![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/6f/33/e37cfedc1751f27988090d8a8e973516_s.jpg)
わが社には創立記念日のような、毎年巡ってくる特別な日はありませんでした。昭和27年の11月に、先代が創業したことは確かです。しかし一人だけの個人商店でしたので、創業日が「いつか」は特定出来なかったのかもしれません。
前回書きました経緯を以て、今年から11月22日を梶哲の記念日としました。今年この日は土曜でしたので、26日の日に昼休み社員全員でお弁当を食べて記念日を祝い、生憎26日が雨でしたので、翌日屋外にあるモニュメントを皆で綺麗に磨きました。
このモニュメントを見ていると、60周年行事の半年間の準備のことが蘇ります。実行委員が行なっていく企画や運営についてどうするか、社員全員参加の余興についてはどうするか、私の立場や心構えを決めなくてはいけなかったことです。
社員にしてみれば対外的に行なうことは、大変な負担が掛かることです。私は、初めから全員が賛同してくれるとは考えていませんでした。決定してから皆が行動に移すまでは時間は必要だと思っていまたし、中途半端に口を挟めば本来持っているやる気を喪失させます。実行委員に極力任せること。むしろ私が、それをじっと見守れるかでした。
やらされ感を無くすのは、社員が楽しんで能動的に動くことです。特に余興についてはそれが表れると捉え、普段偉そうなことを言ってくる社長をぎゃふんと言わせる位の雰囲気が必要だと思っていました。余興は私も参加しましたが、役回りや演技は一切社員に従い言われたことに逆らわない。結局は社長の私が、恥や外聞を捨て切れるかでした。
実際、何も言わず黙ることは“言うは易く行うは難し” でしたが、それに応えるように社員がアイデアを豊富に出してくれました。私としての一番大事な仕事は、社員に任せた以上は、最後は責任を取ること。そのようなことを、私自身が勉強しました。
去年60周年行事を行なって、それから一年が経ちました。結果はどうであれ、事を起こして皆で成し遂げたことの確証は残りました。“為せば成る なさねばならぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり”、それが心に刻まれた、その意味ではやはり心の記念日です。