沈丁花の蕾

2010-02-03 | 【樹木】ETC
 二月はじめ、沈丁花(ジンチョウゲ)の蕾を見る。
 やがて、花開き、香りを放つ。
 そうは言うが、あの花びらに見えるのは、実は萼。

寝もと我は思ふ

2010-02-02 | 【樹木】楓
 万葉集の東歌のひとつ。
  子持山 若かへるでのもみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ
 「かへるで」は、確か「蛙手」で、蛙の手のような形をしていということで「楓」。
 よって、「若かへるで」は、紅葉の前の青々とした楓の葉のこと。
 「もみつ」は、「もみじ」ることで、紅葉。
 古くは、確か、紅葉より黄葉と書くことが多かったはずだ。
 歌の前半は、「緑の楓が紅葉するまで」と言うことになる。
 「寝もと我は思ふ」は、「わたしはあなたと寝ていたいと思う」と言うこと。
 「汝はあどか思ふ」は「あなたは、どう思うか」。
 要するに、君とずっと同衾していたいが、君はどうかな、という意の歌である。
 東歌には、こういう率直な歌が数多くあって、楽しい。

あやに愛しさ

2010-02-02 | 【断想】ETC
 万葉集の東歌のひとつ。
  あしひきの山沢人の 人さはに まなと言ふ子が あやに愛しさ
 山の人も沢の人もみんなが言う
 あの娘はとっても可愛いいと
 「まな」というのは、愛弟子などというときの「まな」。
 「愛しさ」は「かなしさ」とよむ。

ここだ愛しき

2010-02-01 | 【断想】ETC
 万葉集の巻十四には、東歌が収められている。
 毎朝、電車で渡る多摩川も出てくる。
  多摩川にさらす手作り さらさらに 何ぞこの子のここだ愛しき
 多摩川に手づくりの布をさらす
 さらさらとさらす
 さらさらに
 どうしてあの娘がこんなに愛しいのか