梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

瀬戸内の直島(その1)

2022年10月29日 05時38分49秒 | Weblog
「直島」と聞くとかすかな記憶が蘇ります。そこに三菱の精錬所があったことを思い出します。昔私が運送の取扱業に携わっていた時、直島にあった三菱金属鉱業(現:三菱マテリアル)に荷物を運んだことがあります。上京した岡山県の運送会社の帰り便で、荷物を依頼したことは確かですが、何処から積んで何の荷物だったか、もう覚えてはいません。

この直島へは、本州側からの車両は、岡山県の宇野港からフェリーで渡ることになります。香川県の高松港からのフェリーは50分かかりますが、宇野港からは20分です。岡山県に近い直島は香川県に属します。同じく香川県の、オリーブで有名な小豆島は直島の近くにあります。両島間の定期フェリーはなくとも、船をチャーターすれば45分の距離です。

今はもうありませんが、かつて宇野と高松を宇高連絡船が行き来していました。JRが国鉄だった時代、四国に鉄道で行く場合、宇野駅で宇高連絡船に乗り、瀬戸内海を渡り、四国の玄関高松駅に上陸して、四国の各地へ向かう列車に乗り換えていました。一時期は、客車も人を乗せたまま連絡船で運んでいました。

その宇高連絡船は、本州四国連絡橋の完成や瀬戸大橋線の開業により、1988年にその役目を終えます。私はこの宇高連絡船に今から50年前に乗ったことがあります。愛媛県側から石鎚山(四国・中国・九州地方で一番高い山)に登るためで、大学のワンダーフォーゲル部でメンバーは三人。宇高連絡船の船上で、食べたうどんの味はいまだに忘れられません。

さて前置きが長くなりましたが、この度、直島を訪れることになりました。学生の時に四国に渡ったその後、何回か四国へ訪れたことはあるものの、直島へは今回が初めてとなりました。目的は旅行です。行くことを決めたのは出発日の直前です。寝台列車でサンライズ号があります。東京発21:50分発、翌早朝岡山駅で14両の列車は半分に分かれ、先頭は高松へ後方は出雲へと向かいます。このサンライズに乗ることが長年の憧れでした。

10月11日から12月下旬まで全国旅行支援が始動することになり、この援助がもらえて、サンライズの予約が取れれば、家内と四国に旅行をしてみようとの話となりました。急遽大手旅行代理店を訪れたのは10月8日の土曜日の午後、出発希望日は一週間後の16日の日曜日でした。代理店のフロアには人が溢れています。旅行支援によって旅行したいと、にわかに皆を駆り立てているようでした。勿論私たちもその同朋です。相談窓口は四つありましたが順番待ちで40分待ちました。外からの電話が鳴り止まず、係員は全く対応出来ない状態です。

実は、当初私は直島に行くことを考えていませんでした。家内が土佐に行ったことがないので、そこは外せず、帰りは淡路島経由で戻る予定でした。サンライズ車中一泊、高知市一泊、淡路島一泊のプランでした。しかし家内が高松に行くなら、直島に行きたいとの強い希望。直島は「アートの島」だというのです。私は昔の記憶のまま、そんな直島を知りませんでした。

旅行代理店のフロアで順番を待っている間に、全体の計画が固まります。サンライズの予約が取れたとしても、直島の宿が確保できなければ意味が無く、スマホで急いで直島の宿を探し、海辺に建っている食事なしのゲストハウスが見つかり、何とか予約しました。16日発の寝台が取れなければ宿もキャンセルして、旅行自体も見合わせようと思っていました。

ようやく窓口に呼ばれて、プランを伝え、早速列車の手配が出来るかの検索をしてもらいました。結果、やはりツイン部屋は完売、B寝台「シングル」は喫煙の一室のみ、B寝台「ソロ」はまだ多少あるとのこと。迷わず喫煙室でも確保してもらい、私が「シングル」を使うことにして、煙草の匂いが嫌な家内は禁煙の「ソロ」使用としました。窓口の人は、人気の「シングル」が直前で確保できたことに驚いていました。

憧れのサンライズ関連のネットを何回も見ていますので、頭に刷り込まれています。編成中もっとも多く用意されているのがこの「シングル」。コンパクトな空間にベッドやテーブル、オーディオのコントロールパネルなどが使いやすくまとめられた1人用個室です。「ソロ」は格安に寝台の旅が楽しめるやはり1人用の個室です。部屋いっぱいがベッドとなり、天井は低いですが、子どもの頃に夢見た秘密基地のような雰囲気があります。

全国旅行支援は、代理店の窓口で申し込んだ段階では確約はありませんでした。しかし出発前に、宿泊代と旅費及び地域クーポンの、一人11,000円の補助金はもらえることが確定しました。このような経緯で旅が始まります。  ~次回に続く~

「シングル」

「ソロ」
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傾聴その後(その6)

2022年10月22日 06時14分04秒 | Weblog
ココナラでの実績は十数件の閲覧はありましたが、結局話し相手・愚痴相談の依頼はありませんでした。もっとも「待機中」のスイッチを、実態が分かってから、ほとんどオフにしていたことにもよります。しかしココナラに出品することで、T氏が行おとする事業を十分理解することができました。ココナラでは簡単に収入を得ることはできません。T氏から声を掛けてもらったことで、傾聴による報酬が現実味を帯びてきました。

T氏の会社の社名は、“Holistic(ホリスティック)”です。Holisticとは全体とか包括を意味するギリシア語のholosが語源であり、whole(全体)とかholly(神聖)などの言葉とも関連するようです。会社の設立趣意にも書かれていましたが、「人々が体と心の病を防止し健康を維持することができるように、総合的なソリューションを提供する」に繋がります。

Holisticの三つ目のサービス【相談・話し相手】のパートナーとして加わる女性とも、T氏を介し9月にお会いしました。10月に私の名刺が出来上がり手渡されます。IP電話を使って相談・話し相手となる仕事の、一分間幾らの報酬も取り決めて、業務委託契約も交わしました。営業開始が11月1日となりますので、私の11月の業務を受けられる時間帯のスケジュールも提出して、それが自前のWebサイトに掲示されるとのことです。

T氏にとって私の存在はどのようなものだったのでしょうか。7月に初対面で会って、私の方から傾聴の認定資格を持っていることを伝えたものの、協力者として一緒にやっていくことの懸念や不安はあったと思います。Holisticが提供する三つ目のサービスの対象は、一般的な悩みを持っている人や話し相手の少ない人(一人暮らしの高齢者など)です。私が直前に取得した高齢者傾聴スペシャリストの資格が、奇しくもマッチングしたことは事実です。

T氏からの信頼が得られるかは事業がスタートしてからでしょうが、Holisticの仕事は私にとっては、活用しない資格オタクにならずにすみそうです。また私は身近で起業する経験が得られます。T氏からは早い段階で、創業計画書と同時に損益計画書も見せてもらいました。Webサイト作成など外注していますので、既にT氏は先行投資をしています。委託業務なので、私からの持ち出しは一切ありません。ココナラと違って、Holisticが集客してくれることになります。 

新たな取り組みをしている最中、私の自宅の郵便受けに面白いチラシが入っていました(下に添付)。「悩み相談受付」と書かれたポスティングです。ココナラとは規模は違うのでしょうが、世間では悩みを聞いてもらいたいニーズはあるのでしょう。色々な傾聴ビジネスを垣間見ました。ユーキャンで資格を取った後、高齢者傾聴スペシャリスト協会という団体に入会しました。季刊の会報が届き、傾聴を生業としてる多くの人が投稿しています。そんな世界があることも知ります。

『悪魔の傾聴』という本を、最近読みました。著者はノンフィクションライターの中村淳彦という方です。介護や風俗などの現場でフィールドワークを行い、貧困化する日本の現実を可視化するために傾聴・執筆を続けている人です。悪魔の傾聴とは、「相手に最大限に自己開示をさせ、本音を引きだしまくる聞き方術」と本では定義しています。

中村氏は人物取材ライターとなって20年以上が経ち、取材した人数は3000人を超えます。ライターには資格も研修もないので、失敗を繰り返しながら、実践だけから「聞き手が必要最低限しかしゃべらない」悪魔の傾聴を導いたと語ります。この傾聴は相手に対して「~をしない」不作為の術が中心であり、「自分の話しをしない」「相手の話を否定しない」「自分の意見を言わない」「アドバイスをしない」であると断言します。

この本を読んでみると、認定資格を取った時の受講内容と一致する要点が多々あることを感じます。中村氏は傾聴の技術を実践だけから学んだと言いますが、行きつく本質は同じなのかもしれません。氏は、人には「話したい」「伝えたい」という願望があると言います。私も傾聴に興味をもって人と接する時に、強くそれを感じるようになりました。話したい人と聞ける人とのギャプに、ビジネスチャンスが潜んでいるように思います。

人は普段でも聞くことは行っています。毎日の日常の中に傾聴があります。しかし、中村氏は自分を限りなく無くす一回の傾聴は90分が限度だとも言っています。オン・オフの切り替えを使いこなしながら、傾聴を今後とも行っていきたいと思います。


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傾聴その後(その5)

2022年10月14日 12時46分24秒 | Weblog
ココナラを体験して感じたことです。一つはこのようなWebサイトがあったことの驚き、です。二つは登録手続きなど私にとっては難しく歳を実感した、です。三つは実際に出品しても簡単に収入は得られない、です。

一つ目の感じたことです。前述しましたが、ココナラはユーザー数約300万人、知識・スキル・経験を売買できる国内最大級のマーケットプレイスとのこと、存在すら知りませんでした。取りも直さず、私自身がこのようなサービスを必要としていなかったともいえます。仲介をすることで、売り手と買い手を直結させず、金銭の授受のトラブルも解消し、選択肢も豊富なシステムを構築したことで、ビジネスとして成立しています。

二つ目の感じたことです。出品をするにしても先ず登録しなくてはなりません。身分証明証の写真を送ったり、個人の銀行口座を入力したり厄介な手続きがあります。これをクリアすれば、私のダッシュボードが作られ、出品のカテゴリを決め、自己紹介やPRを掲示します。サービスを提供できる時間帯を設定して公開し、スタートになります。かなり時間を費やしましたが、若者なら説明画面を見ながら簡単にできるのでしょう。

三つ目の感じたことです。人の話を聞く出品にはカテゴリが沢山あります。大きな括りは「悩み相談・恋愛相談・話し相手」となりますが、それが細分化され、話し相手・愚痴相談、恋愛相談、心の悩み相談、対人関係の悩み相談、仕事・職場の悩み相談、体・健康の悩み相談、等々の小カテゴリとなります。人の話を聞く出品者は、全部で一万人は軽く超えるのではないでしょうか。私は、話し相手・愚痴相談の小カテゴリで出品しました。

利用者(買い手)は、カテゴリを選び、相談者の性別や料金などを絞り込む機能があり、その操作を行うと相談者(売り手)の一覧が出てきて、キャッチコピーを見比べ選択します。同じカテゴリで、私と同じ条件を限定してみるとざっと500人はいます。私はこの中から選ばれなければならないのです。検索上位に来るのは実績のみです。実績を地道に積み重ねるか奇抜なサービスを明記しない限り、簡単に収入は得られないことになります。

さて、あらためてT氏の事業構想です。設立趣旨は以下です。「近年体の健康と並行し心の健康を保てない人が増えていて、生涯を通じて5人に1人が心の病にかかると言われている。このような課題の解決のために、食事や運動、睡眠、心と体のケアなどについてアドバイスする取り組みが進められているが、それらのサービス間の連携は十分ではなく、個々人にカスタマイズもされていない。人々が体と心の病を防止し健康を維持することができるように、総合的なソリューションを提供する組織を設立する」。

経営理念は、「人々の健康維持・増進に貢献する。多くの人々が継続できるようなリーズナブルな価格で結果を提供する」です。ビジョンは、「人々の健康に関する漠然とした不安が取り除かれ、人生百年に向けて前向きに生きている。当社のサービスを受けたお客様が心身ともに健康で楽しい人生を過ごしている」です。

では、サービスの具体的な内容とは。【健康コンサルティング】健康の改善・向上を求めている人々に対して、現在の健康状態や生活(食や運動)の状況をヒアリングし、各分野の登録アドバイザーに相談しながら総合的で具体的な生活スタイルの提案書をオーダーメードで作成する。【ダイエットプログラム】健康な体を作りながら脂肪を落とす。健康コンサルティングと同様に健康状態や生活のヒアリングをした上で、食を中心とした体作りを提案・支援する。【相談・話し相手】一般的な悩みを持っている人、話し相手の少ない人(一人暮らしの高齢者など)の話し相手となる。IP電話を使って相談・話し相手サービスを提供する。

T氏は、市場ニーズや市場規模を踏まえた上で、マーケティング計画を立てています。ホームページの作成を専門業者に依頼し、検索上位に入る仕掛けをしてもらう。インスタグラム等のSNSで無料広告を行う。健康関連イベントに多数参加し、懇親会などで業務内容を記載した名刺を配り説明することで人脈を広げる。人口が密集して高齢者の多い地区でポスティングをしてみる。これらが当面の計画です。

T氏と私は、共同経営者ではありません。計画書についてT氏から意見を求められたことがありましたが、分からない箇所は質問させてもらう程度で、個人的な意見は差し控えました。コンセプトには共感しますが、私はあくまでも【相談・話し相手】の協力者の一人だと自覚しています。自前のWebサイトがほぼできあがり、創業は11月1日とのことです。結果が出なくともココナラでの体験が、これから役に立つと思います。  ~次回に続く~

 T氏の創業計画書
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傾聴その後(その4)

2022年10月08日 06時06分35秒 | Weblog
T氏と初めて会って交わした名刺を改めてよく見ると、肩書に「健康管理士」とあります。このような資格があるとは知りませんでした。健康管理士を調べてみると、検定試験の学習を通して、食・ストレス・運動など健康管理についての専門的な知識の習得を目指す、とあります。健康に対する正しい知識を身に付け、病気を未然に防ぐための生活指導を行う予防医学と健康管理を指導するスペシャリスト、とありました。

T氏は健康管理に以前から興味を持っていて、現会社で何がしかの役割を果たしていたのかもしれません。何回か会ってみた時に、起業する計画書を見せてもらいましたが、サービス内容には、1)健康コンサルティング、2)ダイエットプログラム、3)相談・話し相手、とありました。いずれも基本的には電話で受け答えするサービスですが、彼の得意な分野が一番にきていました。実際に会った時見せてもらった計画書の詳しい内容は後述しますが、今は順を追って話を進めます。

7月中旬に初対面で会ってから、暫くはメールで連絡を取り合いました。T氏は起業しようとする動機、私は傾聴の資格を取るに至った経緯、など互いにメール上でやり取りしました。それを経て、T氏より事業計画がおおよそまとまったとのことで、二度目に二人が会ったのは8月下旬です。再会する直前のメールの中で、出来れば私に事前に体験をしておいてもらいたいのが“ココナラ”の「悩み相談」であるとのことでした。

彼の事業のサービスの3)相談・話し相手は、このココナラを参考としているとの話もでました。「もうお一人の話し相手を担当してくれる方には、こちらで練習・様子見・ニーズを確認していただくために2か月間程度登録して体験(実際に報酬も得てもらう)ことをお願いしています。梶様も可能であればお願いできますでしょうか。私の事業の方はWeb サイト作成に時間がかかるため10月下旬位を開始と考えており、それまでとなります」。彼からのメールには、そうありました。

ここで、そのココナラとは何かの話しとなります。このようなサイトがあることを私は初めて知ります。ネット上で、売り買いを仲介するサイトでした。仲介者は株式会社ココナラ、Webサービスの開発・運営事業などを行う会社です。また「coconala」とは、同社が開発・運営している、「知識・スキル・経験」といった得意を売り買いできるスキルマーケットの名称。ユーザー数296万人(22年5月時点)を超え、知識・スキル・経験を売買できる国内最大級のマーケットプレイスに成長している。このようなものがあったのです。

“ネットでビジネス発注”“得意を売り買いスキルマーケット”などが、キャッチコピーです。会社のロゴやホームページや印刷を頼む、また個人レベルのニーズにも手軽に割安で応えてくれます。具体的に売り買いはどのように行われるかです。売り手はサービス出品者となり、買い手はサービス購入者となり、両者を結びつけていく形でネット上のWebココナラがあります。

出品者のメリットは、販売価格を自由に決められる、ココナラで集客してくれる、自宅で作業ができる、金銭(やり取りはココナラが代行するので)トラブルの心配なし、です。購入者のメリットは、コスパの良いサービスが豊富、ココナラが仲介してくれるので安心、相談・占いなどサービスの幅が広い、金銭トラブルの心配なし、です。出品者のデメリットは、すぐには売れない、手数料が高い、顧客の質が様々、です。購入者のデメリットは、出品者によってサービスの質が異なる、怪しい出品もある、です。

サービス出品者の価格ですが、悩み相談を電話で受けるなら、例えば一分100円でも200円でも自由に設定できます。ココナラでは販売価格に対して20%の手数料と税率をかけた価格が引かれますので、100円と設定すると出品者に支払われるのは、手数料と税率が引かれ78円になります。購入者が現れて売り買いが成立すれば、実績は時間計算され、ココナラが代金を購入者から徴収して、出品者にココナラから振込まれることになります。

以上が、私が調べたココナラの知識や情報です。T氏からは、「ココナラにはそれほど時間をかけずお試しくらいで構いわないけれど、可能なら会員登録して実際に出品して、実際に収入を得てみては」との提案でした。しかしながら自分でやろうとしたましたが、これが結構手間取りました。結局、T氏と会った時に教えてもらいながらスタートします。打合せは、8月下旬に二度目に会ってから既に5回ほど重ねています。ココナラで感じたことなども交え、T氏の事業構想もお伝えしたいと思います。    ~次回に続く~

 ココナラのサイト
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傾聴その後(その3)

2022年10月01日 05時05分50秒 | Weblog
ユーキャンの高齢者傾聴スペシャリスト、この認定資格を7月に取ろうとした前後から不思議なことが起こったと前回伝えました。それは偶然にも傾聴を通してこれから私が行いたい、具体的な事に関することであるとも話をしました。それは、ある方との出逢いから始まることになります。

わが社は長年、情報・人脈・ネットワークを構築し主に異業種交流を目的とする協同組合に入っています。長野に本部があり、新潟や山梨や東京にまたがって約260社が加盟している団体です。わが社は関東地区の会員で、主な地区活動は月一回から二回の例会開催です。経営、財務、労務、事業継承、健康問題、等々の分野で外部から講師を招いて、夕方7~8人の会員が集まり勉強会を継続しています。 

今年の7月の例会の講師は、中小企業診断士や経営管理博士(MBA)の資格を持つ方で、テーマは“AI・ITの進展から考える自社の成長、存在戦略”でした。講師は、成熟社会を迎えた日本の企業経営を憂い、革新的な示唆を提示してくれました。事前にこの講師の評判を聞いて、ある会員(以下H氏)が部外者である2人の友人を、当日連れてこられていました。

毎回例会の会場では講義が終わると、お弁当が出てビールで乾杯をして情報交換となります。その日は講師の話しがとても素晴らしく、皆さん興奮が覚めやらず例会が終わった後、講師も誘って二次会に行くことになりました。H氏とその友人2人も一緒でした。講師の方を中心に話は盛り上がりましたが、私の隣にそのH氏の友人の一人(以下T氏)が座っていて、その方とも少し話をしました。

T氏は60歳ちょっと前、建設コンサルタント業界の大手の会社に長く勤務してきたとのこと。一言一言、言葉を選び話され、慎重な性格が現れていました。そして近々起業したいとの話をされました。「話し相手ビジネス」であるとのことなのです。初対面ですし、講師の方が主役でしたので、それ以上話すことは出来ませんでした。傾聴に興味をもっている私のことはそこで出しませんでしたが、「話し相手ビジネス」が私の耳に残ってしまいました。

そのT氏を連れてこられた、H氏とは実は20年来の付き合いとなります。女性の方で、現在コーチングの仕事をされています。20年前主婦業から心機一転、猛勉強してコーチングの資格を取られました。私がH氏の初めてのクライアントだったそうです。私がこのブログを始めたのも、H氏にブログ講習会に誘われたことが切っ掛けとなりました。H氏もある方からの紹介ですが、縁からまた新たな縁が生じる不思議な因縁を感じます。

T氏の話しにその場で直ぐに乗らなかったもう一つの理由は、H氏の存在があるからです。T氏はH氏の友人ですので、私はこの段階でH氏を飛び越えることはできません。翌日H氏に連絡をして、私が傾聴の資格を持っているので、彼の起業するビジネスに興味があり、直に話をさせてもらいたい旨を伝えました。H氏は快くT氏に連絡を取ってくれて、後日T氏から私に直にメールが入りました。その内容は以下です。

『H氏から、私が梶様に少しお話しした起業の一分野の「話し相手ビジネス」について、梶さんがご対応いただけるかもしれないとの連絡を受けました。このビジネスは10月頃から先行して、人の話を聞ける友人女性(40代)にお願いして始めようと思っておりましたが、梶さんのような方がもう一人おられると幅広く格も高くなることは間違いありません。来月は会社での最後の海外出張が予定されていますが、9月にはWebサイトでの課金等を整備しようと思っております。このため、もし本当にご支援いただけそうであれば、9月にお会いして詳細を説明させていただき、ご納得いただける場合には契約をさせていただければと存じます。小さく始める第一歩でお客も取れるかどうかですが、そちらについてもご助言をいただければ幸いです』。

なんと偶然にも、傾聴においてこれから私が行いたい具体的な事に関することでした。「契約をさせていただければ」といわれても、とても嬉しい申し出ではありますが、T氏の構想はまだ詳しくは分かりませんので、再度お会いしてじっくり話をしてからと思いました。そしてH氏には、以降T氏と直接にやり取りする許しをもらいました。

いずれにしても、今後の成り行きはどうあれ、期せずして外からチャンスがもたらされた展開となりました。今年2月に傾聴サポーターの認定資格を取った後、場合によっては高齢者養護施設の傾聴の仕事を調べてみようと思った時期もあり、傾聴の仕事が具体化に向けて進みだしたように感じました。    ~次回に続く~
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