梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

素敵な女性

2015年02月28日 10時15分54秒 | Weblog
午前と午後の狭間で、外出先で3時間程の時間が空いてしまいました。仕方なく、Mが付くドーナツや軽食のあるお店に入りました。郊外で、昔からの住宅街が残っている、駅に近いお店。中に入って片隅に座って、鞄からパソコンを取り出し仕事をしていました。

暫くすると、隣の席に1人の女性が、同じ方向を向いて座りました。ですから、その人の顔を正面から見ることが出来ません。その女性は、特に何をするではなく、私と同じように長居をしています。時折横目で見ているかのような、視線を感じました。

おもむろに、その女性は私に話し掛けて来ました。「指先を見ないで、よくパソコンを打ち込めますね」と。そして初めて、顔を見ることになります。私は「もう慣れてしまっています。慣れれば、誰にでも出来ますよ」と、お応えしました。

これを読んでいる皆さんは、その女性の年齢や容姿を知りたがっていることでしょう。もう少しその後の話しを進めますので、お付き合い下さい。それを切っ掛けに、話が弾みました。彼女から湧き出てくる話の方が私には興味があり、聞き手になりました。

二歳の頃より、左目が不自由になって、ある年齢で完全に視力を失ったこと。母親は厳しい人で、意見が折り合わないことが多かった。父親は早く亡くなって、家も決して裕福ではなかった。母親は障害がある娘を嫁に出すことを潔しとしなかったのか、手元に置いた。

成人となり、彼女は色々と職を変えたけれど、床屋さんの手伝いを長くしてきた。本来は無口で、男性に対しても苦手意識が相当あったが、床屋さんの接客の中で、それが漸く解消した。現在は母親も亡くなって、一人で生活をしている。私の聞き違いがなければ、大よそそのような身の上でした。

最近スーパーに行った時の話しをしてくれました。赤ん坊を抱いている若いお母さんに、注意したとのこと。「その買い物カートをもう少し前に出してもらえれば、あなたの後ろが空いて、私が通れるのよ」と。 

 
するとそのお母さんは、「狭いのであれば、あなたが反対側の通路に回ってよ」と、反論されたと言うのです。今の若い人は、信じられない言動をする。自分は間違っていますかと、私に尋ねるのです。  ~次回に続く~
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天は観ている

2015年02月21日 05時18分07秒 | Weblog
自分の体ほど気遣わないものはないのではないでしょうか。そのような私に天罰が下りました。三週間ほど前の出来事です。

ある勉強会の新年会で、7人が集まって、寿司屋さんの座敷で食事をしました。その中の一人が差し入れてくれた東北の美味しい日本酒を、大いに楽しみました。二時間程経ってトイレに行こうと、座敷から土間に降りようとした瞬間、たった一段でしたが階段を踏み外しました。

その後散会して帰路につくも、足の痛みは治まらず、歩くこともままなりません。翌日になると足先は見事に腫れあがり、病院に行かざるを得ません。レントゲンを撮ってみると、右足の小指の付け根のところの骨にひびが入っていて、全治4週間と告げられました。

私は今から40年前に、現場で作業をしていて、自分の不注意で左大腿骨の骨頭を骨折しました。半年以上半身ギプス固定したにもかかわらず、骨はつかず、結局骨を折ってから一年後に切開手術をします。結果、左側の股関節は殆ど機能しなくなり、その上手術によって左は右足に比べて約3センチ短くなりました。

従って土台がアンバランスであることは明らかです。内臓にしても背中や肩や頭にしても、そのアンバランスの状態を、無理にバランスを取っているのですから、体が歪んでいるのは確実で、また弱い左足を右足は長年カバーしてきた訳です。

これまでさほど痛みなどの自覚症状は無かったのですが、何かあった時にそれは一気に出ていたのでしょう。ある意味、これまで物を言わなかった自分の体と、つまり必死に頑張ってきたもう一人の自分に向き合っていなかったのです。

私と同じ歳の勉強仲間の女性が、去年腕などを二度も骨折しました。私は骨折などしない、私はまだそんな歳ではないと内心思っていました。天災でも事故でも、自分だけには起こらないという、正常性バイアスです。

今回の出来事は、自分の体を侮っていた警告とも言えます。天罰とは、「天は観ています」とのことです。今回の怪我は、プラス思考で言えば、今後そのような自分の体に真剣に向き合っていく好機とも思えます。
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ザ・カジテッツ再び

2015年02月14日 10時11分25秒 | Weblog

わが社の創立60周年記念式典を行ったのは今から1年と2ヶ月前のことになります。その余興として、社員自ら出し物を考え、全員で演じました。女性はハンドベル、男性が女装してのダンス、そして男性のスコップ三味線の、三部構成となりました。

江戸川鉄栄会では毎年2月の第1週の金曜日、新年会が開催されます。場所は浦安のホテルで、余興としてプロのマジシャンやものまねタレントを外部に要請して出演してもらい、食事は着席ブッフェ形式、最後はビンゴ大会と、好評の新年会です。参加者は会員の社員及びその家族で、毎年80名位となります。

わが社の60周年式典に参加された江戸川鉄栄会の役員から、梶哲のスコップ三味線をもう一度見たいと声が掛かり、今回特別出演となりました。スコップ三味線とは、音楽をバックで流し、鉄のバチでスコップの裏を叩いて、あたかも三味線を演奏しているように見せるパフォーマンスです。

この新年会への参加はわが社では自由参加となっており、今回は特命を受けていますので幹部社員にしてみれば、出来るだけ多くのそれも余興を演ずる社員を募りたい訳です。当初参加希望者はまばらでしたが、わが社として総勢20名、内演者は何とか10名となり、幹部はひとまず胸をなでおろしました。

しかし問題は、当時のメンバーの半数は入れ替わっていて、1年以上もスコップ三味線を握っていません。前回経験していない20代前半の社員3人が加わって練習をスタートしたのが、漸く1月の中旬でした。

練習事は何でもそうでしょうが、発表会があるから、普段の練習も真剣になるのだと思います。今回の練習は遅いスタートでしたが、若手の呑み込みがとても良く、本番に向けて加速度的に、“ザ・カジテッツ”はまとまって行きました。

当日の発表会、二曲を演じました。会場で観ていた皆さんがどう受け止めて下さったかは、演ずることが必死な我々には判断できませんが、暖かく見守ってくれていた気持ちは伝わりました。仕事以外で、何かを一緒に成し遂げた達成感を、舞台の上の社員達は感じたことと思います。
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最新鋭機械の導入(その3)

2015年02月07日 08時55分47秒 | Weblog
このテーマは前回で終わりにしようと思っていました。しかし、資金調達なども含めて、努力してくれた社員の為にも書き記したく、今回を最終とします。

中小企業庁の補助金制度があります。「ものづくり・商業・サービス革新補助金」であり、製造業の他、商業、サービス業の中小企業の革新的な取り組み(新商品・試作品開発、新サービス開発等)にかかる設備投資費用等を補助するもので、上限額は1,000万円となっています。毎年1万社以上の企業が採択されている、大変人気のある補助金です。

この補助金については、わが社の総務経理も営業も以前から知っていました。ただ今回の設備投資にしても、どの段階でどのように申請書を作成するのか見当がつかなかったようです。しかしタイミング良く、私の勉強会仲間の税理士の方が情報を入れてくれました。ある大手リース会社が、その申請を無償でサポートしてくれると言うのです。

リース会社にとってみると補助金が出た暁には設備費の一部でもその会社とリースが組める、申請する会社にとってみると行政書士等に頼む費用が発生しない。相互メリットがあります。早速今回の申請の手解きを受け、申請をしたのが去年の7月です。

そのリース会社がサポーした会社の申請が受理される確率は高いらしく、二ヶ月後の結果を期待しました。そして結果は、補助金は受けられませんでした。ほぼ二週間を費やして申請書を作成したわが社の総務経理部長にしてみれば、さぞ落胆したことでしょう。

営業も投資額の約一割が補助されることになり、責任の負担は軽くなったと思います。しかし物事全ては上手く行きません。私はむしろそれで良かったとすら受け止めました。補助金が出れば、わが社はついていると慢心して、そこで気を抜いてしまうからです。

幸いにもわが社の取引銀行には、社員から盛り上がった今回の設備投資をとても評価してもらい、融資については前向きの姿勢です。結果は出なくとも、件のリース会社とも、金額は一部ですがリース契約をさせてもらいます。報われる仕事ばかりではありませんが、そのような社員への労いは社長の仕事であると心します。
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