![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/64/ad/9602111c3b9c18a59fd0da7493303645_s.jpg)
「鉄鋼流通の現場が国内外で変わりつつある。より需要家に近い川下の加工工程に関わって付加価値を高めようとする動きが目立つ」「単純にモノを運ぶだけのビジネスで利益を確保しづらくなっているためだ」。3月27日付日本経済新聞に“変わる鋼材流通”と題して、このような記事が載りました。
「かつて浦安鉄鋼団地の主流は倉庫に積んだ鋼材を不特定多数に販売する店売りだったが、もはや右から左に流すだけでは儲からない」「団地の中でも、在庫販売のみという問屋は30年前の5割から14年は17%まで減った」。そのような記事が続きます。
その記事が掲載された日に、わが社では新設のレーザー切断機の安全祈願と火入れ式を行いました。新品の機械は今月初め搬入されましたが、メーカー主導のテストランを重ね、わが社への技術指導も受けながら、正式に引き渡しも終わって当日を迎えました。
機械を造って下さったメーカー、納品の窓口になって下さった商社、基礎工事を担って下さった業者、融資をして下さった銀行、そしてわが社の会計参与の会計士の先生。新しい機械を導入するにあたり多大なるご支援を頂いた方々に、当日はご臨席賜りました。
朝9時半より工場内の新設の機械の前で、わが社の社員も大よそ参列して、厳かに式は執り行われ、そして無事に終わりました。一年ちょっと前にこのレーザー導入の提案が幹部社員から出され、ようやく形となって我々の前に現れて、稼働を開始しました。
新設された機械が入って工場内を見渡すと、私としては、とても感慨深いものがあります。丁度10年前、ここ浦安に新たに土地を求めて倉庫を建設して、それ以前から市川市の他社倉庫を借りて在庫販売していた機能を、浦安に集約しました。
当時新設した倉庫内の風景は、全て素材の鋼板が積み上がっているだけでした。その後徐々に、外に在った二ヶ所の溶断工場を浦安に移設して、今日を迎えました。今回の新設のレーザーを加えると、倉庫というよりは、正に鉄板加工工場に様変わりしました。
わが社がこの加工事業に進出した切っ掛けは、得意先が破綻してしまうという不幸な出来事から始まりました。しかし冒頭の記事にもありましたが、わが社が在庫販売だけであったならば、今日のわが社の存在はどうなっていたかは分かりません。