寝もと我は思ふ

2010-02-02 | 【樹木】楓
 万葉集の東歌のひとつ。
  子持山 若かへるでのもみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ
 「かへるで」は、確か「蛙手」で、蛙の手のような形をしていということで「楓」。
 よって、「若かへるで」は、紅葉の前の青々とした楓の葉のこと。
 「もみつ」は、「もみじ」ることで、紅葉。
 古くは、確か、紅葉より黄葉と書くことが多かったはずだ。
 歌の前半は、「緑の楓が紅葉するまで」と言うことになる。
 「寝もと我は思ふ」は、「わたしはあなたと寝ていたいと思う」と言うこと。
 「汝はあどか思ふ」は「あなたは、どう思うか」。
 要するに、君とずっと同衾していたいが、君はどうかな、という意の歌である。
 東歌には、こういう率直な歌が数多くあって、楽しい。

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