梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

我々の会として

2014年04月26日 06時50分15秒 | Weblog
何事も人が集まるところには活気は必要であり、また人が行うことは全てにベストを尽くす。その様なことは誰も否定はしないでしょう。

江戸川鉄栄会の年度が変わり、結局私は会長として残り、1期二年の5期目に入りました。私も二人の副会長も4期も務めましたので、一緒に後進の若手にバトンタッチをする腹積もりでしたが、副会長が退任して私だけが留任しました。

本来、会長職は副会長に継承されていくのが理想です。二人の4期務めた副会長は私と年回りが変わらず、会社ではその社長自らが実務に携わっていて、業界団体活動にあまり積極的に参加出来ない等の事情がありました。今回新任の副会長二人は、既に長年当会の役員でもあり、私より一回り下の世代です。

二人の副会長が退任をしましたので、新たに二人の役員に加わってもらうことになりました。新たな役員にとお願いに上がっても、二つ返事で承諾してもらえることは稀です。この説得は会長の仕事となります。

「まだ会社で私がしなければならない仕事があって、業界団体の任務に積極的に参加はできない」、「私には役員を引き受ける力量がないので」、覚悟はしていましたが、そのような御断りの言葉が返って来ました。

「この役員の任務を通して、皆様の仕事を省みることも大事ではないですか」、「誰もが役員になる資格があり、力量は持っていると思います」、私はひるみません。一旦は断られても再度お願いに上がり、お二人共最後は受けて下さいました。

この様な新役員人事で臨んだ、今年48回を迎える江戸川鉄栄会の定時総会が、先週無事に終わりました。当初、会員にその案内を出したところ、欠席委任状が多くて、総勢30社の会員で出席は15名程でした。

私と新副会長で手分けして、欠席会社に働き掛けました。今回は屋形船での総会でもあり、社長の代理でも一社から複数参加でもよいのでとの声掛けで、24名の参加となりました。総会後の懇親会は大いに盛り上がりました。

48年も続いたこの江戸川鉄栄会は、メンバー皆様の会であるべきだと思います。そしてメンバーの皆様が前向きに行動することで、会を盛り立てていくことが大切なのではないでしょうか。
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業界の将来を担う

2014年04月19日 10時53分27秒 | Weblog

東鉄連と鉄鋼新聞社の共催による、“鉄鋼新人・中堅社員教養講座”が、今週二日間に亘り開催されました。新たに鉄鋼流通業界に携わる新卒及び中堅社員を対象として、各企業の社員教育の一助にする目的で、毎年行われてきた東鉄連でも伝統ある勉強会です。

今年で第51回を数え、今回は140名の受講者(8割以上が新卒者)に達しまた。初日は座学で浦安鉄鋼会館にて行われ、二日目はJFEスチール東日本製鉄所京浜地区の工場を見学する内容です。朝9時20分からスタートして午後5時に終わる、初日の講義に私も参加しました。

勿論この講座は社員対象なのですが、私が参加した理由は二つありました。この四月から入社したわが社の新卒者が受講していたことと、講座の一つは我々流通仲間の社長が体験談等の話しをするのが恒例となっていて、親しい社長が講座を受け持っていたからです。

この教養講座は昭和37年のスタートであり、50年以上続いたわけですので、初受講者は既に70歳を超えていることになり、歴史を感じます。また毎年100名を優に超える新卒の受講者がいると言うことは、多くの若者が鉄鋼流通業に魅力を感じて入社されるわけですので、この業界の将来も期待がもてます。

受講者のメインの対象となるのは、浦安鉄鋼団地に所在する企業となります。因みに、東鉄連とは別に組織化されていますが東鉄連の会員とほぼ重複する、浦安鉄鋼団地協同組合の現在の企業数は220社強、総従業員数は約4,000名となります。

二日間で、同じ業界を選択した同世代の仲間を認識して、初対面であっても意見交換もすれば、それだけでもこの講習の意義は大きいものです。各企業が単独では出来ないことで、だからこそ長年継続されてきたのだと思います。

高炉メーカーや鉄鋼商社の役員または各界知名人を講師として招くことも、製鉄所見学なども、新人・中堅社員教養講座を団体として行うメリットです。

 
参加したわが社の社員と、講習を終わった翌日話をしました。製鉄所の敷地の広大さや設備の巨大さに圧倒された、座学でも感動した話が多かった、との報告を受けました。

これだけの多くの、素のままの若手の社員を、業界として受け入れることになります。業界の財産として受け入れる企業の責任の重さを、一企業の立場ですが、感じました。
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国際海事展

2014年04月12日 06時48分53秒 | Weblog

お台場の東京ビックサイトで開催されている、「SEA JAPAN」と銘打った国内最大の国際海事展に、三日間の開催日の初日に行って来ました。

造船技術、舶用機器、海事関連サービスに至るまで船舶を中心とした最新製品・技術を紹介する480 の出展企業が、日本のみならず海外30 の国と地域から集結して、国内というよりはむしろ世界に向けて展示・発表していました。

パンフレットの分類からすると、舶用工業製品の中の荷役機械にあたる“クラブバケット”を製造している会社が出展していて、そこから招待券を頂いたので海事展に行って来ました。その会社は、わが社の鉄板加工製品を納めている取引先です。

クラブバケットとは、石炭や鉱石や穀物等のバラ積船に、クレーンの先に取り付けて積み降ろしの荷役を行う機械です。二枚貝のように開閉して、バラ物をすくい上げます。殆どが鋼鉄製で、わが社の切り板はそこに使われています。

展示場には救命ボートや潜水服等もあり、船舶や海事関係の製品は、想像以上に多岐に亘っていました。また鉄を使った製品も多く、どこに鉄が使われているか、そのような観点で見ても興味深いものがありました。

現在わが社が加工している、切り板の最終用途については、はっきり分かっているものとそうでないものとがあります。しかし最終用途がり分かっていても、完成品を間近で見られるものは、むしろ稀です。

このクラブバケットは主に国内の造船所へ納入されますが、搭載されたその船舶は外洋に出て世界を回ることになります。わが社の製品部材が完成品となって、海外で活躍していることにも繋がります。

用途が分かっているもの分からないもの、国内で使用されるもの海外で使用されるもの、いずれにしても直接のお客様からの仕様や納期に応えるのが、わが社の使命です。

今回の展示場で、わが社の取引先が積極的に企業PRをしているのを目の当たりにしました。鉄を通して広く社会に貢献することや、真摯に物を作ることの重要性を考える機会を得たように思います。
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突然の世代交代

2014年04月05日 06時46分14秒 | Weblog
勉強仲間のお父様が急逝されました。死因は急性心筋梗塞、数日前にはゴルフをされていたとのことです。そのお父様は広島で運送業を営んでいる現役の社長で、62歳でした。勉強仲間である息子さんは、その会社の専務で36歳の若さです。

昭和37年に祖父の方が個人としてスタートされましたが、その創業者は52歳で他界、お父様が20歳半ばでバトンタッチされて、今では社員400名を超える広島でも屈指の運送会社に発展しました。その息子さんは、専務になってまだ二年、のところでした。

食品関係の運送に特化しながら、単に商品の保管や輸送の仕事だけではなく、加工やラベル貼り等まで行い、複数の荷主さんの荷を共同配送することでコストを下げながら、エンドユーザーにジャストインタイムで納入する仕組みを作ってきた会社です。

近年はコンビニ店配送にも力を入れ、冷凍・冷蔵庫も完備して、食品の鮮度管理まで手掛けています。去年、兵庫県尼崎市にあるその会社の流通センターを見学し、冷凍マグロ等が保管してあるマイナス50°の冷凍庫に入る体験を、勉強仲間皆でしました。

ご葬儀に参列していて、私の24年前と重なって、色々な想いが去来しました。私の父は65歳で亡くなり、当時私は37歳。私も正確には三代目。父が世を去ったのも桜の咲いていた頃です。父の死によって、社長を引き継ぐことになった原点がここにあります。 

そのお父様は長らく心臓病を患っていたそうです。他にも持病があることは、息子さんからは聞いていました。二ヶ月ほど前に胸の痛みを訴え緊急入院したものの、更に多くの投薬で一旦は回復をみて、退院されたのです。「実はその時から、こうなることの覚悟を決めていました」とは、息子さんの出棺の時の挨拶でした。

まだ60歳代の年齢での死は、身内とっては大変悲しいことです。そして突然にして大黒柱を失ってしまうことは、将来に対する家族の不安も計り知れないものがあります。

しかし会社にとってみると、トップの世代交代は、そのようなことをよそに非情なものです。会社は変化、存続することが使命となります。世代交代を、段階的に準備を進めていければ理想ですが、突発的にそのタイミングが訪れることもあり得るのです

若くとも、後継者が息子として既に存在していることは、何より幸いです。若ければ若いほど苦難は多く厳しい試練となるでしょうが、苦難や試練はそれを活かせば、大きな自信となり強みになります。息子さんのご健闘を心からお祈り致します。
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