「単なる欠員の補充では、その人が辞めたら、また振り出しに戻ってしまう」「余裕をみて多く採用してくれたら、その分は稼ぐ」。8ヶ月程前、わが社の工場長が発した言葉でした。
3年前新卒で採用した20歳代前半の社員と、去年中途採用した40歳代の社員とが、年末まで相次いで退職しました。当然のことながら、直ぐ補充の為の募集をしますが結果が出ません。事務・営業職も緊急的に現場を手伝いながら、暫くは現有社員で何とか切り抜けて来ましたが、苦しいやり繰りが続きました。
新卒者を採用するにしても、1月から3月の時期は最悪です。諦めたらそこで終わりですので、あらゆる手段を講じ募集活動を続行しました。そのような中、シルバー世代の働き手も検討して、ハローワークを通じて、今年の夏までにパート社員2人の採用を決めました。
人材の増員は固定費の負担を意味します。経営的な観点からしたら、よっぽど仕事があり将来も受注増が見込めるのであれば、余裕を持った人材の採用は踏み込めます。余裕がなければ何も出来ないとの、工場長の言葉は理解出来ますが、どれだけ増員するかは難しい判断となります。一方で世間は、慢性的な求人難です。
諦めずあらゆる手段を講じたことが奏功したのか、7月に23歳、8月に22歳、10月に32歳の社員が入社することになりました。5年前に1人、去年私の息子も含め2人の20歳代が入っていますので、これで20歳代から30歳代前半の社員が6人となりました。現在わが社の社員の総勢は25名です。
話は変わりますが、7月からスタートした今期より、新たな会社の方向性を示しました。“他社が行わない加工や技術力でオンリーワンを目指す”です。その加工とは主に開先(鉄同士を溶接で繋ぎ合わせるために、角の部分を斜めにそぎ落とす加工)です。
最新鋭で開先機能が付いた、6kのレーザー機を導入して3年が経ちました。本来垂直稼動だけの火口トーチが傾斜し、ワンカットで開先加工ができ、それも曲線の開先が可能です。今日まで種々様々な開先の仕事をこなしながら、その受注は最近除々に増加しています。
またガス溶断加工における厚物の開先も、他社がやらない加工も少しずつですが増えてきました。一般のNCガス溶断機では出来ない開先でもあり、ポータブルや簡易機械を使っての、現場の熟練作業員の技に頼るものです。
そのような状況変化もあり、自動開先機の導入を決定しました。ガス溶断で垂直切断した切板を後から、自動制御で回転する刃先で研磨して開先を取る機械です。長い直線物や量産物に適した機械で、納期は来年の5月頃となります。
他社が追随しない世界を目指すことは険しい道ですが、本来のわが社の進む独自の道が見えてきたと、私は感じています。しかしこの会社の最近の方向性が、新たに入社した若手の向う道と、これほど重なるとは私自身も思いませんでした。 ~次回に続く~
ガス複合開先
レーザー曲線開先
3年前新卒で採用した20歳代前半の社員と、去年中途採用した40歳代の社員とが、年末まで相次いで退職しました。当然のことながら、直ぐ補充の為の募集をしますが結果が出ません。事務・営業職も緊急的に現場を手伝いながら、暫くは現有社員で何とか切り抜けて来ましたが、苦しいやり繰りが続きました。
新卒者を採用するにしても、1月から3月の時期は最悪です。諦めたらそこで終わりですので、あらゆる手段を講じ募集活動を続行しました。そのような中、シルバー世代の働き手も検討して、ハローワークを通じて、今年の夏までにパート社員2人の採用を決めました。
人材の増員は固定費の負担を意味します。経営的な観点からしたら、よっぽど仕事があり将来も受注増が見込めるのであれば、余裕を持った人材の採用は踏み込めます。余裕がなければ何も出来ないとの、工場長の言葉は理解出来ますが、どれだけ増員するかは難しい判断となります。一方で世間は、慢性的な求人難です。
諦めずあらゆる手段を講じたことが奏功したのか、7月に23歳、8月に22歳、10月に32歳の社員が入社することになりました。5年前に1人、去年私の息子も含め2人の20歳代が入っていますので、これで20歳代から30歳代前半の社員が6人となりました。現在わが社の社員の総勢は25名です。
話は変わりますが、7月からスタートした今期より、新たな会社の方向性を示しました。“他社が行わない加工や技術力でオンリーワンを目指す”です。その加工とは主に開先(鉄同士を溶接で繋ぎ合わせるために、角の部分を斜めにそぎ落とす加工)です。
最新鋭で開先機能が付いた、6kのレーザー機を導入して3年が経ちました。本来垂直稼動だけの火口トーチが傾斜し、ワンカットで開先加工ができ、それも曲線の開先が可能です。今日まで種々様々な開先の仕事をこなしながら、その受注は最近除々に増加しています。
またガス溶断加工における厚物の開先も、他社がやらない加工も少しずつですが増えてきました。一般のNCガス溶断機では出来ない開先でもあり、ポータブルや簡易機械を使っての、現場の熟練作業員の技に頼るものです。
そのような状況変化もあり、自動開先機の導入を決定しました。ガス溶断で垂直切断した切板を後から、自動制御で回転する刃先で研磨して開先を取る機械です。長い直線物や量産物に適した機械で、納期は来年の5月頃となります。
他社が追随しない世界を目指すことは険しい道ですが、本来のわが社の進む独自の道が見えてきたと、私は感じています。しかしこの会社の最近の方向性が、新たに入社した若手の向う道と、これほど重なるとは私自身も思いませんでした。 ~次回に続く~
ガス複合開先
レーザー曲線開先