梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

会社寿命30年説 

2013年09月28日 10時34分39秒 | Weblog
私の知人や友人で会社を経営している人は少なからずいます。家業を継いでいる二代目・三代目の人もいれば、自分の代で創業している人もいます。大学のクラブの同期で、錦糸町で17年前に居酒屋を開業した友人がいます。

彼は大学を卒業して大手の水産会社に入社します。しかし15年程経って、輸入冷凍エビを扱っている社長に誘われ、水産会社を辞めて共同経営者的な存在となります。結局は、その社長とそりが合わずそこも辞めてしまいす。

その後、彼はやはり輸入エビを国内流通に販売する会社を自分で設立します。ある時期まで順調でしたが、為替の変動や国内景気の波によって段々と商売も先細りとなっていきます。そこで副業として末端消費者を狙った海産品販売を考えます。

まだわが社が葛西に本社倉庫が在った頃、週末シャッターが締まっている倉庫の軒下を、彼の海産品販売の場所として提供したこともありました。しかしいくら安くて美味しいものを提供しても、不定期開催や安定仕入れ在庫管理などがネックでした。

彼は、その販売で、バイトに来ていた板長を経験している人と出逢います。海鮮の仕入れでは長年の経験があり、美味しいものを末端消費者に提供いたい願望を抱いていた彼です。板長経験者を誘って海鮮居酒屋を開業したのも、自然の流れだったのでしょう。

この17年間も決して平坦な道ではありませんでした。JR錦糸町駅から歩いて3分と掛からない場所で、その後新手のお店が近くにどんどん参入して来ますので、お客を奪い合うことは日常茶飯事であったと思います。

実は彼は、今他の水産会社に勤務をしています。息子さんが実質その居酒屋さんを切り盛りしています。お店の採算が厳しい時期もあり、前の輸入エビの会社の食い込みもあったので、彼自身も他で収入を上げざるを得なかったのです。

その彼がしみじみ言いました。「二月は開店した月なので、毎年お店の従業員とバーベキューで内輪の御祝いをしているけれど、20周年になったら贔屓のお客さんを招いて何かしたい」と。  ~次回に続きます~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再び横須賀へ

2013年09月21日 05時57分33秒 | Weblog

勉強仲間から誘われて、海上自衛隊横須賀教育隊と防衛大学の見学ツアーに参加しました。東鉄連の研修会で、二週間前に横須賀軍港巡りクルーズに行ったばかりでしたので、軍港横須賀を再認識しまた。

「日本国籍を有していない方、80歳以上の方、未就学児の方、健脚ではない方のご参加はご遠慮下さい」とのふれ込みのパンフレットを、事前に勉強仲間から手渡され少し緊張を覚えました。当日は身分証明証持参との厳重なチェックです。

先ずは横須賀教育隊です。所在は三浦半島の相模湾側、葉山と三崎口の中間の小和田湾に面しています。自衛隊2等海士として新たに採用され練習員、一般海曹候補生及び公募海曹等の、教育訓練がそこでの任務、期間は約4か月です。

防水・防火の訓練場や短艇が係留されている岸壁を見学しましが、その日の訓練は行われていませんでした。しかし教官からは訓練生の今風を面白おかしく聞きましたが、厳しい訓練や規律は今も昔も変わらないとのことでした。

男性隊舎を見学しました。自習室、寝室、洗面場、洗濯場、娯楽室等々、全てをオープンに見せてもらいました。普段の生活をしている場で、訓練生がそこに居て、彼らの写真撮影や多少の会話も許されましたので、予想外でした。

次に防衛大学に移動しました。お恥ずかしい話ですが防大が横須賀に所在することすら私は知りませんでした。こちらは東京湾を見下ろせる標高85メートルの小原台にあり、広大な敷地に約二千人の学生全員が学生舎に居住しています。

その学生の身分は、特別職の国家公務員です。被服、寝具、食事等が貸与・支給されるほか、毎月手当が支給され更には6月12月には期末手当が給付されます。卒業後は陸・海・空曹長に任命され、自衛隊の幹部候補生となります。

普通の大学の教科の他に、国防の特別の訓練課程もありますので学生は大変です。卒業後も国を守る使命が明確であり、むしろ一般の大学とは全く異なります。写真は午後の授業に学生舎から隊列を組んで向かう風景、圧巻でした。

ともすると平和ボケと称して、我々は国の独立や安全を守ることをないがしろにしてしまう傾向にあります。日夜それを成し遂げようと鍛錬する若者の存在を身近に知っただけでも、ツアーに参加した甲斐がありました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東鉄連の研修会

2013年09月13日 17時20分05秒 | Weblog

田健治郎のD、青山禄朗のA、竹内明太郎のT、それぞれ支援者の頭文字を採り、早く走ることの「脱兎(だっと)」に掛け、「脱兎号(DAT CAR)」と命名した。これは明治末期に国内初の自動車メーカー、快進社自働車工場が造った車の名前です。

昭和に入りDATは息子を意味するDATSONの商標を掲げますが、損を連想させるため、音が同じで太陽を意味するDATSUNに改められます。その快進社は紆余曲折を経て吸収される形で、昭和8年に新たに日産自動車となって創業されます。

しかしDATSUNの車名だけは残って今日を迎えます。東鉄連の研修会で、そのような日産の発祥の地にある横浜工場を訪れました。生憎の悪天候の中約40名が参加しての、東鉄連としては何年ぶりかの一日バス研修旅行でした。

この横浜工場は、主にエンジンを生産するユニット工場で、完成車体を造る生産ラインはありません。工場のゲストホールには、日産エンジンミュージアムもありエンジンにスポットを当て、日産の技術開発の足跡を紹介しています。

工場では、最新のMR型エンジン(直列4気筒、排気量 1800及び2000cc)の組み立てラインを見学しました。2004年を境に二つの設置ラインがありましたが、以前のラインには手作業の工程がまだ多く残り、むしろ新鮮に感じました。

二時間の工場見学を終えバスは横須賀に向かいました。地元のホテルのレストランで海軍カレーの昼食を堪能し、一行は汐入ターミナルから船に乗り込み、「軍港めぐり」を体験しました。最近は人気が急上昇して、予約がなかなか取れないとか。

米海軍や海上自衛隊の艦船が間近で見られる日本唯一のクールージングツアーです。行き成り空母ジョージ・ワシントンが目に飛び込んで来て、圧倒されました。最大で11機のヘリコプターを搭載できる護衛艦ひゅうが(写真)も見学しました。

若い女性のガイドさんより、イージス艦の見分け方や潜水艦のお値段などを聞きながら、日々刻々と景色が変わるであろう歴史ある海軍港40分の旅は終わりました。 

沖縄に台風が接近していて早朝は強い雨が降り雷も鳴る等、軍港めぐりは諦めました。蓋をあけて見れば、雨が降ったのは工場見学中とバスに乗っている時だけ。軍港めぐりも目玉でしたので、なんと恵まれた研修会であったことか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鉄とレジャーランド(その2)

2013年09月07日 09時52分58秒 | Weblog
オリエンタルランドの初代社長は、京成電鉄の社長でもありました。その当時、京成電鉄の直営で千葉県の習志野には谷津遊園がありました。その中にバラ園を新設する構想があり、アメリカにバラ園に飾るバラを買い付けにいったのがその社長です。

その渡米の際にディズニーを訪れ、凄さに感動し目を付けたのです。帰国後、懸案であったレジャーランド計画は、アメリカのディズニーランドを誘致するという明確な方針を示し、会社は実現に向かって動き出したと言われます。

しかし京成電鉄は本業の不振からこの誘致は全てオリエンタルランドに任せることになります。一方の三井不動産は土地開発だけを主眼に置いて、一千億円以上を投資しての巨大な遊園地の計画は失敗に終わると考えていたのです。

この二社の確執やアメリカのディズニー社との数々の諸問題など、困難を克服しながら、昭和49年には漸くディズニー社と誘致の基本合意がなされます。そして昭和58年に、新会社設立23年目、東京ディズニーランドは誕生しました。

既にこの時期に、一大レジャーランドが出現する前には、浦安鉄鋼団地はしっかりと機能していました。鉄鋼団地内で鉄においては、あらゆる鋼種の調達が出来てあらゆる加工が可能であると。

話しは戻ります。オリエンタルランドが設立した昭和35年は、奇しくもわが社が江東区亀戸から江戸川区葛西に移転した年です。わが社も置き場の手狭さや、トラックの出入りによる近隣への影響などの配慮から、移転を決意します。

移転して間もなくして社員を募集すると、江戸川を挟んだお隣の浦安の住人が多く応募してきて採用をしました。実際に漁業権を奪われたり、将来海で仕事が出来なくなったりする不安を抱えた人達でした。一時期はこのような人達が現場を支えてくれました。

この夏も東京ディズニーリゾートには全国からお客さんが集まり、猛暑にもかかわらず入園者は衰えることはありません。すっかりそのジャーランドは浦安の地に根をはりました。我々の鉄鋼業は地味ではありますが、同じく浦安で存続して、共に東洋(オリエント)一、いや世界一を目指したいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする