梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

武士道の精神

2015年04月24日 19時16分24秒 | Weblog
(梅谷忠洋先生)

「私が演台に着く前に皆さんは拍手を止めてしまいます。ハイやり直し」「今の“こんにちは”の声は小さいですよ。ハイもう一度」。会場にいた約160名の参加者は、講師がいきなり強い口調でこのように言い出したので、驚き、唖然として、沈滞していたムードも一変しました。

「ハイ、やれば出来ますね!何でこんなことをやるのか。皆さん新入生です。会社の上司の人から見たらあなた達は注目されています。その時、上司に気分を悪くさせたら、何も出来ないダメな新人だと烙印を押されてしまいます。ですから溌剌としておくことです」

東鉄連と鉄鋼新聞社が共催して行なってきた、『鉄鋼新人・中堅社員教育講座』初日の座学が、4月15日に浦安鉄鋼団地の鉄鋼会館で開催されました。冒頭の講師は、この日最後の講演をされた梅谷忠洋先生です。先生は音楽家でありM&Uスクールの学長で、M&Uスクールとは潜在意識を勉強する学校です。この日のテーマは、“甦れ武士道精神”でした。わが社の社員が一人、去年に引き続き参加していました。

毎年行っているこの座学は改善点もあり、私としては、一日の講義がちょっと詰め込み過ぎではないかと感じています。朝9時20分に始まり夕方5時に終わるまで、入れ代わり立ち代わり6人以上の講師による講演が続き、受講者は終始受け身になっていて、午後など睡魔に襲われるのも無理ありません。

梅谷先生はそれを分かった上で、疲れて淀んでいた雰囲気を一新すべく皆さんへ活を入れ、叱咤激励の想いも入っていました。後は巧みな話法で、聴く側に立った話に終始され、90分はあっという間でした。一番後ろで私は聴講していましたが、殆どの受講者の背筋がピンと立ち、熱心に聴いている姿をしっかりと確認出来ました。

「この姿勢の良さは、武士道に繋がる。格好よさの、この格の字は、ただす(格す)と読む。私に注意されて、素直に皆さんは姿勢を格した。格好いいのです。武士道は格好がいいのです。皆さんも会社で、何があっても凛々しくして下さい」。梅谷先生は、こう繋げて行かれました。

「皆さん社員は、給料をもらう権利がある、しかし働く義務も生じる。逆に社長は、皆さんを働かせる権利がある、しかし給料を支払う義務も生じている。格好がいい武士は、この権利と義務があれば、先ず義務を励行したのです」。梅谷先生は、こうも説かれました。

「武士とはそもそも天皇に仕える、“さぶらう(侍・士)”からの由来。武士の仕事は、人を殺すことです。しかし、心から尊敬している人を守るために、抑止力として武力を身に付けました。武士道は、紳士たれの精神でもあります」。鉄鋼業界を背負って立つ、若い皆さんに勇気を与えて下さいました。
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鉄栄会の定時総会

2015年04月18日 13時14分24秒 | Weblog

昨日、第49回の江戸川鉄栄会の総会が開催されました。鉄栄会は正に江戸川区で商売をしていた鉄鋼業仲間27社が結集して、互いの親交を深め自社の発展を願って、昭和42年10月に誕生しました。そして再来年ですが、創立50周年を迎えます。

上部団体の東鉄連は、今年5月に創立60周年となります。東鉄連傘下の加盟9団体の記事を随時載せていくとのことで、江戸川鉄栄会として、先日業界紙の取材を受けました。5月19日の60周年記念式典に向けて、それらの記事によって祝賀ムードも盛り上がることでしょう。

「江戸川鉄栄会の特色は、どんなところですか」と、記者からの質問でした。私は当会の会長職を仰せつかって、5期目(1期2年)に入り、既に9年を経ています。自分でもこれ程長期になるとは思ってもいませんでしたが、そこで感じた事を私なりにお伝えしました。

「それぞれ会員の会社は決して規模は大きくない。しかし社長自らが現場や営業のトップで頑張っているところが多く、それがざっくばらんな話し合いができる素地になっている」「会社の生い立ちも同じ環境の中で、地元に根差して同じ品種を扱ってところも多いが、共存している」。

「年間の行事は、極力その会社の社員や家族が参加できるような催し物にしている」「働いている親の会社を知るチャンスになれば。また、家族があってこそ仕事ができる感謝に繋がっていく集いになれば」。会運営の想いも一緒に、記者にはお伝えしました。

このようなところが当会の特色ではないかと、昨日の総会時、挨拶として私は皆さんにお話しました。そして孫子の兵法の、「彼を知り己を知れば勝ちすなわち危うからず」を引用しました。他者を知り自分が分かれば、勝利は確かなものになる。故事として残っているのは、それ程、他者を知ることも自分を分かることも難しいのではないかと。

我々の商売や会社に置き換えると、他者とは業界でありライバルであり得意先かもしれませんし、自分とは経営者であれば社長自信であり会社の社員であるかもしれません。目の前に無いものを追い求めるより、先ずその両者を確りと把握する事が大切ではないかと。

私は、他者や自分・自社を知ることが、この会がベースであって欲しいと思います。会員会社の繁栄が、この会の発展に繋がって欲しいと願っています。

総会の余興として、京都のお茶屋のおかみさんをされている方(歌手でもある)に、“京都花街の歴史と文化”と題し講演をいただき、そして歌のライブを堪能しました。その後、懇親会に入りました。
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基盤の整備から

2015年04月11日 11時46分06秒 | Weblog
東鉄連の一日研修会で、大田区羽田にあるクロネコヤマトの“クロノゲート”を見学しました。巨大な物流ターミナルでした。クロノゲートの意味は、ギリシャ神話の時間の神「クロノス」と門・出入り口「ゲートウエイ」を組合せたものであり、新しい時間と空間を提供する物流の玄関とのこと。

ここだけで年間に捌く荷物は16億個だそうで、一日にすると438万個。それを聞いただけでも、圧倒されます。単に宅急便の荷捌き・発送だけではなく、一部家電製品の修理、医療器具の洗浄・メンテナンス、パンフやDMの印刷まで行なっています。

ヤマト運輸が、関東一円において宅配便のサービスを開始したのは昭和51年1月、初日の発送個数は11個。そのヤマト運輸は、平成9年11月に小笠原諸島で扱いを開始して、全国ネットワーク計画が完了した。と沿革にあります。

約40年間の歳月をかけて、巨大で且つ細やかな全国配送システムが完成したのです。この基盤が整備されているからこそ、現在クロノゲートで行われている付加価値の高いサービスを提供することも可能なのです。たった11個の荷物から挑戦した精神も、また見逃せません。

佐川急便とローソンは新会社を作って、コンビニエンスストアを拠点にする宅配サービスで業務提携する。とのニュースが最近流れました。店舗を拠点に、近くの消費者へコンビニの商品と宅配便を一緒に届けるネットワークを築き、高齢者や働く女性への利便性を高めるとのこと。

店舗の半径500メートル以内の配送範囲で、その店舗へ深夜自宅で受け取れなかった宅配便を取りに行ったり、逆に配達員にコンビニの弁当を宅配便と一緒に自宅に届けてもらったり、その際配達員は他の注文を受ける御用聞きの役割もする。そのようなものがサービス内容です。

今や生活インフラとなった、身近なコンビニをベースとするからこのサービスは可能です。クロネコヤマトと同様、基盤が整備されているからこそです。

以上は、我々の鉄鋼流通には全く関係が無い話でしょうか。確かに扱っている物も、量も、配送エリアも全く違います。しかしどのような商売においても、基盤を整備することは大事です。

例えばわが社のケースです。出来ない加工は外注先を駆使するとか在庫していない素材を他から調達するとか、そのネットワークを作ることは、引合いを下さったそのお客様の御用聞きになるためには絶対に必要です。

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第一回ボーリング大会

2015年04月04日 10時52分06秒 | Weblog

「この親睦会を社長のブログに載せてくれませんか」。社内で行われた第一回ボーリング大会に参加した社員から、そのような依頼がありました。素直な社長でありたいと思う私としては、素直に従いました。しかし何故社内でボーリング大会なのか、どうして第一回目なのか。

東鉄連では行事の活性化を色々目指してきましたが、社員や家族が参加出来る企画として、今年の1月に初めてのボーリング大会を開催しました。傘下の9団体から100名以上参加して、会社対抗や個人戦で腕を競い合いました。わが社も参加することとしました。

事前に社内では、予選会のような形で数名が練習を兼ねてボーリング場に行き、東鉄連には6名が参加しました。そして参加した若手の一人が、男子個人戦で約100名の中で、何と3位となり東鉄連で大いに梶哲の名前を売ってくれました。

来年の東鉄連大会ではより上位を狙おうと、社内でボーリングの人気が急上昇した訳です。社内の親睦行事としては、この時期はバーベキューを行うことになっていたのですが、皆の意向をとりまとめる形で今回のボーリング大会となりました。

一週間前の3月28日に、習志野ラウンドワンで開催されたボーリング大会には18名が参戦しました。私は始球式を仰せつかりました。ボーリングなんて何年振りでしょう。股関節も悪いし、2ヶ月前に足の甲にひびが入ったこともあり、始球式だけのつもりでした。

ところが、社員から無理がない範囲で参加してもらいたいとの言葉をもらってやり続け、結局は2ゲームをやり切ることが出来ました。人間にはやはり闘争心があるのです。下手なりにそれが芽生えてくる自分がいました。

重さや指が合わないのでボールを替えに行くと「社長!上手い下手は、道具(ボール)じゃないですから」とか、辛うじてストライクを取ると「社長!もっと豪快にピンを倒してくれないと」とかの声が飛び交いました。

普段の仕事ではこのようなストレートな声掛けは絶対ないでしょう。仕事オフだからこその、本来の親しさを実感しました。ボーリングが終わり、近くのサッポロビールの千葉ビール園に移動して、美味しいビールを飲み、かつ豪快にジンギスカンを食べました。
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