梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

人前で話すこと

2007年07月29日 10時59分19秒 | Weblog
前回はあらたまって文章を書くことについてお話しましが、今回は話すことについて少し触れたいと思います。話すことと言っても、会議とか会話は除外して、一人で人前で話すことに絞ります。

私は社内の朝礼では定期的に話しをしますが、最近は社外で話す機会も増えました。それも前もって分かっている場合と、突然に指名されて話すケースがありますが、当然のことながら突然の指名は困惑します。

皆さんはどうか分かりませんが、私は事前に分かっている場合は、必ず原稿を書きます。
しかし本番ではその原稿は原則見ません。何故なら前回のスピーチの極意で教えられたことですが、インパクトを考えると、聞いてもらっている人を見て話した方が伝わると思っているからです。

従って、原稿を書きそれを覚えなくてはならない作業が入るのですが、近頃はそれを無理に暗記することはしません。どうするかと言うと、読んではそらんじて、間を置いて何回か繰り返します。不思議なもので寝て一日経つと、自然と頭に入っていることもあります。

後は本番ですが、詰まったらメモを見ればいいや程度で、忠実に原稿通りに話すことには拘ってはいません。結果としてメモはお守りの様な物で、出す事は滅多にありません。

そんな訳で突然の指名は、準備も出来ず頭の中も真っ白になり、得意ではありません。急な指名で支離滅裂の話になり、恥ずかしい場面も暫しありました。本来私は上がり症だと思います。

もう一つ大事な事は、誰か熱心に話を聴いてくれている人を早く探すことです。人間は合い槌を打って、承認してくれる人が(ポーズでも)一人でもいるとホッとするものです。
スピーチは本来一方的なもので、反応を聴衆に言葉で聞けないところに辛さがあります。

いずれにしても、あらたまって文章を書くことも、人前で話すことも何事も訓練と思って取組んでいます。そろそろ私の歳になると気になる○○防止の、脳トレと捉えています。

会話の範疇になりますが、一番癒しとなるのは、「あれ」とか「それ」で、何とか通じる家庭での話です。
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文章を書くこと

2007年07月22日 09時37分57秒 | Weblog
文書を書くことを職業としている人は別として、普通の人は普段あまり文章を書く機会は、多くはないのではないでしょうか。

手紙や葉書を書く、電子メールを打つ、会社で報告書などを作成する、これ等も文章を書くことでしょうが、宛先は特定であったり形式なども決まっていたりそんなに書くこと自体難しいことではないように思います。

個人の日記も、本来人に見せる性質のものではないので、あまり文章にこだわったりはしないはずです。

私は一週間に一度、このブログを出すことで、いや応無しに文章を書く訓練をしています。それも公開しますので、毎回書く内容もさることながら、それこそてにをはまで悩みながら書いています。

しかしパソコンの出現により、私としてはそれ以前とそれ以後は、文章を書くことの辛さが劇的に変わりました。書き直しや挿入・添削がいとも簡単に出来るので、考えたまま出てきたまま、文章を書いていけるのは大いに助かります。

ある人からスピーチをする上での極意で、教わったことがありました。起承転結と、バリュー(価値)とインパクト(効果)が大切ですよと言われました。起承転結は説明するまでもありませんが、バリューとインパクトとは内容と表現との意味です。いくら話し方が上手でも、話の中身がよくないとその話は残らないとのことでした。

話すことと書くことはある意味共通しますので、文章を書くときも、私としてはこれを意識しています。しかしブログなどでは、起承転結を明確にすると話が堅くなるかもしれません。

話すことの話題に飛んでしまいましたが、私としては人前で話すことより、文章を書くことの方が得意です。なぜならば何回も書き直しが出来るからです。
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父の友人

2007年07月15日 11時46分10秒 | Weblog
83歳になる父の親友が、先日亡くなられました。父とは高校の時よりずっと一緒で、大学でも同じ相撲部に席を置き、父が17年前に急逝するまで約50年間親交は続きました。

その方の会社はアパレル関係、私の父は鉄鋼業と全く違う業種でしたが、経営に関しては当然共通の問題や悩みがあり、あらゆることを本当によく相談し合っていました。恐らく家族にも話せないことを共有し、互いに理解し合っていたと思います。

その方にも息子さんが一人いて家業を継いでおられ、私の父が死んで暫くたってから、その親子と私の弟も含め4人の勉強会が始まりました。その方は「梶から息子たちを見るように頼まれたと解釈している、経営者には電話一本で相談になってくれる人が、いないよりいた方がいいと思う」と仰ってくれました。

以来その勉強会は不定期ながら、その方が腎臓透析で長期入院するまで、12~13年間続きました(続けて頂きました)。始めた当初、私たちが悩み相談ごとを宿題として持ってこないので随分叱られました。問題が無い会社などないんだよと。

「5年間は先代のスタイルは変えてはいけない。まだ人望が無いあなた達には人はついて来ない」「兄弟仲がいいのは親の力であり、あなた達の努力ではない」など、厳しく言われた言葉は今も残っています。

どちらかと言うと経営のノウハウや具体論より、心の持ち方を多く教わりました。例えば何事にも感謝する気持ちや、目先の運・不運でじたばたするななど。会が終わって外に出てから、急いで何行もメモを取ることが度々でした。

何年も前にその会社は、中国の上海と青海に別法人を設立していましたが、まだお元気の頃その工場を見学に、一緒に同行させて頂きました。今となっては楽しい思い出ばかりですが、その方が一人でそれらをスタートさせたことを聞き、経営者の底力や若さの秘訣を垣間見たような気がしました。

父の死後何年も、その方から間接的に父の考えていたことを聞けました。また父に代わって、私たちを親身に見守ってくれたことはとても有難く、感謝の気持ちでいっぱいです。
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ある忠告

2007年07月08日 10時11分24秒 | Weblog
前にもこのブログ上で紹介させてもらいましたK氏に、私の所属する勉強会に講師として話をしてもらうことを依頼しました。

そのK氏とは、岩手県から15歳の時集団就職で上京して、人に言えない苦労をしながら現在社員百名を越す運送会社を育て上げ、他にも関連会社など手広く運営されている方です。3年前に社長は長男に譲ったものの、ご自身は私塾を去年開設し、ますます使命感を持ちチャレンジを続けています。

その塾とは、過去の社員教育や人との出会い自分の行き方などの集大成でもあり、後世に善いことは広めたい実践することの難しさを克服させたい、そんなK氏の強い願いが込められています。

その塾の研修は具体的には、公衆トイレの掃除とお茶や礼儀作法の習得で、ほぼ一日を費やします。ただしいくら私がこの紙面で説明しても、実際参加してみないと、何がその目的か成果かは、皆さんには分からないかもしれません。

しかし一つだけに絞ると、人間の傲慢と言うものはあらゆるものの障害になり、特に二代目三代目には、これが会社経営では大変危険だとK氏は訴えています。この塾はそんなものを取り除くチャンスにしてもらい、それより陰徳を積んだらどうかと説いているのです。

もし梶さんが事業などで、どうにも説明が付かない様なよい結果が出たとしたなら、それは過去に積んだ善い行いの成果ですよとK氏は仰います。長年やっている会社の周りの掃除はそれですねと言い切ります。(最近忙しく間引きしてあまりやっていない私の心にぐさりと来ました)

その講演の打合せを先週行なった際、K氏は私にこう言いました。「梶さんはもう勉強会など多く出ている時ではないです。自分の経験したよいことは世間に伝えなさい」「よいことは自分に溜めるのではなく、どこかいい出口から出しなさい。溜めるだけだと濁ります」

何かが私の心に届きました。これを聞いて、若手を集め勉強会などする気は毛頭ありませんが、身近な我が社の社員によいことを広めているかと言うと必ずしもそうではない、強要してはいけないという気持ちが先行していたのも事実です。

K氏曰く「よいことに理屈などありません!」
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新しい機械

2007年07月01日 12時27分29秒 | Weblog
6月21日の木曜日は大安でした。その日の朝、待望の新しいレーザー切断機が千葉工場に搬入されました。半年前に発注したものがやっと納入されました。

今回リプレースされる古い機械は、ぎりぎりまで稼動してくれたものの、この2~3ヶ月は故障で悩まされました。本来ならばもっと早く買い換えるべきでしたが、前日夕方夜間操業をセットして、その明け方までは何とか動いてくれました。

新しい機械の搬入とともに、古い機械は電源類を切り外し搬出することになるのですが、新旧の機械が同じレールの上で並んでいる姿は、ちょっと感動的でした。古い方には今までの慰労の念、新しい方にはこれからの期待感と、そんなものが込み上げて来ました。

納入業者から頂いた御祝いのお酒で、新旧の機械を清め、新しい方にはお米も供え、内輪だけでしたが安全操業祈願を行ないました。その後古い機械は解体しました。スクラップ業者に引き渡す前にトラックに乗る大きさまでバラさなければならず、そこまでは我が社が行ないました。これで見納めかと思うと不思議な心境でした。

新しい機械は、付帯設備の接続や本体の組み立て更に運転調整など、10日間近くを要し引き渡されましたが、現在問題はなく稼動しています。ガス溶断機と違いレーザー切断機は、冷却機器やコンプレサーなど付帯設備もあり、また本体にセットされている標準化制御も、実際現場での条件出しには時間を費やしました。

今回のは前のものに比べ、減価償却費は増加するものの、電気代やレーザーガスやメンテナンス費用はいずれも大幅に低減するので、そのメリットが期待されます。加えてこの機械は切断速度が向上する為、稼働率がアップし加工能力増が見込め採算面では大きく寄与することになります。

それよりも今後は、故障などでお客様に迷惑をお掛けしないことが、一番大切なことであると受け止めています。我が社の都合や、言い訳は、本来お客様には通用しません。何れにしても、お客様より受けた注文はしっかり履行し、お客様には納期や精度の面で満足して頂き、その結果としてはじめて我が社の収益があると思っています。
コメント (7)
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