梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

山仲間の集い(その2)

2023年12月02日 06時41分14秒 | Weblog
春と秋の日帰りプランがどうして天気に恵まれているかの理由は、雨が降る時は実施しないからです。開催3日前の午後5時の天気予報によって、親睦委員会が判断して、中止の場合は各パーティのリーダーを通して全員に連絡します。当日中止による順延もしませんので、一旦流れるとその時期のプランは実行されません。

悪天候の時に行わないことも、安全対策の一環ですが、更に万全を期すため種々対策が講じられます。特に登山プラン参加者は、申込にあたっては「健康状態調査」の報告をし、65歳以上の人は「直近の登山歴」の申告をしなくてはなりません。参加にあたり改めて「自己責任」を自覚するのが狙いで、自分の体力レベルを冷静かつ客観的に判断し、難易度によってコースを選択することが促されています。

実は去年事故がありました。それも我々の代がリーダーとサブリーダーとなったパーティで起こりました。参加されていた80歳の方が、突然山行中倒れ、ドクターヘリを要請し、地元の病院に搬送されました。結局、一旦は意識が戻ったものの亡くなられました。医師の診断は、重症度の心筋梗塞によるとのことでした。リーダーとサブリーダーは立場上、事前に防げなかったか、事態発生直後対処は適切であったか、自責の念にかられたのは言うまでもありません。

その後親睦委員会でも、色々な検証がなされました。経過を追う限り、事前準備や当日の行動そして事態発生後の対処とも極めて的確であった。むしろ迅速的確な措置により、一旦は一命をとりとめることが出来たのではないか。心筋梗塞の重症度から推し量ると、山中以外でも手遅れとなった可能性が高い。これらの見解にまとまりました。平均年齢70歳以上の100名規模の集団が山行した場合には、一定の確率で数々の事態が生じます。従って、あくまでも自己責任で山仲間との楽しい山行に加わる、というのが今後とも基本的な方針となりました。

さて我がパーティの当日の様子です。午前10時武蔵五日市駅改札口集合で、14名が集まりました。リーダーとサブリーダーは私より一つ年上の代で、パーティ内で一番年上が84歳(女性)、一番年下が71歳(私)でした。私は股関節の古傷の後遺症で長らく登山から遠ざかり、この日帰りプランにしても参加して5~6年しか経っていませんので、今回も初めてお会いする先輩もいます。しかし半日一緒に行動することで、すっかり親しくなります。一つの目的を達成し、BC地に行く頃にはパーティは結束して連帯感すらうまれます。

武蔵五日市駅から地元の路線バスに乗って、当日散策する秋川渓谷のスタート地点に着きます。朝方曇っていた空も回復して、散策には絶好の天気となりました。ここが東京都かと思う程、時代がタイムスリップしたようなひっそりとした山里の中を、秋川渓谷の清らかな水が流れます。車一台がやっと通れる車道も歩きますが、点在する民家を見ても、けっして楽ではない日頃の暮らしがしのばれます。

この平地プランの良さは、都度気が合った人と話をしながら歩けることです。今回も、過去の部活の話題やさらに身の上話など、色々話ができて親しくなった先輩もいます。現役時代は、自分を中心に三つ上までの先輩と三つ下までの後輩の範囲の付き合いですが、このプランを通しその範囲が広がるようになります。

大学の体育会では、卒業しても厳格な力関係は続くようです。特に競技スポーツでは、現役の頃記録を持っているとか大会で優勝実績があるような人は、いつまでたっても一目置かれます。我々の部も現役の時は、上下関係は明確でした。それは山に入ると遭難する危険があるので、上級生:リーダーの判断・指示は絶対だったからです。

その上下関係は卒業しても引きずられますが、年を重ね薄らいてきているようにも思われます。前回書きました。「現在リーダーとサブリーダーを担っているのは、70歳前半から60歳前半です。年々この役は下の代にバトンが渡され、リタイアした代は、次からメンバーとして参加します。年下のリーダーだとしても、年上のメンバーであっても服従しなくてはなりません」。さながら「老いては子に従え」の心境にならざるを得ません。 

大学時代からやっているスポーツでも、ハードなものは幾ら体力があってもある年齢で限界がきます。山登りは普段から健康管理をしていれば、年齢に関係なくOB・OGと一緒にいつまでも楽しめるスポーツだと思っています。素晴らしい山仲間がいることに、感謝しています。   ~次回に続く~ 








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山仲間の集い(その1) | トップ | 山仲間の集い(その3) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事