梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

近況/職場の変化(その2)

2024年07月27日 04時38分20秒 | Weblog
障害者GH(グループホーム)とは、一言で表すとすれば、「障害者向けの支援付シェアハウス」です。日本の社会福祉には、高齢者福祉(介護保険法による)、児童福祉(児童福祉法による)、障害者福祉(障害者総合支援法による)があります。そのサービスは、自宅での支援、事業所での支援、住まいの支援となります。

あらためて障害者GHは、障害者福祉の中の住まいの支援「共同生活援助」となります。一般的にGHというと、高齢者向けの認知症GHがイメージされがちですが、これとは法律も財源も対象者も異なります。この障害者GHは、様々な方が利用しています。例えば次のような方々、一人暮らしを目指して生活のトレーニングをしたい方、家族がいなくなり一人きりになってしまった方、病院を退院して行き先がない方、家族も障害を持っていて家族での生活が困難な方、等々です。

利用者(入居者)は、費用負担をほとんどせずに、支援を受けながら生活できる。事業者(運営者)は、利用者からサービス料を徴収しなくても、税金を財源とした給付報酬(売上)が得られる。これが両者のメリットです。使用できる物件には、一般的な戸建て住宅、アパート、マンションなど。スタッフが常駐したり、定期的に訪れたりして必要な支援を行います。利用者は、日中は仕事や日中活動サービスに出かけ、夕方に戻りまた翌朝に出掛けます。まさに家の代わり、シェアハウスのような場所です。

因みに、平成23年から令和元年までの障害者の推移です。身体障害者数386万人→436万人、知的障害者数62万人→108万人、精神障害者数287万人→419万人。この数字が示すように、平成28年に約78万人だった障害福祉サービス全体の利用者数は、令和2年には約90万人となり、わずか4年で約12万人も増加しています。ここ数年障害者GHが急増していますが、全国的にはまだ足りていないのが現状です。

このような障害者GHを、私が一年二ヶ月働いた施設の代表が新設しました。そこのデイサービスの施設に従来のGHから通所する利用者は、必ずしも恵まれているGHに居るわけではなく、代表は以前から肌で感じていました。食事は宅配の冷凍食品を解凍しただけで、職員は利用者と一緒に食卓にも着かない。利用者側にも問題はあるかもしれませんが、職員と会話がなく利用者は部屋に閉じこもってしまうだけ。代表は施設に長年通所する、今の利用者に、「アットホームで且つ規律が保てるGHを提供できないか」との想いがつのっていました。

今年の初めです。毎月一回職員が集まって会議を行いますが、その席上で代表より、「皆さんの近くで空き家物件があったら教えて下さい」との話がありました。私自身普段空き家など関心がなく、自宅の近くで通り過ごしていた所に、何と空き家らしき一軒(廃屋に近い)がありました。代表に伝えると、市川市役所に掛け合い、その物件より有利な戸建て住宅を紹介されました(実際に動いてくれるのは県から委託を受けた支援ワーカー)。

障害者GHが運営されていた所で、事情があって今年3月で出て行くとの好物件でした。既にGHとしての設備は全て整っているので、居抜きで使えます。話しはとんとん拍子で進み、不動産の家主さんとスムーズに賃貸契約も結べ、行政への申請のやり取りは時間を要しましたが、めでたく7月開所にこぎ着けました。事業所の審査は、煩雑で厳しいものがありますが、自治体の財源(税金)を給付する形なので当然の要請となります。

その新設のGH職員(世話人)は、デイサービスをしている施設の職員から募ることになったので、私は手を挙げました。その理由は、新設のGHが私の自宅から歩いて5~6分で。従来の施設に通うより(片道通勤時間約45分)、よっぽど近かったからに他なりません。結局、私はGHの管理責任者として任命されることになりました。経験が浅い私を、代表が指名してくれたことはとても感謝しています。

具体的な勤務内容です。昼間利用者はいませんので、夕方4時に入り翌朝9時までの、いわゆる宿直です。世話人1名で4名の利用者(現在2名)の援助をします。他に世話人がいますので、私は週3日の当直(週労40時間)となります。身体障害者(知的・精神障害者のみ)はいませんので、夜間のトイレなどの介助はなく、深夜~明方3回の見回りはありますが、何もなければ普通に寝ることはできます。しかし朝夕の食事の提供や施設の掃除そして生活支援も行います。一人なのでデイサービスと違い自由度はありますが、逆に責任の重さを感ずるようになりました。

このように、新たな職場での私の勤務となりました。実はもう一人GHを希望していた利用者の方がいましが、入所も叶わず、悲しい結末となってしまいました。   ~次回に続く~

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