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物思ひをれば

2019-04-09 | 【断想】ETC
 どれだけ、思い考えても、結論の得られぬことがある。
 いや、思い考えて、結論を得られるなどと思うことがよくない。
 結論などなくたっても少しも不都合はないのに。
 だけど、物思いから逃れられないのも実の姿。
 思い思って、春霞。
 よくあることである。
 和泉式部の春の日の歌。
  つれづれと物思ひをれば春の日のめに立つ物は霞なりけり

夢ともしらず

2019-03-14 | 【断想】ETC
 式子内親王の人のせつなさを歌った一首。
 はじめなき夢を夢ともしらずしてこのをはりにやさめはてぬべき
 はじめもをはりも夢。
 うつつも夢と言えば夢。
 うつつなるこの世を去るときも夢のなか。
 夢とは知らず夢のなか。
 せめて悪夢でないことを。

嬰童無畏心

2019-03-14 | 【断想】ETC
  外道天に生じて、暫く蘇息を得。
  彼の嬰児と犢子との、母に随うが如し。
 秘蔵宝鑰より。
 外道とは、仏教の立場からの言い方になり、仏教外の宗教・信仰にある者などを指す。
 蘇息は、「蘇りの息」と言うか、「安息、やすらぎ」のことか。
 犢子は仔牛のこと。
 なんらかの信仰によって、やすらぎを得ることはある。
 しかし、それは、子どもが母親に、仔牛が母牛から得るやすらぎでしかない。
 一時的にして、本能的な次元でのものとも言え、ほんものではない。
 悟りの段階で言えば、「嬰童無畏心」とは、そんなものでしかない。
 このような意か。

眠りから醒める

2019-03-13 | 【断想】ETC
  外の因縁に由って、忽ちに節食を思う。
  施心萌動して、穀の縁に遇うが如し。
 秘蔵宝鑰より。
 生きていれば、いろんな出会いがある。
 いろんな事が起こる。
 よき出会い、よき事は大切にしなくてはいけない。
 どんな人にも施す心が芽生えることがある。
 どんな人にも、心の豊かさへのチャンスはある。
 千年の眠りから醒める蓮の実もある。

異生羝羊心

2019-03-12 | 【断想】ETC
  凡夫狂酔して、吾が非を悟らず。
  但し婬食を念うこと、彼の羝羊の如し。
 昨日につづいて秘蔵宝鑰から。
 電車の中で、現代語訳と訓み下しの原文を行ったり来たり。
 人のことを言うのは、自分をおとしめるような気がするが、
 こう言う言葉に接すると、いつも頭に浮かぶ人がいる。 

受胎告知(f)

2018-06-29 | 【断想】ETC
 水色の空
 落ち着きのない白い雲
 フラリフラリとやってくる
 自転車に跨ってる
 あれは天使
 バタバタと羽根の音
 キーッとブレーキの音
 ガブリエルじゃないか
 あいつはともかくいかれた奴よ
 ナイフとフォークも使えない
 いつもパンツもはき忘れ
 何をするかと見ていたら
 あちこち窓をのぞき込み
 白百合の花ある窓に飛び込んだ
 「キャーッ」
 静かな午後に女の悲鳴
 礼儀知らずのガブリエル
 初対面のかわいい娘に告げました
 「君は処女だけど 妊娠してる おめでとう」

サティのころがる坂(fiction)

2018-06-28 | 【断想】ETC
 ゴーッと風の吹く音がした。
 窓のそとを見ると、誰かの帽子が舞い上がっていった。
 サティだろうか。
 洒落たステッキをついた老人が歩いていた。
 傾斜のきつい坂、サティは、ころび、ころがった。
 青い空は静かだった。
 砦の旗が、はためく姿のままかたまっているようだった。
 特別に変わったことがない一日だった。
 床には、白い運動靴が、はく機会がないまま置かれていた。

鶯系の鳥か

2018-06-26 | 【断想】ETC
 画眉鳥って
 余り品がいいとは思はない
 鳴きすぎてうるさいくらいだから
 ほどほどにしとけばいいのに
 また画眉鳥は
 たくましくて身体能力がある
 あたまも悪くなさそうだ
 もともと強い声をしているが
 それだけでない
 他の鳥の声の真似みたいなことをよくする
 今朝もあの変な声なんだろうと思っていたら
 画眉鳥本来の艶のある声に切り替ったので分かった
 藪に棲む鶯系の鳥か

小綬鶏の声

2018-06-24 | 【断想】ETC
 コジュケイ(小綬鶏)の声をよく聞く。
 キジ科の鳥で、その声は大きく、よく通る。
 その声は、次のように表現される。
 チョットコイ、チョットコイ
 ピョー
 コッコッコッコッ
 ピッピッピッピュクワイ
 姿を見ることは、ほとんどない。

四生の盲者

2018-06-07 | 【断想】ETC
 疲れているかのような友に、
 何と声をかければいいかと思った。
 そして、空海の詩があたまに浮かんだ。
  四生の盲者は盲なることを識らず
  生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
  死に死に死に死んで死の終りに冥し
 「そんなものさ」と言いたかったのか。

犀川の橋を渡って

2018-05-10 | 【断想】ETC
 机の上に置いていた
 友人の小説
 東出甫国の霽月記を読み始めた
 まだはじめの部分だけ
 舞台は金沢
 犀川のほとり
 そのあたりで見えるもの感じられるもの
 金沢生まれの私にはたまらいものがある
 つぎつぎと思い出されることが・・・・・

180

2018-05-10 | 【断想】ETC
 街角にステーキ・ランチの店
 女性客が結構多い
 180gくらいのビーフとごはん
 1960年頃のモダンジャズ
 それなりの音量で
 スピーカーが一個しか見えないが
 食事にモダンジャズは合わない
 などと思いつつ