「銀行との付き合い方」の裏を返せば、「銀行はわが社のどこを見ているのか」となるのではないか。と前回書きました。それでは、「銀行からどこを見られても怖くない」と言い切れる経営者は多いのでしょうか。むしろ少ないと思います。今から30年以上前ですが、社長になりたての私も銀行に対する苦手意識がありました。それまで銀行折衝は先代の仕事であり、私は営業を担当していました。
どこの会社の社長でも、自社の事業について語ってくれと言われれば、自信をもって語れるでしょう。それは自分の得意なフィールドだからです。銀行の人との話しは得意でない分野もあるからで、ハードルが高くなってしまうのではないでしょうか。私の苦手意識を分析してみると、一つは財務知識がなかったこと、もう一つは銀行と付き合いたくないのではなく付き合い方が分からなかったから。当時の自分を振り返ってみて、今はそう思います。
自社の得意先であれば、つまり仕入れ先や販売先は、ハードルが高いとの意識はありません。そう感じてしまうと商売になりません。銀行も他の企業と同様に、仕事で付き合う得意先の一つなのです。むしろ特別でとても大事な取引先です。逆に銀行からみたら、預かったお金を運用するために、取引先(融資先)企業は得意先なのです。ビジネスをする上で両者の立場は対等なのです。
それでは社会性の面で銀行(金融機関)とは、どのような存在なのでしょうか。簡単にいうと、銀行法に則ってお金を集め融資する金融機関のことです。政府機関である金融庁の管轄となり、国との関係も深いことが分かります。その金融庁が金融機関をチェックする点を調べてみると、次のようなものです。健全な中小企業に円滑に資金提供を行っているか。融資先の経営実態の把握に努め、きめ細かな経営相談を通じて、積極的に事業再生に取り組んでいるか。融資先の安全性の自己評価が行われているか。以上3つです。
つまり銀行には法令のしばりがあることから、我々企業には評価で厳しい面もありますが、取引先企業の経営実態の把握に努め、健全な事業再生を目指す中小企業に、円滑に資金提供を行っているのです。違う側面は、銀行はお金を扱うプロ集団です。全国ネットワークを持つ都市銀行(メガバンク)には膨大なビジネス情報が集積されていて、中小企業にとっては頼りになるシンクタンクともいえます。
企業は資本金を調達して創業します。資本の資は、資で(もとで)とも読みます。身近な人から集めるお金です。しかしこの自己資本だけで運営するのは中々難しく、銀行から融資を受けて発展していくのが中小企業の実態です。この銀行からの資金調達を間接金融といいます。では直接金融とはなんでしょう。お金を借りたい人に対して、お金を貸す側が直接的に出資する取引です。例えば、企業が株式や債券を発行し、投資家が証券市場で購入することです。しかし厳しい指導や審査があり、この直接金融は中小企業には険しい道があります。
としたら我々は資金を得る道は、ほとんどが金融機関からということになります。だからこそ間接金融である銀行を大事にしなくてはならないのです。大事にするとは、企業からの銀行への情報発信です。それも日常的な発信です。会社の業績が良い時はどの経営者も、胸を張って銀行と話しができますが、業績が悪化している時や悩ましい問題を抱えていると、銀行と距離を置いてしまいます。これは日常的な情報発信ではありません。ピンチの時にこそ、銀行には早め早めに行くべきです。相手の立場に立てば当然のことと理解できますが、突然では手の打ちようがありません。
無借金経営を目指せという人がいます。それは理想ではありますが、企業永続の観点からしたら脆弱さも潜んでいるのではないでしょうか。盤石な企業になる為には、幾多の困難に直面して、社内の結束でそれを乗り越えていくようなや会社の底力が必要です。そして、むしろ借金があった方が銀行(第三者)からの定期的なチェックも受けられます。
銀行との付き合いについて、銀行はわが社のどこを見ているのかの観点で、私の体験を踏まえて次回以降書いていきます。その事柄については、個々に表題をつけて一つ一つ見ていきたいと思います。 ~次回に続く~
どこの会社の社長でも、自社の事業について語ってくれと言われれば、自信をもって語れるでしょう。それは自分の得意なフィールドだからです。銀行の人との話しは得意でない分野もあるからで、ハードルが高くなってしまうのではないでしょうか。私の苦手意識を分析してみると、一つは財務知識がなかったこと、もう一つは銀行と付き合いたくないのではなく付き合い方が分からなかったから。当時の自分を振り返ってみて、今はそう思います。
自社の得意先であれば、つまり仕入れ先や販売先は、ハードルが高いとの意識はありません。そう感じてしまうと商売になりません。銀行も他の企業と同様に、仕事で付き合う得意先の一つなのです。むしろ特別でとても大事な取引先です。逆に銀行からみたら、預かったお金を運用するために、取引先(融資先)企業は得意先なのです。ビジネスをする上で両者の立場は対等なのです。
それでは社会性の面で銀行(金融機関)とは、どのような存在なのでしょうか。簡単にいうと、銀行法に則ってお金を集め融資する金融機関のことです。政府機関である金融庁の管轄となり、国との関係も深いことが分かります。その金融庁が金融機関をチェックする点を調べてみると、次のようなものです。健全な中小企業に円滑に資金提供を行っているか。融資先の経営実態の把握に努め、きめ細かな経営相談を通じて、積極的に事業再生に取り組んでいるか。融資先の安全性の自己評価が行われているか。以上3つです。
つまり銀行には法令のしばりがあることから、我々企業には評価で厳しい面もありますが、取引先企業の経営実態の把握に努め、健全な事業再生を目指す中小企業に、円滑に資金提供を行っているのです。違う側面は、銀行はお金を扱うプロ集団です。全国ネットワークを持つ都市銀行(メガバンク)には膨大なビジネス情報が集積されていて、中小企業にとっては頼りになるシンクタンクともいえます。
企業は資本金を調達して創業します。資本の資は、資で(もとで)とも読みます。身近な人から集めるお金です。しかしこの自己資本だけで運営するのは中々難しく、銀行から融資を受けて発展していくのが中小企業の実態です。この銀行からの資金調達を間接金融といいます。では直接金融とはなんでしょう。お金を借りたい人に対して、お金を貸す側が直接的に出資する取引です。例えば、企業が株式や債券を発行し、投資家が証券市場で購入することです。しかし厳しい指導や審査があり、この直接金融は中小企業には険しい道があります。
としたら我々は資金を得る道は、ほとんどが金融機関からということになります。だからこそ間接金融である銀行を大事にしなくてはならないのです。大事にするとは、企業からの銀行への情報発信です。それも日常的な発信です。会社の業績が良い時はどの経営者も、胸を張って銀行と話しができますが、業績が悪化している時や悩ましい問題を抱えていると、銀行と距離を置いてしまいます。これは日常的な情報発信ではありません。ピンチの時にこそ、銀行には早め早めに行くべきです。相手の立場に立てば当然のことと理解できますが、突然では手の打ちようがありません。
無借金経営を目指せという人がいます。それは理想ではありますが、企業永続の観点からしたら脆弱さも潜んでいるのではないでしょうか。盤石な企業になる為には、幾多の困難に直面して、社内の結束でそれを乗り越えていくようなや会社の底力が必要です。そして、むしろ借金があった方が銀行(第三者)からの定期的なチェックも受けられます。
銀行との付き合いについて、銀行はわが社のどこを見ているのかの観点で、私の体験を踏まえて次回以降書いていきます。その事柄については、個々に表題をつけて一つ一つ見ていきたいと思います。 ~次回に続く~