いまだ色香の

2011-04-07 | 【断想】ETC
 桜の季節となった。
 梅の季節は去った。
 季節のめぐりに、失われゆくもののことを思う。
 肉体の若さや美しさは、いつしか失われる。
 老いの翳濃くなる前に、いまだ色香ののこるうちに・・・・。
 「恋せよ」と呼びかけられるうちに・・・・。
 そんな気持ちを抱かせる友がいる。
 アスクレーピアデースの「遊女追懐」(沓掛良彦訳)という詩の一部。
 ・・・・・・・
 老いの翳その美わしき面に
 兆せし後もなお
 甘くやさしい愛の神
 その姿態に宿りたりき。
 かの白拍子のうら若き日に
 あでやかに咲き匂う
 その花摘みし君ら、
 いかほどか火と燃ゆる想いに
 その胸を焦がせしか。

明日を必要としない

2011-04-07 | 【樹木】ETC
 ベランダの鉢植えの木瓜の花が咲く。
 花は、明日の幸せを思って咲くわけではない。
 余計な思念があってのことではないのだ。
 出隆・岩崎允胤訳の「エピクロス」を開く。
 「明日を最も必要としない者が、最も快く明日に立ち向う」