梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

教団に学ぶ(その6)

2023年07月22日 05時44分13秒 | Weblog
毎週一回約50分の一対一のズーム講義を、6回受けてきた講師と対峙することになりました。その方は、仮称「親鸞聖人に学ぶ会」で長年講師を務めた方でした。その教団の正式名称が○○会であり、実態が分かったのは、ある本を読んだからです。『なぜ人はカルトに惹かれるのか/脱会支援の現場から』と題して、○○会の講師部の専従者として多くの人を入信させ、そして入信後12年目に脱会した方が書いた本でした。

個別ズーム講義は、講師からの説話と教団で作成している動画によるもので、ほぼ一方的なものでした。7回目の講義の直前に、私の方から質問があると伝えました。当日は講師から、私の質問を受けることから始めますとのことで、以下のやり取りとなりました。

私:この会は、正式名を伏せていますが、○○会ですか。講師:はい、そうです。私:○○会の私たちに対しての、最終目的は何ですか。講師:はい、世間で誤解されている教えを正すことです。例えば歎異抄と同じ趣旨です。私:それはどのようなことですか。講師:師の親鸞の教えが誤解されて、弟子の唯円(歎異抄を著わした)がなげき、それを正そうとしたのです。親鸞の弟子でさえ、勝手に異論を唱えたのです。

講師:今生きている現生の救いを説かず、死んだら極楽来世がお助けになると、言い出したのです。現在の伝統的な浄土真宗系宗派でもいえることです。戦前は、お寺に檀家たちを集め、住職が説法をして、お布施をもらっていました。しかし戦後はそのようなこともせず、檀家の誰かが死んだら、葬儀代がどうだとか戒名が幾らだとか、そのようなことばかりしている。○○会は元の精神に戻そうとしているのです。

私:この本(前出)を知っていますか。講師:知ってますが、どんな本ですか。私:○○会に入信して、最後はカルトの怖さを知り、脱会した方が書いた本です。講師:嘘が書かれています。私は梶さんには、親鸞の事しか話していませんが、梶さんどう捉えますか。おかしな話が出てくるまで、続けたら如何でしょう。

講師:勿論、その本を書いた方は知っています。彼は後輩でした。○○会とは違ったことをとなえ出したのです。阿弥陀仏は存在しないと言い出した。浄土真宗で、それはマズイでしょ。根本を否定してしまったのです。梶さん、それどう思いますか。私:その事実は知りませんし、すぐには判断付きません。しかしそれが真実だとしたら、マズイですね。

講師:私は彼のそこしか見ていません。彼がどんな人物なのか関心ありません。仮に著しく逸脱すれば、しかるべく行政が取り締まってくれると思います。彼は人を攻撃しました。彼には自身への期待もあり、自分が変わってしまったことは、これは理解できます。私は梶さんが親鸞の教えを正しく分かってくれるかどうか、だけなのです。私:それは伝わっています。

講師:○○会として、お金はあくまでもお布施として受け取っています。文化講座の形で行っている講習も、会費は取っていません。過去若干の会費をもらったことがありますが、無料が一番多く参加してくれます。会場費や講師の報酬を考慮してくれる聴講者が、多額の寄付をくれることもあり、それは気持ちのあらわれとして受け取っています。私:分かりました。次回もこの講義の日時は決まっていますが、続けるかどうか明日返事したいと思います。講師:はい、分かりました。 

翌日、講師に出した私のメールです。「昨日もありがとうございます。この講習を続けるか正直迷っています。しかし後は自分の勘に頼るようになりますが、中断させてもらいたく思います。本を読んで、過去○○会がカルト的な行いをしたことが頭に残ってしまいました。確かに現在は親鸞の教義の流布のなにものでもないことは、理解はしています。また当会に対して、個人的な批判や非難はありません。多くは書けませんが、私には拘束力が強いある会に入り中々脱会できなかった過去のトラウマもあります。『正しさ』について、自分自身で苦悶してみます。貴殿の卓越した人格をもっての誠心誠意の指導は伝わり、深く感謝しています」。

それに対する講師からの返信メールです。「梶様承知しました。後生の一大事ですから、いつでもお待ちしています。仏縁念じています」。

本書を読まなかったら、止めていなかったかもしれません。頭から決めつけてはいけないと考えつつ、最後は自分の価値観(私の拘り)で決めたのではとの思いも残りました。六回に亘り「教団に学ぶ」のテーマで書いてきました。思いもよらず、このような展開となりました。
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