梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

ツマヲカエマス!?

2015年05月30日 09時36分24秒 | Weblog

スマホを買いました。長らくガラケーだけで頑張ってきましたが、ようやく買いました。家族同士でラインをやっているので妻からはだいぶ前から買うように催促されていましたし、またある勉強会で用語や意味などを直ぐに検索する必要性に迫られました。

妻に促されてもなかなかスマホを買わなかった理由は、一言でいえば「慣れないスマホを使うのは、ちょっと面倒くさい」でした。当然携帯電話は持っていますし、持ち運びが出来る範囲のパソコンもありましたので、不自由はさほど感じていませんでした。

スマホを買った直後の、その月一回開催される、一泊二日の勉強会で事が起こりました。しっかりと初日の朝まで持っていた携帯電話が、いくら探しても見つからなくなりました。何処かに落としていたとしても、講義室や宿舎では誰かが拾ってくれるはずです。

翌日になっても出て来ません。諦めかけて念の為、初日に履いてきたズボンのポケットを調べたら、何と有るではありませんか。初日講義が始まる前にズボンを履き替えて、携帯をその勉強用のズボンのポケットに仕舞い込んだと、私は信じてしまっていたのです。

新たに手にしたスマホに、気が獲られていたのです。意識が向かっていなかった携帯に、逆に愛想をつかされて、私は捨てられたのかもしれません。これで携帯が出て来なかったら、もう探すのも諦めようかと思っていました。

スマホを買ったばかりで、使い慣れず、その操作については苦戦していました。携帯電話を丸一日失った状態になり、携帯が無くても、スマホを使いこなそうとする腹が決まったように感じました。“捨てて得るものがあった”です。

考えてみるとスマホの便利さは大です。携帯電話の通話やメールは、スマホは包括しています。またスマホは、パソコン機能も付帯しています。外出時であれば、スマホ一つで用が足りる訳です。携帯は、今後持たなくてもよいかもしれません。

一ヶ月まえの勉強会で、前述した理由でスマホを買う決心をしました。皆の前で、「この際、環境を整える為にスマホを買います!」と宣言しました。ところがどうした訳か「この際、環境を整える為妻を替えます!」と皆は聞き間違ったようで、爆笑が起こりました。

「スマホヲカイマス」より「ツマヲカエマス」。皆さんには、私がスマホを買うことより、妻を替えることの方が身近に感じたようです。
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東鉄連60周年(その2)

2015年05月23日 06時50分28秒 | Weblog

開会直前まで、式典に出席される皆さんの席次の調整に追われました。祝賀会では、座ってコース料理を食べながら懇談する為に、テーブル毎の席を決めなくてはなりませんでした。出席者おおよそ280名を、33テーブルに分ける作業です。来賓の方も多く、一番苦慮しました。

一週間前の常任理事会で席の大枠は決まっていましたが、それこそ当日まで、新たな出席者とキャンセル者が続きました。式場では皆さんに最新の席表を配る都合上、事務局は印刷するのを当日の午前中ギリギリまで待ちました。そして午後、会場である錦糸町の東武ホテルレバント東京に持ち込みました。

午後2時より、リハーサル開始です。正副会長、地区9団体の会長に集まってもらって、本番で行うことを、頭から実際にやってチェックします。ホテル側が担当する、音響や照明も何回もダメ出しをします。あっと言う間に時間が過ぎますが、手抜きは許されません。

リハーサルが終わった頃には、我々も緊張感と共に高揚感が湧き出てきて、後は一気に本番突入です。今まで準備してきた成果が発揮されるか、ここでジタバタしても始まりません。150名が出席した40分程の定時総会を挟んで、幾らか冷静を取り戻りました。

開式20分前の、5時40分に正副会長4人が入り口で立礼。皆様を迎え入れました。我々以外大方入り切った後に、会場に入り自分達の席に付きます。280名が揃った会場は、正に圧巻でした。

開式に先立ち全員で国家を斉唱しました。斉唱が終わり、「只今より、東京鉄鋼販売業連合会創立60周年記念式典並びに祝賀会を開催致します。昭和30年5月20日、業界の取引健全化を目指し、京橋鉄友会、本所鉄交会、神田鉄栄会、の三地区団体の協議機関として東京都鉄鋼取引改善委員会が発足しました。これが東鉄連の前身となり、明日で丁度60年を迎えます」「私は本日の司会を仰せつかりました、咲さくらと申します。どうぞよろしくお願い致します」。遂にスタートしました。

その後の内容につきましては割愛します。大きなミスも無く、予定時間内に終わった事だけは事実です。裏方として、私の弟そして息子の手を借りました。“60年を振り返って”のスライドと、記録を残す為のビデオ撮影です。

60年に一度の東鉄連の事業に関われたことは、私としては何よりも幸運でした。
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東鉄連60周年

2015年05月16日 08時50分31秒 | Weblog
何をするにも、“何の為に”との目的をしっかり持つことが大事です。しかし10年毎の周年行事となると、この目的の明確化は少し薄れてしまうかもしれません。がしかし、60周年となると話は違います。60年に一回の行事の特色を出さなくてはなりません。

東京鉄鋼販売業連合会が、創立60周年を迎えます。その記念式典及び祝賀会を、5月19日に開催することになっていて、目前に迫っています。私はその実行委員長を仰せつかっていますので、今現在は、慌ただしく詰めの仕事をしております。

昭和30年5月20日、業界の取引健全化を目指し、京橋鉄友会と本所鉄交会と神田鉄栄会の三地区団体の協議機関として、「東京都鉄鋼取引改善委員会」が発足しました。これが、東鉄連の前身となり、式典の翌日に60年を迎えます。

東鉄連は4月から年度が代わります。この年度中に冠事業として式典・祝賀会の他に、二つの事業を企画しています。一つは今年11月に行う「海外視察研修旅行会」、もう一つは同じく今年12月に「世界的な記録に挑戦」する企画です。これらについては、またお伝えする機会があると思います。

東鉄連には副会長が3人おり、三つの冠事業の実行委員長を、それぞれの副会長が担当することになり、その口火を式典・祝賀会が切ることになります。半年前の去年の10月頃より、準備を初めて、ようやく開催直前まで辿り着きました。

毎年行われている定時総会をその式典の直前に行いますが、当初より式典に参加者がどれ程集まるかが、一番気掛かりでした。会員に案内を出して、返信の締め切りを4月上旬に設定しましたが、その段階では200名にも満たない状況でした。

東鉄連傘下の地区9団体ごとに働き掛け、締め切りを過ぎて返事が届いたのも併せ、来賓者も合計すると、275名もの参加者に達しました。300名を目指しましたが、ホテル会場などの環境を考えると、程良い人数となりました。

わが社の60周年行事を、私は一年半前に経験しております。式典や祝賀会で行われる内容は共通するものもありますが、業界団体の60周年行事となると趣が異なります。何の為にするか、誰の為にするのか。この誰の為には、企業のものであれば長年のお取引先となりますが、東鉄連は我々の為が主となるでしょう。

わが社の60周年行事も、多くの紆余曲折がありました。それこそ当日までハラハラドキドキの連続でした。いずれにしましても、東鉄連60周年も19日には本番を迎えます。
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頭を下げずに

2015年05月09日 06時05分16秒 | Weblog
「一生懸命頭を下げるほど契約は遠ざかる」「嫌われていることばかりを恐れている今までの営業常識」「お客は営業マンの身だしなみなど眼中にない」「お辞儀は自らを不利な立場とする負の儀式である」、こんな見出しが並びます。

おおよそ、特に日本人は礼儀・礼節を重んずる国民なので、この見出しには違和感を覚えるかもしれません。通常、営業マンは先ず身だしなみを整え、礼儀や作法を身に付けて、お客様のところへ行くことを教え込まれます。

自分の常識を疑ってみる、違う考えも受け入れてみて判断することを、最近心掛けようとしている私は、新聞の広告で“おじぎをやめると驚くほどラクに売れる!”のサブタイトルが目に止まり、その本を買いました。

導入部分は、頭をペコペコ下げていることが自分を卑屈にしている、との主旨でした。本を読み出して、とは言うものの礼儀も大事ではないかとの疑問が、頭をもたげます。ならば頭を下げずに、何が大事なのか。そこがとても気になるところです。

「相手は最初の挨拶で、あなたが信用できる人かを瞬時に判定している」「従って、せいぜいお辞儀は10度位で止めて、相手を終始目ぢからを持って見なさい」「むしろペコペコすることは、営業マンの売りたい欲を見透かされます」、と断言します。

著者は元菓子職人で、人との交流を絶つために職人の道を選びます。その後本物の人間嫌いが、本人の勘違いがもとで突然営業マンになって、当然営業ができる訳もなく、お客が怖く近寄ることも言葉を交わすことさえできずにいた。と、過去を振り返ります。

その大会社でのセールスの成績は2500名いる中で、ビリだったそうです。それから、全国一位を獲得するまでになったその理由はただ一つ、「おじぎをやめたから」。「そんなバカな、と思われるかも知れませんが、事実です」、と本人は言います。

丁寧にお辞儀をすれば、営業マンとしては大丈夫である。真の意味も追及せず、習慣化していることは多々あります。その警告かも知れません。著者はその体験を通して、頭を下げずに「時短」で商品を売るメソッドを作り上げ、全国でセミナーを開催し啓蒙活動をしています。

本のタイトルは『頭を下げずに「時短」で商品を売る方法』、著者は五丈凛華。興味のある方は本を買い求め下さい。これまでの話しで、単なるハウツー本と捉えるなら買う必要もないでしょう。私自身は、半信半疑で本を手にしましたが、読み終わって固定観念を疑ってみる切っ掛けとなっています。
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武士道の精神(その2)

2015年05月02日 10時28分26秒 | Weblog
二日間の東鉄連『鉄鋼新人・中堅社員教育講座』が終わった、翌週のことです。わが社で今年参加した社員と去年参加した社員と、私とで飲み会を開きました。去年参加した社員とは、その直後に機会がなかったからです。目的は、二日間の慰労と講座の感想を聞く為でした。

一日目、座学の二人の感想です。「それぞれの話しは興味があるが、統一性がない」「詰め込み過ぎで、頭が混乱した」「受講者同士話したかったが、話せるムードでは無かった」「会社名も名前も分からないので、声も掛けられなかった」。

二日目、新日鉄住金鹿島製鉄所工場見学の二人の感想です。「製鉄所の大きさに驚き、面白かった」「見学は実質二時間強、もう少し時間を掛けて欲しい」「バスの中で席が近くの人とも、話せる雰囲気ではなかった」「初日自己紹介の場などがあれば、バス車中で親しくなれたのかもしれない」。

因みに東鉄連でも講座を終えてアンケートを取っています。回答率は60%位でしょうか、今回も二人と同じような内容でした。しかしこのアンケート結果が、次回以降にどれだけ反映されて、生かされているかです。

梅谷先生は、初日の講義の最中、「ここに社長は居ますか?」と質問をされました。午後一番の講義を受け持った我々鉄鋼流通業の社長と、私だけの手しか挙がりません。実は、私は先生の勉強会を通して長年師事しています。今回は講師として、私がお願いをしていましたので、当然私はそこに居た訳です。

午前中は鉄鋼メーカーや商社の役員が講演し、午後一番その鉄鋼流通業の社長が講演しました。そこまでは何名かの社長は居ましたが、その後皆帰ってしまいました。先生の質問の意図は、会社の将来を担う大切な新人を参加させている、講座の内容を社長自ら全て把握していますか、とのことです。

厳しく言えば、「経営者の皆さん、社員を行かせておけば何とかなる」の考えは間違っています、との指摘です。私はこのご指摘に、深く反省しました。52回にも及ぶ講座を、ある時期から、東鉄連の事務局に任せきりにしてきたことです。

アンケートは取ることが目的ではなく、主催者が改善して試行錯誤しながら実行することです。毎年一回だけの参加受講者が、その切っ掛けを伝えてくれているのです。

先生は講義の冒頭に、叱咤激励の想いを込め、受講生の姿勢を注意されました。受講生は素直に姿勢を格(ただ)しました。武士道は格好の良さが命です。今度は主催者側、つまり東鉄連の運営を司る、当然私も含め、理事が姿勢を格さなくてはなりません。
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