カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

陰日向に咲く/劇団ひとり著(幻冬舎)

2006-07-05 | 読書

 意外に面白いといううわさと、朝のテレビドラマで見たことある人なので読んでみる事にしたのだ。意外に面白いと聞いて読んだのだから意外に感じるのはおかしな話のような気もするけれど、まさかここまでとは思わなかった。はっきり言ってこういう言い方も失礼なようだけれど、物凄くまっとうな小説で、実に上手い展開だ。これは小説家が読んでも上手い小説だと認識するのではないか。あるいはやられたと思うのではないか。いいや、そんなことはないよ、こんなの小説じゃないよ、という小説家がいるかもしれないが、そんなこといっても、たぶんこの小説は勝手に上手い小説として市民権を得るだろう。よくできているけれど、垣根を越えて小説という手法の普及まで果たすのではないか。そんな可能性まで感じさせられるほど、実に上手い。それでいて話は面白い。なんだか不思議な気持ちになった。
 実をいうと劇団ひとりという人のギャグをみたことはない。先に書いたように演技は見たことがあるが、それなりに感じは出ていて、少なくともお笑いタレントという感じではなかった。だから僕にとっては俳優のような人が書いた小説ということになる。そうであるから小説については、意外に感心できるわけだ。俳優と小説家とどちらがいいのかわからないけれど、彼はどちらを選択してもそれなりにうまくいくのかもしれない。もちろんどちらとも選択するのかもしれないし、見たことの無いお笑いも続けていくのかもしれない。それは言ってみれば、才能なのだろうかと思わずにいられない。彼の中にどんな苦労が隠れていようと、そういう感想を持つに至るだろう。はっきり言って凄いと思う。一時期マルチタレントというものが流行ったことがあったけれど、これは本格的なそういう存在の登場なのではないか。引退した中田選手はビジネスマンとしては未知数だが、劇団ひとりは既にこのポジションを確立できている。あえて比較しても仕方がないけれど、僕は断然劇団ひとりの今後に期待できると宣言する。
 ちゃんとした本だが字が大きいのですぐに読んでしまえる。時間が空いたら手にとって楽しんでみては如何だろう。変な話なのに妙に感動できる不思議な小説なのである。
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嫌な空気だな

2006-07-05 | 時事
 ほんの最近、北朝鮮のミサイルの燃料が腐食性で、注入したら数日中に発射しなくてはならないというニュースがあった。腐食性の燃料ってなんだろうな、と考えていたら今朝のニュースである。ちょっとというか、かなりびっくり。6月20日ごろに、米国政府は、「今回は戦争の可能性がある」という発表をしていたらしいから、急激に緊張が走っている。同時期に韓国政府は、あれはミサイルではなく人工衛星であると緊張緩和に動いていたばかりである。結局米国との交渉カードとしての見せ掛けだと思われていただけに、完全に外交筋は読みをはずしたのではないか。というか、今回は北朝鮮のほうが読み間違えているような気もする。そういう気分はかなり危うい。勿論米国は米朝交渉などを受け入れるとは考えづらい。対朝制裁という対策のみでとどまるものなのか、微妙な空気が気になるところだ。ひょっとすると…、と考えると、気分が重い。だいたい実際の戦闘になると確実に北朝鮮は殲滅可能だと考えられている。問題はそれがどれぐらいの時間かということなのだろう。短期決戦の可能性の話がでだしたら、アウトなんじゃなかろうか。
 しかしながら米国待ちという日本に新たな空気が生まれていくことにも警戒が必要だと思う。いや、これは決定的に北朝鮮が日本の将来の鍵を握っているという皮肉である。

追伸:しかしながら、やっぱり中国じゃないかなとも思える。今の世界に全面戦争の可能性があるのは、米国と中国である。これは、手を出さないと踏んだんだな、と思う。外交政治って何なんだろう。しかし、思惑とは裏腹に日本は保守色が強くなるんだから、厄介だ。ワールドカップでは敵だったけれど、逃げるならオーストラリアあたりだろうか。
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