梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

サービスを受ける(その1)

2019年02月23日 06時08分36秒 | Weblog
家族で入ったビュッフェレストランで、飲み物はフリードリンクを頼みました。注文をした男性と持ってくる女性が異なるせいか、間違えてドリンクを持ってきます。裏方のシステムがどうなっているのか分かりませんが、その間違えは何回か繰り返されました。

居酒屋のチェーン店に入って、最初のドリンクと食べ物は店員さんが受けてくれましたが、後はタッチパネルで入力注文して下さいと言われました。ドリンクは直ぐきましたが、中々食べ物が出てきません。10分位経って聞いてみますと、忘れていたとのこと。

深夜自宅まで歩けない距離ではなかったのですが、タクシーが見つかり乗車します。個人タクシーの運転手さんは無愛想に、「近くの車庫に帰るところだった」の一言。行く先を告げ少し話し掛けますが応答が無く、自宅まで行かずに途中で降りてしまいました。

外のサービスを受けて、最近このようことが続きました。普通に考えても、これではお客さんは気分を害します。お客さんによってはクレームをつけ、対応が悪ければ更にお客さんを怒らせてしまいます。それらの事象から、サービスをする側の兆候明察をしてみました。またもし私が、その提供する側だったらどうしたか考えてみました。

一つ目です。その女性はお客さんからそのテーブルで直に注文を受けないので、印象が残らないのでしょう。ビュッフェスタイルなので食事の注文を受ける仕事はなく、少なくとも注文を受ける人と持って来る人は同じにする。フリードリンクなので、間違っても持ち返っても、いずれ誰かが飲むとの雑な対応になっていることは明らかです。

二つ目です。店長らしき人が何かのキャンペーンの説明にテーブルに来て、私はその事を伝えました。「金曜日で今日は特に混んでいて、平日ならこのようなことは無く、すみません」この程度の詫びでした。これはお客さんの気持ちを逆なでします。お客さんの気持ちを収める為、私が店長なら、忘れた注文の物をサービス(無償で提供)します。

三つ目です。私はタクシー業界の法律や規程は詳しくは知りません。疲れていてやる気がないなら、お客さんを見落とした振りをして通り過ぎるか、あるいは迎車の表示にしておき堂々とやり過ごす。私が突然に手を挙げたので、運転集さんも習性で咄嗟に停まったのでしょうが、お客さんに途中で降りられて、本人自身も後味が悪いと思います。

“サービス”の意味をネットで調べてみると、『誰かのために何かを行うこと、他者の助けになること。無形の財や価値あるいは労役などを提供すること。奉仕、用役、尽力、提供』『経済用語におけるサービスは無形の財であり、顧客に利便性や満足を与える非物質的な価値である。サービスを提供する産業をサービス業という』、とあります。

サービスとは、お客さんがお金を出してその対価としてもらえる商品や労務以外の、満足感や効用性を高める為の、とても人的な奉仕とも言えます。人間が介在しますのでその人の気分やミスなども、受ける側からすると敏感に伝わってしまいます。

東京で早朝より雪が降っていた日のことです。私はスタッフが給油してくれるガソリンスタンドに行きました。「窓を拭きますか?」とスタッフに聞かれるので、「雪が降っているので拭かなくていいですよ!」と伝えました。給油が終わりレシートをもらう時に、「寒いので大変ですね」とその20歳代の彼に声を掛けたところ、「頑張ります!」と。何と清々しい反応でしょう。

私が彼に投げ掛けた言葉に、その彼の反応によって、逆に私が励まされた感じがしました。サービス業には、このような若者も従事しています。
~次回に続く~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

負荷をかける(その2)

2019年02月16日 10時19分27秒 | Weblog
陣馬山の山頂で私がザックから取り出したのは、日本酒が入った一升瓶です。事前に打ち合わせをして、昼食の食材を分担しました。私は或る物を持って行くと手を挙げましたが、「お酒を持って行く!」とのことは2人には伝えていたのです。

「山に持ってくる酒といえば、せいぜい四号瓶」と思ったそうです。私が一升瓶を取り出したので、2人はびっくりしたのです。このお酒は、私達の一年先輩が福島の会津若松で造り酒屋を営んでいて、実はそこのお酒です。我が家でお正月用として2本買い求めたものが1本残っていたので、2人に飲んでもらおうと思ったのです。

飲める量だけステンレスボトルに取り分けてもよかったのですが、迫力が違いますし、味も微妙に変ってしまいます。山で昼間からお酒を飲むことは控えなくてはなりませんが、これからは緩やかな下り坂、後は自己責任です。お酒は大半が残りましたが。

負荷をかける。その為に一週間前から毎日のウオーキングで、水が入った1.5㍑のペットボトル4本入れたザックを背負って訓練をしました。それだけでも足の筋肉がついたように感じで、一升瓶を背負って登れることができました。

仕事でもそうなのでしょうが、質においても量においても、自分が出来る範囲のことを同じようにやっているのでは、能力は向上しません。運動でもそうですが、身体を鍛えようとするなら、負荷をかけていかないと現状維持も儘なりません。

今回負荷をかけた6kは、特に階段の昇り降りでは応えました。仮に私の体重が6k重ければ、毎日こんな荷物を背負っていることになります。これは身体を鍛えている訳ではありませんし、太り過ぎは医学的には問題です。その後のウオーキングでも6kのザックを背負ってするのと背負わないとでは、負荷がなければこれほど楽に歩けることを改めて自覚しました。

話を登山に戻しまと、用意してくれていた昼食は鳥肉の鍋でした。沢山の野菜も入ったとても美味しい鍋でした。おしんこやチーズなど、酒のつまみまで準備してくれました。山に登って感じることですが、普段食べているものの味が違います。身体を動かし空気も違う場所で食べるからこそ、格別の味わいを体感するのでしょう。

昼食を堪能し360度のパノラマを満喫して、そして下山です。歩き出し30~40分で、ほろ酔い気分もすっかり醒めます。急な斜面は一部ありましたが、後はなだらかな尾根伝い、幅広い登山道をひたすら下って行きます。登山道をはさんで、右側は落葉広葉樹、左側は針葉樹です。左側の針葉樹は恐らく植林したものと思われます。

遂に車道がある集落に到着。残念ながらバスは出た後で、車道を30分くらい歩きJR線藤野駅に。この藤野駅から東京に向って二つ目の駅が今朝降りた高尾駅、更に二つ先が八王子駅となります。私達は八王子で電車を降りることにしました。

まだ時間は午後4時過ぎ、八王子の駅前の居酒屋で本日の反省会となりました。山を降りてからの反省会が、もう一つの楽しみです。他の2人からは、「今回のような初級から中級の下位の登山は、梶は問題なし」とのお墨付きをもらいました。

その居酒屋を出た時、あたりは真っ暗です。その上冷たい雨まで振り出しました。前日の天気予報では昼から雨でした。しかしリーダーからは、前日決行するとの連絡が入っていました。少なくとも雨に降られず登山を終えられ、何よりでした。朝自宅からスタートし夜無事帰宅して、万歩計は2万5千歩でした。

その飲み残したお酒はどうしたかと言いますと、一升瓶を入れてきた箱ごと、酒好きな1人に持ち帰ってもらいました。

山に持っていったお酒
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

負荷をかける(その1)

2019年02月09日 09時00分33秒 | Weblog


ここは陣馬山。八王子市と相模原市との境界にある標高855mの山の頂上です。広く平坦な頂上は360度の展望が広がっていて、そこには茶屋もあります。ここから尾根伝いに縦走すれば高尾山に辿りつけます。陣馬山の名は、戦国時代に北条氏と武田氏が対陣したことから陣張山とか陣場山と呼ばれ、後にこの名に収まったと伝えられています。

去年二回程山に登って身体も慣れてきて、それだけ終わってしまうのも惜しいので、大学時代の山登り仲間に話したところ2人が賛同し、3人でこの山に登ることになりました。

その2人に、当日喜んでもらおうとの目論見がありました。学生の頃からそうでしたが、パーティで山に登る時は共同装備なるものがあり、皆で分担し背負います。その共同装備とは、テント、ガスコンロと燃料、鍋、食器、食料などです。今回は勿論日帰りですので、昼の食料のみが共同となり、事前に打合せして他の2人が食料で、私は或る物を持って行くと手を挙げました。

その為に一週間前から、特別な訓練をしました。毎日ウオーキングをしていますが、水が入ったペットボトル4本入れたザックを背負って。1.5㍑が4本ですので、重さは6kとなります。毎日登っていた神社の階段は足腰にはズシリと応えました。

同じく学生の頃からですが、パーティで登る時は並ぶ順序がありました。リーダーは一番後ろ、サブリーダーは一番前。サブリーダーの後から、体力が弱い者から並ぶという隊列です。トップのサブリーダーは弱い者のペースに合せ、どこに足を置くか道を選びながら登らなくてはなりません。リーダーは後ろから全員を見守る役割があります。

さて一月下旬の、当日です。JR高尾駅で降りバスに乗り換えて登山口近くまで。車道をしばらく歩いていよいよ本番の登山です。事前にリーダーは決めていましたが、その彼から「梶トップをやってくれる?」、とのことになりました。

登山でずっと現役であった他の2人ですから、今回はてっきり私はセカンドだと思っていました。しかし同期であってもリーダーには絶対服従です。「了解!」。私はその一言です。健脚な2人が後から付いてくるとなると、プレッシャーを感じます。

私の歩幅は右足から出ようが左足から出ようがほぼ変りません。普通の階段を上り下りするのも全く問題はありません。しかし左足が右足に比べ3.5cm短く、左の股関節の可動域が正常の3割ほどですので、階段以上の段差を上ることは左足では出来ません。従って登山となると、勢い右足ばかりを使う結果となります。

登山口から陣馬山まで約450mの登りです。リーダーから、「ペースが速くない!?」と何回か言われましたが、自分ではあまり意識がありません。恐らく、早く頂上に着いてゆっくりしたいと、あせっていたのではないかと思います。

途中二回小休止をいれますが、左足太腿の筋肉がはってきて、寒いのでヒートテックのシャツを着たことがかえって裏目に出て、玉の様な汗が流れ出ます。登り始めて2時間弱で視界も開け、細い車道らしき道と合流して、遂に陣馬山の頂上に立ちました。

そこでランチタイムの大休止。頂上から雄大な富士山が見られるはずが、残念ながらその日はガスっていて見られませんでした。因みに“関東の富士見百景”に陣馬山は選ばれています。そんな頂上で食事の用意をし出し、私はその或る物をザックから取り出しますと、2人はびっくりします。 ~次回に続く~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大企業の傘下(その2)

2019年02月02日 10時51分00秒 | Weblog
孫達を待たせようやく夕食を開始して30分程経って、その女性の担当者から電話が入りました。「食事中なので長話は遠慮してもらい、電話を切ってもらったら!」と、向こうの彼女に聞こえるように電話を取った家内に伝えましたが、しばらく電話のやり取りは続きました。

電話が終わり家内に何の用件だったか聞けば、「今回削除する所を除き必要の箇所に絞っての見積となって、そこから値引きをしたが、最終上司の承諾を得ないといけない」との内容です。それは我々も承知していました。「明日書面にしてFAXを送ってもらいたい」と、家内は電話口でそう言っていました。

彼女からその返事があったのが2日後、それも電話だけで。当日追っかけて電話をする必要があったのか、FAXでとの依頼をどう受け止めたのか。うがった見方をすれば、「あなたのお話は、私達が以前他の業者を選んだことを責められてように感じる」と私が彼女に一言いった、その腹いせとも受け止めてしまいます。

しかしここは冷静に考えなければいけません。熱心なあまり彼女は回りが見えないかもしれません。そのような強引な営業をしていることを会社は知らないかもしれません。そう考えてみると、上司に会ってみたいと思うようになりました。

家内経由で彼女に伝えてもらい、私はその上司と会うこととなりました。前もっての電話で「担当の方が熱心のあまりか一方的であり、話を進めるかどうかにしても、お伝えしたいことがある」と、その上司の店長に伝えました。店長は早々に自宅に伺うと言われましたが、こちらからその営業所に出向くことにしました。

営業所に出向き彼女からどんな報告を受けているか、念のため店長に尋ねました。「他の業者に頼んだことを題材にして叱られた」と、そこまでの報告でした。遅刻したにも拘わらず我々の状況を配慮せず、長々と話し追い討ちをかけて電話してきたこと、その後の返事もおかしなこと、こちらからはっきりと店長に話しました。

続けて伝えしました。ハウスメーカーの傘下の会社であるのか、我々が施工したのだから、そのメンテを受けて当たり前の姿勢を感じてしまう。定期的なメンテの必要性は分かるが、見積を突然提示されても未だ我々に受け皿が無い。そのようなことを理解した上で営業の方は接してもらいたい。担当を替えてもらいたいのが主旨ではなく、引き続き彼女で構わない。

店長からは次のような返答がありました。営業の実態を把握していなかったことのお詫び。彼女に言って聞かせても直ぐには改善できないし、今後も打合せは続くので、失った信用の回復も含め自分が担当とさせてもらいたい。更に不要不急の箇所を見直し、再度見積を提出したい(その場で打合せしました)。

私は留守でしたが、数日後その店長は再見積書を自宅に届けに来てくれました。当初の見積から約30万円減額になっていました。無理な値引きが本来の目的ではありませんでしたので、その額面通りで承諾し工事の発注をしました。

ハウスメーカーが施工したその地域での物件は、その傘下のリフォームやメンテ業者は全て把握しています。従って、顧客のデータは全て揃っています。我々の商売では、新規の販路を探すことは大変な労力が必要となります。

私はその担当の女性の方を憎んではいません。発注する側の真理やデリケートな心情があることを、気付いていなければ仕方が無いことです。今回出しゃばったことをしたのかもしれませんが、誰も言わなければ気付かない落とし穴もあります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする