“ワーク・ソング”

2023-03-04 | 【断想】音楽

 チャールズ・ミンガス“ピテカントロプス・イレクタス”(1955-1957)
 Made in EEC ⓟ1990 BY JOKER TONVERLAG A.G  SUISA  GIANTSOF JAZZ.  
 上記のCDを入手した。
 そのケース裏に収録曲が記されており、その中に、「ワーク・ソング:WORK SONG(Mingus)」があった。
 チャールズ・ミンガスの「ワーク・ソング」を聞いてみたかった。
 以前、油井正一著の「ジャズの歴史物語」(角川ソフィア文庫)に、その「ワーク・ソング」にふれた記述があったのをおぼえていた。
 キャノンボール・クインテットがゴスペル=ソウル・ブームをおこし、人気をはくした時、ミンガスは、嫉妬したのか怒り、次のようなことを言ったそうだ。
 「あいつらは、何も分かっちゃいない。あの兄弟は、泥棒だ。あいつらの曲に『ワーク・ソング』というのがあるが、俺は、1955年に『ワーク・ソング』をカフェ・ボヘミアでライブで演っている」
 ここで出てくるキャノンボール・クインテットの「ワーク・ソング」は、ナット・アダレイが作曲し、1960年録音のアルバム「ワーク・ソング」(RIVERSIDE)に収められているもので、ミンガスの「ワーク・ソング」とは別ものである。
 「ワーク・ソング」なるもの、元々は、黒人の労働歌と言うことで、ゴスペルというのか、黒人霊歌というのか。そこらに源流があると言える。
 でも、1955年のミンガスの「ワーク・ソング」と1960年のナット・アダレイのものは、明らかに別もの。
 ミンガスの言い分には、無茶がある。
 ところで、ミンガスの「ワーク・ソング」、とてもいい曲・演奏だと思う。
 ところで、その「ワーク・ソング」については、入手したCDの解説に、〈1955年12月23日に、ニューヨークのカフェ・ボヘミアで演奏された〉と紹介されている。
 同日、演奏された曲として、「A FOGGY DAY」「JUMP,MONK」「SERENADE In BLUE」も記されている。
 この日の演奏は、以下のアルバムに収録されている。
  「CHAZZ(Debut→Fantasy6002)」、別名「Miingus At The Bohemia(Debut DEB-139)」か。
 参考まで、このアルバムには、上記3曲の他に、「Septemberly」「All The Thing You(Are  In C-Sharp)」「omit Bert」barrow」「Waldrou」「Percussion Discussion」が収められている。
 このアルバムの演奏は、以下の顔ぶれで行われている。
 エディ・バート(tb)
 ジョージ・バロー(ts)
 マル・ウォルドロン(p)
 チャールズ・ミンガス(b)
 ウィリー・ジョーンズ(ds)