マルティーニの受胎告知

2007-02-19 | 【断想】神々
 新約聖書ルカによる福音書第1章に、天使ガブリエルが、神によってガリラヤに遣わされ、マリアに懐妊を告げる場面がある。
 天使ガブリエルは言う。
 「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
 「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をその子をイエスと名付けなさい。・・・・」(日本聖書協会・新共同訳)
 この受胎告知の場面を描いた絵は数多くある。その中で、特に印象深いのが、シモーネ・マルティーニの描くアリアである。1333年の作である。
 不躾に懐妊を告げるガブリエルから、身を引きよじらせて、「いったい何ということをおっしゃるの。そんな勝手な、わたし困ります」という声が聞こえてきそうなのである。

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