梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

いつまでも働くことを

2012年11月24日 11時39分39秒 | Weblog
日本年金機構の市川事務所に、年金請求書を提出して来ました。私は10月に60歳を迎え、特別支給老齢厚生年金を受け取る資格があるとのことで、手続きに行って来ました。

本来の老齢基礎年金の方は65歳からの支給です。この老齢厚生年金も原則65歳からなのですが、生年月日(私の年齢)などの要件を満たせば60歳から支給され、65歳になる前に請求しても減額されることはありません。

日本年金機構から“ねんきん定期便”にて、手元にこれまでの年金加入履歴は届いていたものの、今回実際に行って担当者から、パソコン画面を見ながら「しっかりと加入記録はありますね!」と言われ一安心しました。

しかし、その便りで見ていた60歳からもらえる年金額(報酬比例額)は、実際には停止額(会社で支払われている給料の額により年金がカット)が入って、大幅に減額がされています。この特別支給自体もいずれは無くなる制度です。

厚生労働省は中小企業が多く加入する中小企業退職金共済制度(中退共)で、退職金を減額する検討に入ったことを、最近の新聞は報じていました。資金の運用難で積み立て不足とのこと。わが社で導入している退職金制度です。

何故、社会保障が必要になってくるのか。新聞に社会保障の考え方として解説がありました。ある確率で損失が生じると予測されるリスクを、その個人のリスクを社会全体で分かち合い、これを和らげようとするのが社会保障。

それを緩和する手段として保険の仕組みを作っている。リスクに直面しそうな人が集まり保険料を出し合い、実際に遭遇してしまった人には保険金を給付することで金銭的損失を補う。例えば高齢になり生活資金に困るリスクに対しては、年金保険であると。

今後リスクに直面する人が多くなり、集めた資金の運用面でも利回りが期待出来なければ、掛け金を上げない限り、国の年金制度にしても退職金制度にしても今後ますます給付額が少なくなっていきます。

そんな不安はさて置き、私としてはいつまでも働けることを喜びとしたいです。
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自分と他人の始末

2012年11月17日 10時58分42秒 | Weblog
ある日のこと、朝会社の傘立てに入れてあった私の傘を取って帰ろうとした時のことです。綺麗に巻いてあったはずの傘が乱雑になっていて、傘立てに突っ込まれていました。日中激しい雨が降っていたので、あり合わせのビニール傘なども無かったので、誰かが使用したのでしょう。

会社の男子トイレにはトイレ専用のスリッパが二足置いてあります。使った後は、隣のスリッパに合わせて平行に置くことが本来望ましい置き方です。しかしこれが時として行われていません。

他人の傘を使ったことをとがめているのではありません。使った後は最低でも元の状態に戻しておくことが礼儀です。トイレのスリッパにしても、後で使う人のことを考えれば同様です。

ズバリ会社の恥部を書いていますが、私はこの現象は、一部の社員かもしれませんが、心の乱れの表れであると感じます。

或る社員から質問がありました。「会社の方針書に『ゴミが落ちていたら気付いた人がその場で拾う。汚れていたら気付いた人がその場で掃除する』とあります。私は励行していますが、していない人がいて、強制しても徹底すべきではないですか」と。

「強制して、やらされている感覚がある限り本物ではない。自然とその行為が身に付くまで、時間が掛かるかもしれないが待ちたい。率先垂範してくれる社員には感謝をしたい。お手本となってもらいたい」と、答えました。

全くそのようなことに気付かず、無頓着の社員もいます。それは会社で教育をしていく必要があります。でも知っていても行動を起こさない人は確信犯で、根は深く、オーバーな表現をすれば最後は身を滅ぼす危険性すらあります。

自分の始末を自分でするのは、人間としてはむしろ当たり前のことです。他人の始末まで黙って出来る人は、皆から憧れられて尊敬される人です。自分はどれを選択するのかです。

そんな社員が一人でも増える会社にしたい。それが私の理想です。
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プラス思考の訓練

2012年11月09日 08時20分36秒 | Weblog
現場で社員を募集してきました。60歳を過ぎた嘱託社員が、半年前に急遽退職したので、補充も必要でした。それ以前から、出来れば一人は補充したいと考えていましたので、都合二人は採用することでハローワークに求人登録をしてきました。

6月にハローワークの紹介で一人採用しましたが、その社員から9月に退職願が出され、振り出しに戻ってしまいました。一人の仕事としてはトラック配送が主になっていましたので、その間弟の会社に運送を依頼してしのいできました。

現状ではらちが明かず、折込新聞の広告を出したのは10月になってからです。数名の応募がありましたが、極力若い人材を採りたいとの工場長の強い意向もあり採用を見送りました。その間は頑張って現人員でやり繰りするとのこと。

二回目の広告を出したのは10月の中旬です。一回目は浦安・市川市だけでしたので、思い切って江戸川区も配布地域に入れました。プラス掲載費用は掛かりますが、そのようなことを言っている場合ではありません。

わが社では就業前に5分間だけ全員で持ち場を掃除しています。掃除をスタートする直前に、皆が顔を合わせ挨拶して、簡単にその日の来客などの情報を交換しています。

「昨日の日曜版に募集広告が入っています。応募者から電話がかかってくるかもしれませんのでよろしくお願いします」と、営業部長から応対を促す一言がありました。『かかってくるかも・・・』と、すっかり弱気になっているのです。

普段、私は滅多に口を挟まないことにしています。しかしこのマイナスの言葉は頂けません。「絶対に電話がかかってきますので」と、「そんな意気込みでいきましょう!!」と、私は話をしていました。

果たして江戸川区の二十歳代の応募者が面接に訪れて、採用することになりました。意欲もあり前向きな若手です。大切に迎え入れなくてはなりません。

気持ちの持ちようで事態も変わります。これはプラス思考の訓練です。他人の言動は分かるのですが・・・、自分を戒めながら。
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あかざの杖

2012年11月02日 16時36分41秒 | Weblog

藜(あかざ)は植物です。インドあるいは中国が原産と言われ、古くからわが国へ渡来し食用として栽培されていて、今では各地の畑や荒れ地に帰化し、胃薬や滋養強壮など薬草としても効用はあるそうです。茎は軽くて丈夫な為杖として利用され、ステッキ専門店ではかなりの値段で売っています。長寿象徴の七福神の寿老人が持っている、仙人が持つような杖があかざです。

そんな杖を会社に持って来て下さった方がN氏です。ご自身であかざを栽培してその杖を手造りされた方で、私の足が悪いことを以前から承知で、将来必要になるだろうから使ってもらいたいとのことでした。形も種々、4本も頂きました。

私は昭和50年父親の会社に入社して一年経った頃、短期間でしたが修行に出されました。修行先であるその会社の創業者とは、私の祖父の時代からお取引をさせて頂き、鋼板溶断加工では草分け的な存在でした。

父親はスケールやスクラップ事業から、将来鋼板の販売に主軸を置くことを確信して私を専任とすることを決め、社外での知識の修得の為、昔から懇意にしていた会社に息子の修行を頼んだのでした。

その時お世話になった方がN氏です。私より一回り年上で、現場の長であったN氏から、厳しくも懇切丁寧に基礎を教えて頂きました。修行が終りわが社に戻り、半年後に大怪我をしました。私はその後15年間、新たに興した運送業の仕事に就きましたので、N氏とのご縁も途絶えてしまいました。

五年前にN氏と久々に再会しました。その会社の取引先を集めた忘年会です。八年前からその会社とは切り板の関係で取引が盛んになっていました。定年を前にN氏は、「ゆっくりしたら、必ず哲ちゃんの会社に遊びに行くから」と。

その会社は今年初めに、残念がなら看板を降ろしました。永くオーナー経営を死守していましてので、存続させるために色々と模索されたました。その結果、同業他社と別会社を創って、それまでの全ての業務の移管を果たしました。

一方N氏は二年前に退職していましたが、肺癌を患い手術をされました。鍛えた体力は病魔にも負けず回復は順調、定期検査の帰り道にわが社に来られました。頂いた杖は、転ばぬ先の杖として、心の杖として大切に致します。
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