梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

心に残る詩

2008年01月27日 08時00分41秒 | Weblog
「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」
「そのうちそのうち べんかいしながら日がくれる」 
これらは誰が作った詩かわかりますか。

そうですあの相田みつおさんの作品です。独特の言い回しと書体で、最近は知らない人はほとんどいない位有名な人となりましたが、その実像を知っている人は少ないかもしれません。

実は最近“相田みつお美術館”の館長、相田一人(かずひと)さんにお話を聞く機会を得ました。名前からしても想像出来るでしょうが、相田みつおさんの長男です。

もともとみつおさんは書家でした。書を書いて生計を立てていたそうですが、けして暮らしは楽ではなかったそうです。しかし妥協を一切しない方で、満足出来るまで書き続け、使った紙は膨大となり、息子さんが小さい時毎日の日課はその紙を風呂の焚き火としたことだったそうです。

みつおさんは平成3年67歳で既に他界されています。息子さんはそれを機に、従来の職を辞して父の作品を世間に広める仕事に従事する様になったとのことです。

親が作ったものを子が売る(広める)、お話を聞いていて、息子さんの強い使命を感じ、相田みつお作品は親子セットなのだとの感慨を持ちました。

初めからみつおさんの書体は今の書体ではなく、分かりやすい文字で同じ言葉を何十回、何百回、何千回---、と永年書くうちに独特な書体となった様です。しかし若い頃は書展で何回も優秀な賞をもらうほどの腕前だったそうです。

一見すると誰でも書けそうな字体ですが、相当な基礎があると言うことです。自分をとことん見つめたので、その生き方が他人にも影響を与えました。物事の道理や本質を見たような気がしました。

「夢はでっかく 根はふかく」私はこの詩が深く心に残りました。
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若手オーナー

2008年01月20日 08時17分30秒 | Weblog
三年前御父さんの体調がおもわしくなくなり、それまで全く違う業界にいた息子さんが会社を任されました。その後御父さんは亡くなられましたが、今はその息子さんが会社を掌握し立派に経営されています。

わが社の鋼板素材の販売先で、地下タンクを一貫製造している技術力もあり大変ユニークな会社です。

当初は現場に入り、一から作業を学んだとのことでしたが、社長の息子なのにこんなことも出来ないのかと古くからの作業員には非常に厳しい目で見られたそうです。

そこは持ち前のバイタリティーで乗越え、あらゆる努力をしたようです。御父さんの葬儀の通夜、社員はそんな息子さんと御父さんをダブらせたようで、全社員があなたに付いていくと宣言し息子さんを認めたそうです。

まだ若いので(私より一回り半ほど)同業者などからなめられたり足を引っ張られたりすることもあるそうですが、不思議とそんな人が墓穴を掘り沈んで行くんですよと言います。自分はやることをきっちりやっていくので怖くないと言い切ります。

先日もわが社に来られ長い時間話をいたしましたが、これほど自社経営について活き活きと話す若いオーナー経営者を私は知りません。考え方も一々もっともで、私の方が一杯学ばせてもらっています。

三年前鋼板の素材が世間で異常にひっ迫した時、梶哲さんから仕入れることが出来てなければ今日の内はありませんでした。とても感謝していますと仰って頂きました。

私としてもこんな有難い言葉を頂戴するとは思っていませんでしたので、これほど嬉しいことはありません。わが社のやり甲斐を感じました。

梶さんのブログ必ず見ていますよ!共鳴することが多々あります。二重三重に嬉しさを感じました。
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男女の違い

2008年01月13日 10時30分12秒 | Weblog
今年奥さんに対し話をもっと解りやすく話せと課題を出した人がいます。まことにもっともな提案と思う反面、内心私は実現は無理かもしれないなと思いました。

一時期ベストセラーになった『話を聞かない男、地図の読めない女』は脳の観点から男女差を記した好著で、男性と比較して女性は「空間認識能力」に劣り、反対に「周辺視野」が広いと指摘しています。

例えば男性の場合、仕事を終え家庭に帰ると暫くは奥さんの話しかけにほとんど反応が出来ません。また冷蔵庫の中の或る物を探すときなかなか発見出来ないことがあります。逆に女性は、テレビを見ながら子供の世話をしながら会話が出来、全てが同時に可能です。

同書の著者はこう示唆しています。男と女は違う生物なのだ、どちらが良いとか悪いというわけではない。ただ違うのである。唯一の共通点は同じ種(男女別の)に属している点である。住んでいる世界も違い、価値観も違い、それぞれが従うルールも異なるのだ。

私はそこで考えます。男女の違いで世の中うまく回っているのではないかと。同化する必要はないかもしれない、しかし十分理解はする必要はある、また人類種族保存の為に男女の異なった役割分担もあった筈ではないかと。

『組織が求める女性リーダーの役割』と言うセミナーに参加した女性が語っていました。男女の特性の違いで、男性は勝ち負けといった勝負が大事で、単純に地位や数字目標に情熱を傾けることができる。しかし女性は自分が役に立っているという実感がすごく大事で、「何のために誰のために」やっているのかという仕事の目的を欠いてはなかなかやる気が出ない。ということを学んだと。

家庭でも会社でもこの男女の違いを、間違いではなく、違いとして役立てる努力の必要性を感じています。
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家族って

2008年01月07日 06時25分00秒 | Weblog
2008年がスタートし、皆様には新年のお喜びを申し上げます。

この数日間は家族と共に穏やかな正月を過ごしました。普段仕事をしていると、家族と共にいる時間は少ないのですが、この正月はほとんど朝から晩まで一緒でした。

家族って一体何なんのでしょうか。そんな問いが頭をよぎりました。テーマとしてはあまりに大きすぎますが、私なりに一つの考えを書いてみます。

私には当然二人の親がいますが、その両親にはまた四人の親がいます。それを代々過去に遡ると10代前で五百人を超え、15代前で一万人を超えます。今の私ひとりの存在はそれほど多くの過去の人間の存在があります。

逆に私の子孫を考えた場合、仮に二人ずつ子供が誕生し続けると、同じく10代後で五百人を超え、15代後で一万人を超える勘定となります。今の私ひとりの存在はそれほど多くの未来の人間の可能性があります。

無数の中でのひとりですが、そう考えるとなんと重要な役割をしているのでしょうか。自分は自分だからといっておろそかに出来ません。世代を繋いでいく連結ピンのような役割を果たしている訳ですから。

家族とは、前後一世代くらいの単位で、その人間の尊さの確認やそのバトンタッチの実践をしていくものではないでしょうか。

家族には伝えていく大事な教えがあるかもしれません。また家族は誰よりも助け合い励ましあっていく仲間かもしれません。とは言え日常では血が濃い分衝突することもあるかもしれませんが、それを乗り越えていくのも学びの一つかもしれません。

理屈はともかく、少なくとも家族は自分の拠り所でありたいと思います。
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