がんばれ、バレンタイン

　千葉に出張していた。
　千葉がどういうところなのかよくわからなかったけれど、もともと好きなところというわけではないようである。ディズニーランドにも興味はないし、特産品が何だとか言うような情報も知らない。
　酒を飲んで、さてホテルへ帰ろうということになった。電車の路線図を眺めて、あれこれ検討する。駅のホームに来てあらためて掲示してある時間を見て、ずいぶん待たなきゃいけないな、というような話をしていた。すると後ろから声をかけてくる青年があった。いったんひとつ駅を戻って乗り換えると時間的には早いと教えてくれたわけだ。酔っ払いおじさん集団が困っているのに見かねて教えてくれるなんて、都市では珍しいことではないのだろうか。そういう考えも偏見なのかな。よくわかんないけど…。
　オタク風というか、教師風の青年だったけれど、僕はその青年のおかげですっかり千葉がいいところのように思えてきた。
　場所というところであっても、人の影響を受けるということなのだろう。
　そういえば最近は千葉ロッテは調子が悪いようである。僕が肩入れしてどうなるわけでもなかろうが、いっちょ応援するかな、なんて気分になっている。あの青年がロッテファンなのかどうかも知らないくせに、どうかしているようである。