僕に共感されることを拒んでいるから一般的には共感をえられているのかもしれないけれど…。
 愛憎めぐってもやっぱり好きだという感じは、別に悪い話ではない。そういう不条理とか諦めの悪さは人間的だ。しかし、それは自分だけが分かってない方が面白いと思う。追いかけている男がもう少し悪かったら、そのバカさ加減に感激したかもしれない。人には怒れといっていても、自分の方がもっとバカなんだということが、この話の大きな柱であろう。悪ぶっているけど、もっと自分の方が弱いというのが、この話の重要さではないか。
 実際に中島美嘉は、化粧を落としていると、そのけなげさに驚くほどかわいらしさがあった。ああ、似合わないことをあえてやっているんだ、という発見が、この映画の一番の見所ではないか。しかし本当に自分の中の一番いいところは表に出せないのが、女心というものの面白さなのだろう。まあ、僕にとって関係ない女だからそれでいいんだけど、男はそういう女はしゃらくさいだけなんだけどね。少なくとも近くにこういう人がいないほうが、平和な毎日を送れる事だろうと思う。また、こういう過渡期を経て、少しずつ強くもなるというものだ。本当は女心というより幼さなんだということに気づくまで、もう少し時間が必要なんだろう。
 それにしてもやっぱり歌が耳に残る。時代の勢いがあったのだろうと思う。内容がどうだというより、長めのプロモーションビデオなのかもしれない。
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きょうだい喧嘩/ギミー・ヘヴン

2006-09-21 | 映画
ギミー・ヘヴン/松浦徹監督
 最初に断っておくが、ちっともお勧め映画ではない。これがいいという人もいるにはいるだろうけれど、変わっているだけだろう。
 まあ、そうではあるけれど、なんとなく退屈しながら見ることができた。あんがい好きな方ではないか。こういうつまらない映画は、僕のようなひねくれ者には面白い。かなり失敗して惜しいなあ、という感じがいいのである。
 出ている役者さんは一生懸命名演を繰り広げているが、ちっとも浮かばれない。はっきりいって可哀相である。しかしながら出演したんだから仕方がない。演じている時点で愚作になるかどうかはわからないのではないか。ベストをつくす姿勢は見習った方がいいとも思う。
 ラストシーンを撮るために時間をつぶしたのだろうか。そういう感覚を映像化してみたぞ、ということなんだろう。最近は特撮が進歩しているので、そうではあってもたいして感激しない。人間の慣れとは恐ろしい。だからこそ、もう少しその個人的ジレンマをしつこく描いていくべきだったのではないか。失敗した最大の原因はそういうことではないか。こういうことは、つくっている監督と観客との共通感覚のいかんではなかろうか。
 ついでに告白すると、宮崎あおいを見るために観たのである。そういう意味ではちゃんと出演しているのだから目的は果たしているが、あんまりしゃべらないので残念だった。最後になってやっと少ししゃべるが、もう少しまじめに不条理を不満たらたら話した方が似合っていると思う。まあ、僕の偏見だろうが、若いくせに人に説教臭いことを言う宮崎あおいはキュートである。単に朝の連ドラの影響だろうけど…。
 基本的に映画のネタばらしはしない主義だが、どうせこの映画を観る人は少ないだろうから言ってしまうと、きょうだい喧嘩でいろんな人が犠牲になる話である。後から思い起こしても、みんなとばっちりを受けただけであるように思えて哀れである。まあ、これがネタばらしであるかは、観て確認にしてみてはどうだろう。しつこいようだが、面白さは保障できない。修行と思えば何か得るものもあろうというものだ。
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