梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

不思議な日

2007年02月26日 08時18分52秒 | Weblog
千葉工場では毎日朝礼をしていますがその後、先週の火曜日から、週一回の環境整備をすることにしました。現場職が主体で、時間は約20分使い、工場の中をブロックに分け、ローテーションで週毎に掃除をしていこうと決めました。

短い時間でしたが、やっただけの効果はありました。指示伝票や工具類を置く台、細かい製品を入れるカゴパレットなどの整理・整頓。また、そのブロックの床の掃き掃除や、要らない物の処分。全員でやると、気持ちが一つになり、見た目でも綺麗で後は爽快感が残ります。

ちょっと壊れた機械の予備部品や、当面使わなくなった道具とか、月日が経つとどうしてもこの手の物は溜まっていきます。この日も金物で何点か捨てることにしました。しかし捨てるといっても、最後は外部の引き取り業者に出すしかなく、当面は鉄製のバケットに入れておきます。これは中には非鉄も付いていますので、鉄としての評価は悪く、捨てる時に処分費用を請求されるかもしれません。

お昼頃、飛び込みでスクラップ屋さんが来ました。最初は素材を切断加工した後の、所謂鉄屑を欲しいと思い、既存の業者があるとお断りしたのですが、何でもよいので出せる物は引き取ると言うのです。それではと、例の鉄製のバケットの中身を見せたところ、値段を付けて買って行くと言うのです。正に渡りに船です。その上、工場裏に長年放置していた、レーザー切断機用の壊れた大きなコンプレッサーまで引き取ってくれるとのことでした。

ほぼ2トントラックに満載した業者は、若い社長と作業員一人でしたが、精算する為計量も必要なので会社に戻り、夕方代金を持参するとのことで帰りました。そこで私の迷いが生じました。信用して物は出したが、後で金を持って戻って来るとは言ったが、本当に戻って来るのかと。疑っては悪いとは思いつつ、そんな不安がよぎります。

二時間後、約束の時間よりも早く、約一万円の代金を持って戻って来ました。人に騙されないようにすることも必要ですが、信用することも大事だと思いました。彼は何度も頭を下げて帰って行きました。初対面の自分を信じてくれたのが、よほど嬉しかったのだと思います。

環境整備の初日に、処分したい物を持って行ってくれる人が、天から舞い込んで来た、不思議な日でした。
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社員募集(その2)

2007年02月19日 06時57分45秒 | Weblog
「七五三問題」という言葉があるそうです。中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割の人が、就職してから3年以内に最初に勤めた会社を辞めてしまうという問題だそうです。

企業の立場では「近頃の若者は我慢が足りず、簡単に辞め、何を考えているのか分からない」ということになり、新入社員の立場では「つまらない仕事ばかりさせられ、この先も我慢しないとやりたい仕事も出来ず、給料もあまり上がる見通しもない」と見切りをつけたということなのでしょう。これは単純に若者が我慢する力が弱くなったということではなく、近年の日本の成果主義導入と年功序列制度の“ねじれ”と言っている人がいます。

日本企業はバブル崩壊後、年功序列の賃金体系を維持することが困難となり、多くの企業は成果主義に切り替えました。しかし高い実績を出せば成果給として他者より優遇されますが、実態はそれほど極端に高い金額ではありません。更に実績を出さない限り大きな昇給は期待できず、しかも年次管理に基づく昇進昇格制度だけが年功序列賃金の残骸として残り、結果を出しても一段ずつしか上がっていきません。従って賃金は成果主義の名の下に容易に上がらず、昇進昇格は若い限り期待できないと言う二重の出口のない閉塞感に陥ったと指摘しています。

一方1~2年前から雇用環境は激変し、特に今若者は売り手市場です。転職のイメージも昔とは変わり、先ほどの「七五三問題」ではありませんが、今のうちに若くても責任を持たせてもらえる企業に転職して自分のキャリアを磨きたいと考えるのも当然です。

しかし若い新入社員が、仕事をしていく上で大事なことは一体何でしょうか。それは本人が、どんな仕事でも実力を付け、仕事を通して自らの自己を確立することであると私は思います。何年かはつまらなくきつい仕事であっても、本人が自ら進んで困難に挑戦してどれだけ自己を確立したかということが、社会人のスタートの段階では大切なのではないでしょうか。

故に単に将来の昇給の見込みがないとか、毎日の仕事がつまらないというような現実から少し逃避した職探しだけで終わると、自分にあった仕事をずっと探し続ける危険性もはらんでいます。

売り手市場である買い手市場であるという労使間の力関係は無視できませんが、少なくとも過去わが社において、長く買い手市場が続いた時代でも、傲慢な態度で社員募集をしたつもりはありません。常に企業と求職者は選ぶ権利は対等との思いで、そんな時でも応募者には会社は慎重に選んで下さいと言い続けました。

わが社では、物心両面の豊かさをこの会社で追求して下さいと、社員には言っています。「物」は言うまでなくお金つまり処遇となりますが、「心」とは仕事のやりがいとか自己の成長の喜びです。いずれにしても未来のわが社を担う人材を、また今いる社員の良きパートナーを求め、誠心誠意募集をしたいと思います。
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社員募集

2007年02月12日 19時59分53秒 | Weblog
この度社員を募集します。勿論今までもして来ましたが、今回は浦安事業所勤務の営業職と一般事務職を同時に募集します。その背景としては今般人事の配置換えもあり、欠員が出たのではなく、業務量増による増員募集となります。

今までの社員募集を振返って見ますと、その時代の雇用情勢や、広告をする媒体や、面接の仕方や、時々のわが社会社概況など、過去様々な変遷があり感慨深いものがあります。

私が社長となってから17年は過ぎますが、その間面接した人は、数だけで言いますと恐らく何百人となります。様々な失敗もしましたが、多くも学びました。人を見る目があるかどうか未だに自信はありませんが、採用したその人は社員となり評価はいずれ出てきますので、面接の時の押さえるべきポイントは大体分かるようになりました。

最近わが社は事業所も3ヵ所(葛西・浦安・成田)となり、職種にもよりますが地域によって応募状況の違いがあり、難しさを感じています。一つだけ言いますと、現場職の若手は、浦安地区はなかなか集りません。

考えて見ればこの地区には、浦安鉄鋼団地や物流団地があり、更に東京ディズニー関連企業もあるので、若者は要は売り手市場であることは間違いありません。しかしその為にも、他社に負けないような魅力ある企業に、わが社をしなくてはならないと考えるべきが筋なのかも知れません。

広告媒体や掲載内容も、時と場合によって切り替えなくてはなりません。過去わが社も種々色々な媒体で社員を採用して来ましたが、求職者はある意味時代を微妙に反映しますので、その読みが外れることも多々あります。

今回の営業職募集は、ある大手の求人雑誌社のインターネット検索サイトを利用することにしました。最近の求職者、特に営業はやはりこの手の転職サイト利用が圧倒的に多いらしく時代の合理性も感じます。

先週その会社が取材に来ました。そのサイトにわが社のPR広告(掲載期間は二週間)を出すので、その為です。一緒に一般事務職の求人雑誌の取材も兼ねていましたので、女性社員の写真も撮影することとなりました。前もって彼女達に説明していなかったのでブーイングが始まりました。

その結果は、雑誌は一週間後、サイトは二週間後に掲載されます。
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コミュニケーション

2007年02月05日 07時56分50秒 | Weblog
先週土曜日2/3、正社員ほぼ全員28名参加で、社内の研修会を行いました。研修会午後の後半は借りてきた研修用のビデオを見て、それについて四つのグループに分かれ討議し、グループごとの発表をして、社内のコミュニケーションについて考えてもらいました。

そのビデオ、はある中堅の電動工具メーカーが新商品の開発・製造を巡って、コミュニケーションの欠如により社内で大きなトラブルが発生した事例でした。担当者主人公の人間関係の悪さや基本的ないわゆる報連相の欠如が事の発端ですが、中間管理職や社長に至るまでのコミュニケーションの微妙な行き違いを、ドラマ仕立てでよく描かれている内容でした。

そのビデオは結論とすると、以下を挙げていました。
1.伝える側は注意深く、受け取る側はより注意深く、これがコミュニケーションの条件である。
2.誤って伝わったとか、言った言わないの問題が生じた場合は、明確な証拠がない限り、責任は情報を伝達した側にある。
3.「ひと言足りない」気くばりの無さが、コミュニケーションを悪くする。コミュニケーションをより良くするために「もうひと言伝えよ」。
4.命令を受ける側の第一の義務は、一言一句正確に聞き取ることである。
5.人間関係が悪いとコミュニケーションも悪くなる。しかし組織ではコミュニケーションが優先される。ゆえに個人的感情でコミュニケーションの糸を切ってはならない。

グループ討議とグループ発表の後は、全体で話し合いました。人間関係は良く出来るのか、その方法は、また良くする必要性はあるのか等が議論されました。更に、今後社内で我々が改善できるコミュニケーションについても話し合い確認しました。

正しい結論が出たかどうかは別として、社内でコミュニケーションについて全員で真剣に話し合ったことは意義があったと思います。人間関係の良し悪し(その人を好きか嫌いか)以前の問題ですが、もっとお互いを知る努力や、コミュニケーションはあらためて仕事として割り切る努力も大事です。

少なくともビデオの中で言っているように、コミュニケーションのルールとしては、伝える側は注意深くもうひと言伝える配慮と、受け取る側は一言一句正確に聞き取る注意深さは、基本中の基本であると思います。
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